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【08】 捕獲
*080* 思いの丈
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悠李が応接セットに辿り着く頃に、兄も寝室から出てきたようだった。
「ユーリ、おはよう。随分と朝早いね。どうしたの?」
「おはよう、お兄ちゃん。」
手を広げて、悠李を迎え入れようとしていたので、大人しくハグされる。
軽くハグを返して、頬におはようのキスをすると兄も同じように返してくれた。
一條は、苦い顔をしながら、二人の様子を黙って見ていた。
ようやく、視線で兄も一條が居る事に気付いたらしい。
「ユーリ、まぁ、座ったら?」
兄に勧められるまま、席に座る。
「で、兄妹の話のところに君まで居るのはどういう事なのかな?」
兄は、冷たい視線で、一條を見る。
「と…取り敢えず、一條も座ったら?」
悠李がそう言うと大股で歩き、悠李の隣りに腰掛けた。
一條が座ったところで、悠李は話し出す。
「あのね、お兄ちゃん。急に予定外に来てしまったから、今後がどんな風になるかは解らないけれど、一度、日本に帰るべきだと思うの。」
「別に、ユーリが望むならば、何時までもこの国に居られるんだよ?」
「それは…解ってるけれど、お父さんとお母さんも悲しむでしょ?」
「でも、ユーリは、今、訓練で家に居る訳じゃ無いんでしょ?」
「そうだけど…でも…。」
悠李は、兄と話していると、何時も言い包められてしまう。
今回も、明らかに兄のペースになりつつあった。
「詳しい事は、よく解らんが、訓練所を辞めるとしても、本人の書類が必要だ。何れにしても一度は、帰国しなければ話にならん!!」
一條は、兄妹の会話を聞いていて、口を挿んできた。
「部外者は黙っていてくれないか?」
兄は珍しく、口調を荒げている。
「黙っていようかとも思ったんだが、俺はコイツの担当教官なんでね。部外者という訳でも無いんだよ。」
兄に軍配が上がる前に、一條が風向きを変えた。
「お兄ちゃん、兎に角、一度、日本に帰ってちゃんと考えてみるから。本当は、仕事でもお兄ちゃんと再会出来たら嬉しいと思って今の会社に入ったの。」
「……。」
「まさか、本当にお兄ちゃんに再会出来るとは思っていなかったんだけど…。」
悠李の言葉に何時もは滑らかに回る兄の口も止まった。
「何年かぶりに、元気そうなお兄ちゃんの顔が見られて…ちょっとだけど、話しも出来て嬉しかったよ?」
「僕もだよ。」
「だから、今後、どうするかを決める為にも…一度、日本に戻ろうと思う。」
「……そうか。」
二人の会話が、ある程度の方向性を見い出したところで、一條が言う。
「話が纏まったようなので、行くぞ、花村!!」
「はい。」
悠李は、一條の言葉で立ち上がった。
「ユーリ、おはよう。随分と朝早いね。どうしたの?」
「おはよう、お兄ちゃん。」
手を広げて、悠李を迎え入れようとしていたので、大人しくハグされる。
軽くハグを返して、頬におはようのキスをすると兄も同じように返してくれた。
一條は、苦い顔をしながら、二人の様子を黙って見ていた。
ようやく、視線で兄も一條が居る事に気付いたらしい。
「ユーリ、まぁ、座ったら?」
兄に勧められるまま、席に座る。
「で、兄妹の話のところに君まで居るのはどういう事なのかな?」
兄は、冷たい視線で、一條を見る。
「と…取り敢えず、一條も座ったら?」
悠李がそう言うと大股で歩き、悠李の隣りに腰掛けた。
一條が座ったところで、悠李は話し出す。
「あのね、お兄ちゃん。急に予定外に来てしまったから、今後がどんな風になるかは解らないけれど、一度、日本に帰るべきだと思うの。」
「別に、ユーリが望むならば、何時までもこの国に居られるんだよ?」
「それは…解ってるけれど、お父さんとお母さんも悲しむでしょ?」
「でも、ユーリは、今、訓練で家に居る訳じゃ無いんでしょ?」
「そうだけど…でも…。」
悠李は、兄と話していると、何時も言い包められてしまう。
今回も、明らかに兄のペースになりつつあった。
「詳しい事は、よく解らんが、訓練所を辞めるとしても、本人の書類が必要だ。何れにしても一度は、帰国しなければ話にならん!!」
一條は、兄妹の会話を聞いていて、口を挿んできた。
「部外者は黙っていてくれないか?」
兄は珍しく、口調を荒げている。
「黙っていようかとも思ったんだが、俺はコイツの担当教官なんでね。部外者という訳でも無いんだよ。」
兄に軍配が上がる前に、一條が風向きを変えた。
「お兄ちゃん、兎に角、一度、日本に帰ってちゃんと考えてみるから。本当は、仕事でもお兄ちゃんと再会出来たら嬉しいと思って今の会社に入ったの。」
「……。」
「まさか、本当にお兄ちゃんに再会出来るとは思っていなかったんだけど…。」
悠李の言葉に何時もは滑らかに回る兄の口も止まった。
「何年かぶりに、元気そうなお兄ちゃんの顔が見られて…ちょっとだけど、話しも出来て嬉しかったよ?」
「僕もだよ。」
「だから、今後、どうするかを決める為にも…一度、日本に戻ろうと思う。」
「……そうか。」
二人の会話が、ある程度の方向性を見い出したところで、一條が言う。
「話が纏まったようなので、行くぞ、花村!!」
「はい。」
悠李は、一條の言葉で立ち上がった。
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