独裁者サマの攻略法

観月 珠莉

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【08】 捕獲

*090* これから… (★)

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グジュグジュと更に激しい水音を立て、二人が荒い息と共に高いところまで手が届くのは、もう直ぐだった。

「イ……ク……ッ!!」

長い時間、ブルブルと身体が震える事が止められなかった。
何時までも快感が続き、イキっぱなしな状態が続く。

「ぁぁあッ!!!!!!」
「クッ……!!」

小刻みな収縮を続ける蜜壺に誘発されて、一條も悠李の中にビュクビュクと激しい奔流をこれでもかという程に叩きつけた。
悠李は、子宮に叩きつけられる白濁の勢いを感じ、頭が真っ白になり、そのままホワイトアウトする。
意識が消えていく中、ひとしきり白濁を叩き出した一條は、ゆっくりと悠李の上へと倒れ込んでくるのを感じる。
再び肌が重なった時、互いの汗が混ざり合っている事を感じ、本当のセックスはこういうものなのカナ? …と思いながら、悠李は、完全に意識を手放した。
どれくらいの時間、意識を手放していたのだろうか?
とても優しく頭を撫でている感覚で少しずつ覚醒していく。
もう少し、その手を感じていたくて、微睡の中に居たのだが、声の主に現実に引き戻された。

「で、結局、お前はどうするんだ? このまま、ここに居たら常に危険と隣り合わせだぞ?」

一條の声で、自分がどんな状況だったのか思い出したのだ。
一條の甘い吐息、感じている時に出す低い声…そして、後回しにしていた問題。

「ここは…辞めない。まだ、一條に何一つやり返してないもの!!」
「やり返すって…なぁ……。まぁ、良いけどな。」

苦笑しながらも、悠李を撫でているその手はどこまでも優しい。

「修了するまでには…必ずッ!!」

力強く意気込んでいる悠李の姿を見ても、一條にとってはただ可愛らしいだけだった。

「まぁ…お前が脱落しなければ、まだまだ時間はあるしな。」
「ホント、嫌な言い方!!」

話している内容は、味気無いが、二人の中に流れる空気はどこまでも甘やかだった。

「お前、これからはもっと自分の事を大切にしろよ?」
「……それって…どういう意味?」
「お前は隙があり過ぎるんだよ。」
「そんな訳無いじゃん!!」

一條は、深い溜め息を吐いて、悠李の言葉をそのアクションで否定した。
悠李の中では、取捨選択していたつもりだったが、意外とそういう意味では無いのだろうか?
そして、一條は、悠李が自分のモノだと確かめるようにしっかりと抱き締めた。

「…もう少し…自覚してくれ。」

一條が心配そうな表情で悠李に懇願しているような様子は、見慣れないながらも、悠李の心をホッコリとさせた。
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