独裁者サマの攻略法

観月 珠莉

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【02】 初陣

*005* 飛んで火に入る夏の虫

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今日は、一回目の本社で行われるスキルチェックだ。
一か月間も孤島で監禁されていた訓練生達は、久しぶりの娑婆の空気が何よりも楽しみだった。

「お前ら、ここを出られるからと言って、羽目を外せると思うなよ。何れにしても、移動は隔離されながら…だからな、残念だったな。」

一條は相変わらず口が悪い。
しかし、飛行機とバスで本当に人と接する事無く、本社のスキルチェック会場まで到着してしまった
今日のスキルチェックは、初回だけあってそんなに難しいものでは無かった。
悠李は、早々にスキルチェックを終わらせ、本社の中を散策していた。

「ここで何をしているんだい?」

全く気配が無かったはずなのに、後ろから声を掛けられた。
振り向くと、制服を着ているので社内の人なのだろう。
そこには、中性的な印象の眼鏡男子が居た。
年の頃は、悠李よりも十歳程度上…という感じだろうか?

「早目にスキルチェックが終わったので、せっかくだし、本社の中の様子が見たくて。」
「そう。少しだけならば、案内してあげようか?」
「良いんですか?」
「まぁ、勝手に見られるよりは。」
「お願いします。私は、訓練生の花村 悠李です。お名前を伺っても?」
「あぁ、花組の花村さんね。僕は、入社の時に自己紹介しているんだけどなぁ。総務の中原です。」

お互いの自己紹介が終わると、簡単に館内を案内してくれる。

「中原さんは、何時も本社の社内に居るんですか?」
「まぁ…そうだね。」
「じゃあ、スキルチェックの度に会えたりする?」

孤島の中で、潤いが無い毎日を過ごしている悠李は、この機会を逃さずに獲物を捕獲しようとしていた。
これで、スキルチェックの度に潤いが求められるならば、訓練にも遣り甲斐を見い出せそうだ。

「何か、不安に思っている事でもあるの?」
「そういう訳じゃないんだけど、中原さんってカッコイイよね。」
「そう? 花村さんはかわいいよね。」
「かわいい? 余り言われる事は無いかなぁ…。」

悠李は、普段、かわいいと言われるよりも綺麗だと言われる方が多い。

「中原さんって、年上好み?」
「いや…そんな事は無いけど。」
「ふぅ~ん、そうなんだ。」

悠李は、話ながら、どうやったら中原が自分に興味を持つのかを考えていた。

「流石、花組で組長をやっているだけあるね。」
「?」
「組の担当内容に向いている気がするよ。」

中原には、潤いを求めたい気持ちがダダ漏れだったらしい。
ならば、話は簡単だ。

「中原さん、しましょ?」

悠李は、直接的にお誘いをする事にした。
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