猫と笑顔とミルクティー~あの雨の日に~

咲良緋芽

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第二章

デートだ!➁

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そうと決まれば、とメニュー表を開くと、分かりやすい様に写真付きでメニューが載せられていた。

「わぁ……かわいいし美味しそう」

周りの子達がはしゃぐ気持ちも分かる。

パンケーキが主のお店らしく、そのパンケーキもウサギの形をしていたり猫の形をしていたりとバリエーションが豊富だった。

「フルーツもたっぷりで美味しそうですね。実森さん、フルーツ好きですよね?」

「はい、大好きです!ん~~、どれ頼もうかなぁ。迷うなぁ……ん?」

目移りして困っていたら、一個のパンケーキに目が留まった。

ベースのパンケーキはチョコレートのパンケーキで、猫の顔の形をしている。周りにはホイップとフルーツがゴロゴロと飾られていて、イチゴのジャム(?)で首輪が描かれている物だった。

その瞬間、

「あ、私これにします」

「あ、僕これにします」

私と三毛さんが同時に指さした。

二人で「え?」と顔を見合わせる。

なんと、同じ物を指さしていた。

「……アールですか?」

「……はい、アールです」

まさか被るとは思っても見なくて、私達はクスっと笑った。

「同じの注文しますか」

「そうですね」

丁度テーブルを片付けに来た店員さんに声を掛けて、アールに似たパンケーキ二つとセットの紅茶を注文した。

可愛らしい店員さんはニコニコしながら注文を受け、またフリルをフリフリしながら去って行った。

「紅茶はこの店オリジナルのブレンドのフレーバーみたいですけど、三毛さんブレンドじゃなくて良かったんですか?」

メニューをよく見てみると、『※紅茶はお客様のお好みのフレーバーでお作りも出来ます』と書いてあった。

なんの知識も無い私はともかく、三毛さんは自分好みで作れたのでは?

「はい。とりあえずお店おススメの紅茶を飲んでみたいので」

「なるほど」

その後、やっぱりソワソワしている三毛さんの気持ちをパンケーキが来るまでになんとか落ち着かせようと、話題を探した。

(あ、そうだ!)

思い付いた話題を振ってみる。
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