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*01* 聖女に必要な『浄化』
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「リュクレール、庭園に行って薬草を取ってきておくれ。」
「はい、大神官さま。」
ここは、プリズムニア王国の中央に配されているクリアアーチ大神殿。
その名のとおり、真っ白く清らかないでたちで、毎日、多くの国民が礼拝に訪れる。
リュクレールは、その大神殿の聖女として礼拝堂で祈りを奉げたり、悩める民たちの浄化の神楽を担っていた。
そんなリュクレールが大神官の言い付けで庭園で薬草を摘んでいると、突然、手にしている薬草が枯れてしまった。
枯れ掛けの薬草を摘んでしまったのかと新たな薬草を手にするも、その薬草もまた、枯れてしまう。
何度摘んでも全て枯れてしまう事が怖くなったリュクレールは、直ぐに大神官の下へ走った。
神殿内を走る事は禁じられている事も忘れる程にリュクレールの気は動転していた。
リュクレールは、ノック後、大神官の返答も待たずに執務室に入る。
「これ、リュクレール、何とはしたない。」
「申し訳ございません、大神官さま。あの…これ…。」
リュクレールは、慌てて手の中の薬草を見せる。
「これは…。」
「大神官さま、これは…どういう事なのでしょうか?」
「リュクレール、よく聞きなさい。おまえには直ぐに『浄化』が必要なのだよ。」
「『浄化』…ですか?」
「左様。リュクレールの身体は、闇のエネルギーに捕らわれ、黒化が始まっておる。」
「私…どうすれば…?」
「うむ。早急に、強い浄化の能力を持った上級神官にリュクレールの『浄化』を頼む事にしよう。」
程なくして、大神官の執務室の扉がノックされ、一人の神官が入室してきた。
輝くような黄金色の髪に深いエメラルド・グリーンの瞳。
目が合った瞬間から、呼吸を忘れてしまう程に整った美貌の持ち主である。
リュクレールも折に触れて遠目で見た事はあるが、こんなに近くに居る事は初めてだった。
「おぉ。よく来てくれた。」
「大神官さま、聖女さまの状況は理解出来ました。今夜からでも直ぐに『浄化』を致しましょう。」
「そうして貰えるかな?」
「方法は、私にお任せ頂いても?」
「勿論、かまわないとも。」
「では、聖女さま。本日の夜より神殿奥の小聖堂にて七日間かけて『浄化』を行います。」
「神殿奥の小聖堂…ですか?」
「そうです。場所がわからないようですから、夜に聖女見習いを迎えに行かせましょう。それまで、今日はゆっくりと身体を休ませておいてください。」
簡単な説明を受けると、神官は今日は自室で休むよう言い、リュクレールは、そのまま部屋に戻されたのだった。
結局、何故このような状況になってしまったのかわからないまま…。
『浄化』とはどのような事をするのかもわからないまま…。
色々と疑問を抱えたまま、ただ、ゆっくりと…『浄化』が行われる時が満ちるのを待つしかないリュクレールだった。
「はい、大神官さま。」
ここは、プリズムニア王国の中央に配されているクリアアーチ大神殿。
その名のとおり、真っ白く清らかないでたちで、毎日、多くの国民が礼拝に訪れる。
リュクレールは、その大神殿の聖女として礼拝堂で祈りを奉げたり、悩める民たちの浄化の神楽を担っていた。
そんなリュクレールが大神官の言い付けで庭園で薬草を摘んでいると、突然、手にしている薬草が枯れてしまった。
枯れ掛けの薬草を摘んでしまったのかと新たな薬草を手にするも、その薬草もまた、枯れてしまう。
何度摘んでも全て枯れてしまう事が怖くなったリュクレールは、直ぐに大神官の下へ走った。
神殿内を走る事は禁じられている事も忘れる程にリュクレールの気は動転していた。
リュクレールは、ノック後、大神官の返答も待たずに執務室に入る。
「これ、リュクレール、何とはしたない。」
「申し訳ございません、大神官さま。あの…これ…。」
リュクレールは、慌てて手の中の薬草を見せる。
「これは…。」
「大神官さま、これは…どういう事なのでしょうか?」
「リュクレール、よく聞きなさい。おまえには直ぐに『浄化』が必要なのだよ。」
「『浄化』…ですか?」
「左様。リュクレールの身体は、闇のエネルギーに捕らわれ、黒化が始まっておる。」
「私…どうすれば…?」
「うむ。早急に、強い浄化の能力を持った上級神官にリュクレールの『浄化』を頼む事にしよう。」
程なくして、大神官の執務室の扉がノックされ、一人の神官が入室してきた。
輝くような黄金色の髪に深いエメラルド・グリーンの瞳。
目が合った瞬間から、呼吸を忘れてしまう程に整った美貌の持ち主である。
リュクレールも折に触れて遠目で見た事はあるが、こんなに近くに居る事は初めてだった。
「おぉ。よく来てくれた。」
「大神官さま、聖女さまの状況は理解出来ました。今夜からでも直ぐに『浄化』を致しましょう。」
「そうして貰えるかな?」
「方法は、私にお任せ頂いても?」
「勿論、かまわないとも。」
「では、聖女さま。本日の夜より神殿奥の小聖堂にて七日間かけて『浄化』を行います。」
「神殿奥の小聖堂…ですか?」
「そうです。場所がわからないようですから、夜に聖女見習いを迎えに行かせましょう。それまで、今日はゆっくりと身体を休ませておいてください。」
簡単な説明を受けると、神官は今日は自室で休むよう言い、リュクレールは、そのまま部屋に戻されたのだった。
結局、何故このような状況になってしまったのかわからないまま…。
『浄化』とはどのような事をするのかもわからないまま…。
色々と疑問を抱えたまま、ただ、ゆっくりと…『浄化』が行われる時が満ちるのを待つしかないリュクレールだった。
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