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第二章
デートだ!④
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「え?」
三毛さんが目を丸くしている。
「え?」
それを見て、私も目を見開いた。
「フリフリ?……ってなんですか?パンケーキが可愛いですね、って事だったんですが……」
三毛さんが「コイツは何を言っているんだ?」と言う表情で首を傾げる。
私はそれを聞いて自分が勘違いをしている事に気付き、慌てて首を高速で振った。
「あ……ああ!いえ!なんでもないです!!わ、わぁ~~!パンケーキ、ホント可愛いですね!美味しそうだなぁ!ささ、食べましょ食べましょ!」
「え、ええ」
これ以上突っ込まれない様に、まだ不思議そうな顔をしている三毛さんを急かす。
私も一つ深呼吸をして落ち着きを取り戻し、ちゃんとパンケーキを見た。
(確かに可愛いし美味しそう)
写真で見た通り、猫の顔の形をしたチョコレートのパンケーキ。周りに小さい山の様にホイップが何個も絞られていて、その周りに細長く切られたイチゴやオレンジが放射状に飾られている。どうやらお花の形を模している様だ。イチゴのジャムで首輪もちゃんと描かれていて、三毛さんの言う通り『可愛い』の一言に尽きる。
普段、写真はあまり撮らないのだけど、これは写真に収めたいと思い、一枚だけ撮ってあとはパンケーキをゆっくり堪能しようといただきますをした。
「わっ、フワフワしっとりで美味しい!チョコレートのパンケーキって初めて食べたけど、こんなに美味しいんですね。周りのイチゴとオレンジの相性もバッチリです」
私が感想を述べていると、三毛さんも頷いて「本当ですね」と言ってくれた。
余りの美味しさにパクパクと食べ進めていたら、紅茶を飲んでいる三毛さんを見て、紅茶の存在を忘れている事に気が付いた。
あ、と思い、一番の目的の紅茶を私も飲んでみる。
「紅茶も美味しい」
ほんのりスパイシーなシナモンの風味がする様な、でもフルーティーな風味もする様な。お砂糖を入れていないストレートティーを飲んでいるのに少し甘味も感じる様な、とにかく形容し難い味。でも美味しい。
「……ええ。不思議なブレンドですが、このパンケーキに合いますね。飲んだ瞬間口の中がリセットされて、またパンケーキが美味しく感じられる。勉強になるなぁ」
三毛さんは紅茶を飲んだ感想をメモに書き止め、感心した様にまた大きく頷いた。
その後も、紅茶を一口飲んではペンを取ってメモを取り、なにかブツブツ言いながら研究し始めたので、私はそっとして置くことにした。
三毛さんが目を丸くしている。
「え?」
それを見て、私も目を見開いた。
「フリフリ?……ってなんですか?パンケーキが可愛いですね、って事だったんですが……」
三毛さんが「コイツは何を言っているんだ?」と言う表情で首を傾げる。
私はそれを聞いて自分が勘違いをしている事に気付き、慌てて首を高速で振った。
「あ……ああ!いえ!なんでもないです!!わ、わぁ~~!パンケーキ、ホント可愛いですね!美味しそうだなぁ!ささ、食べましょ食べましょ!」
「え、ええ」
これ以上突っ込まれない様に、まだ不思議そうな顔をしている三毛さんを急かす。
私も一つ深呼吸をして落ち着きを取り戻し、ちゃんとパンケーキを見た。
(確かに可愛いし美味しそう)
写真で見た通り、猫の顔の形をしたチョコレートのパンケーキ。周りに小さい山の様にホイップが何個も絞られていて、その周りに細長く切られたイチゴやオレンジが放射状に飾られている。どうやらお花の形を模している様だ。イチゴのジャムで首輪もちゃんと描かれていて、三毛さんの言う通り『可愛い』の一言に尽きる。
普段、写真はあまり撮らないのだけど、これは写真に収めたいと思い、一枚だけ撮ってあとはパンケーキをゆっくり堪能しようといただきますをした。
「わっ、フワフワしっとりで美味しい!チョコレートのパンケーキって初めて食べたけど、こんなに美味しいんですね。周りのイチゴとオレンジの相性もバッチリです」
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余りの美味しさにパクパクと食べ進めていたら、紅茶を飲んでいる三毛さんを見て、紅茶の存在を忘れている事に気が付いた。
あ、と思い、一番の目的の紅茶を私も飲んでみる。
「紅茶も美味しい」
ほんのりスパイシーなシナモンの風味がする様な、でもフルーティーな風味もする様な。お砂糖を入れていないストレートティーを飲んでいるのに少し甘味も感じる様な、とにかく形容し難い味。でも美味しい。
「……ええ。不思議なブレンドですが、このパンケーキに合いますね。飲んだ瞬間口の中がリセットされて、またパンケーキが美味しく感じられる。勉強になるなぁ」
三毛さんは紅茶を飲んだ感想をメモに書き止め、感心した様にまた大きく頷いた。
その後も、紅茶を一口飲んではペンを取ってメモを取り、なにかブツブツ言いながら研究し始めたので、私はそっとして置くことにした。
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