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【08】 捕獲
*088* 想いの交換 (★)
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でも、一條の傍を離れたく無いと思った事だけが事実だった。
悠李は、無意識に一條の頭を両手で引き寄せ、そっと口付けた。
「ふ…ぅ……っ…。」
一條の唇は、どこか冷たくて…でも滲み出るような温もりを感じた。
もっとその唇を感じようと口付けを深くしようとした時、一條の深く身体を抱き込まれ、口の中に舌が挿し込まれた。
そのまま、悠李の舌が絡め取られる。
自身が一條を欲しているのか…一條が悠李を拘束しているのか判らなくなる程に、お互いが強い力で抱き締めあっている。
「ぁあ……ッ…!!」
気付けば、悠李の身体はベッドの上に縫い付けられていた。
息苦しいのに離れたく無い矛盾が、悠李の行動に拍車を掛けていく。
「……好…き……。でも…もう、失うのは…イヤ……。」
小さな声で悠李が呟く。
一條の思いの外柔らかい髪に指を絡ませ、不安に瞳を震わせる。
今の悠李の表情が、どれだけ庇護欲をそそるのか全く解っていないのだろう。
「俺も…何時からか、お前から目が離せなくなっていた。負けず嫌いなのに最後の詰めが甘いところも…勝気なのに寂しがり屋なところも…全部、好きだ。」
今まで聞いた事も無いような柔らかい口調でそう告げると、一條は、悠李の額に何かを誓うようにそっと口付けた。
一條が、簡単に好きだと言った事に驚きを隠せない悠李は、顔を離して、思わず一條の顔を凝視してしまう。
「そんなに見られると…照れるだろーが!!」
一條は、少しはにかんだ表情を浮かべていたが、直ぐに悠李の唇にキスしてきた。
最初は優しかったその口付けも、あっという間に深く激しくなっていった。
また、その激しさに軽い酸欠状態になっている悠李は、色々と難しい事を考える事が出来なくなり、直ぐに一條が与える口付けに夢中になっていった。
気付けば、生まれたままの姿になっており…気付けば、既に一條が悠李の中にいる。
触れられる指も唇も…今までで一番優しく、まるで羽のようなタッチだった。
視点の合わない瞳で一條を見つめていると、頬を撫でながら、優しく問い掛けられる。
「どうした?」
「うぅ…ん…何でも無いよ。」
そう言って、悠李が身じろいだ瞬間、中にいる一條の当たる位置が変わって、思わず声を上げてしまう。
「あぁッ!!」
「何でも無い訳、ないだろ?」
一條は、コツンと悠李の額に自身の額を当てて顔を近付けてくる。
「う……ん。幸せ過ぎて……恐いな…って…思って。」
一條は、余りに可愛らしい事を言う悠李を見て、クスリと笑う。
悠李は、無意識に一條の頭を両手で引き寄せ、そっと口付けた。
「ふ…ぅ……っ…。」
一條の唇は、どこか冷たくて…でも滲み出るような温もりを感じた。
もっとその唇を感じようと口付けを深くしようとした時、一條の深く身体を抱き込まれ、口の中に舌が挿し込まれた。
そのまま、悠李の舌が絡め取られる。
自身が一條を欲しているのか…一條が悠李を拘束しているのか判らなくなる程に、お互いが強い力で抱き締めあっている。
「ぁあ……ッ…!!」
気付けば、悠李の身体はベッドの上に縫い付けられていた。
息苦しいのに離れたく無い矛盾が、悠李の行動に拍車を掛けていく。
「……好…き……。でも…もう、失うのは…イヤ……。」
小さな声で悠李が呟く。
一條の思いの外柔らかい髪に指を絡ませ、不安に瞳を震わせる。
今の悠李の表情が、どれだけ庇護欲をそそるのか全く解っていないのだろう。
「俺も…何時からか、お前から目が離せなくなっていた。負けず嫌いなのに最後の詰めが甘いところも…勝気なのに寂しがり屋なところも…全部、好きだ。」
今まで聞いた事も無いような柔らかい口調でそう告げると、一條は、悠李の額に何かを誓うようにそっと口付けた。
一條が、簡単に好きだと言った事に驚きを隠せない悠李は、顔を離して、思わず一條の顔を凝視してしまう。
「そんなに見られると…照れるだろーが!!」
一條は、少しはにかんだ表情を浮かべていたが、直ぐに悠李の唇にキスしてきた。
最初は優しかったその口付けも、あっという間に深く激しくなっていった。
また、その激しさに軽い酸欠状態になっている悠李は、色々と難しい事を考える事が出来なくなり、直ぐに一條が与える口付けに夢中になっていった。
気付けば、生まれたままの姿になっており…気付けば、既に一條が悠李の中にいる。
触れられる指も唇も…今までで一番優しく、まるで羽のようなタッチだった。
視点の合わない瞳で一條を見つめていると、頬を撫でながら、優しく問い掛けられる。
「どうした?」
「うぅ…ん…何でも無いよ。」
そう言って、悠李が身じろいだ瞬間、中にいる一條の当たる位置が変わって、思わず声を上げてしまう。
「あぁッ!!」
「何でも無い訳、ないだろ?」
一條は、コツンと悠李の額に自身の額を当てて顔を近付けてくる。
「う……ん。幸せ過ぎて……恐いな…って…思って。」
一條は、余りに可愛らしい事を言う悠李を見て、クスリと笑う。
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