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急展開―そして事件は起こった。①
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――カタカタ…カタ…カタ……。
「はぁ……」
大きめのため息を吐き、キーボードを打つ手が止まる。
自分でも分かる位上の空で、仕事が全く捗らない。
空を見ると、私の心を映した様にどんより曇り空。
「余計にヘコむ……」
椅子の背もたれに、イナバウアーかの如くダラーンともたれ掛かって嘆いた。
昨夜、結局あれから全然寝れなかった。
朝、気まずくてどうしようかと迷っていたら、いつもよりも全然早い時間に雪ちゃんが出て行く音がして、私はホッとした様な、ガッカリした様な、何とも言えない気持ちになった。
でも、顔を合わせ辛かったから、ホッとしたのか。
だから、今日は一人で出社。
ちょっと不安だったけど、別段なにも起こらず無事に会社に到着した。
こんな気まずいままで、明日のサプライズバースデーを楽しめるのだろうか。
考えると、増して暗い気持ちになる。
「……駄目だっ!仕事しないと!」
私は背もたれからガバッ!と起き上がり、パソコンに向かい合う。
今は、とりあえず仕事に集中しよう!
「よしっ!」
両手でパチンッ!と両頬を挟んで気合いを入れた瞬間、キーンコーン、とお昼を告げるチャイムが鳴り響いた。
「え?」
あれ!?もうそんな時間!?
時計を見ると、確かに針は12時を指している。
「あ……じゃあ、お昼だ……」
なんとなく出鼻を挫かれた様な気がして、気が抜ける。
しかし、お昼と意識した途端、お腹が空いて来た。
「どんなに悩んでいてもお腹って空くんだよね……」
今日のお昼はどうしよう。久々に社食で済まそうか。
だって多分、待っていても雪ちゃんからのお昼のお誘いは来ないだろうから。
「咲希子、今日さ……」
咲希子を誘おうと咲希子のデスクに目を向けると、さっきまで居たはずの姿が見当たらない。
「あれ?」
どこへ行ったのだろうか。
他の人に聞いても「知らない」と言われ、私はポツンと一人取り残された。
(……まあ、良いや。それにしても、社食って久し振りだなぁ)
雪ちゃんとヒミツを共有してから、お昼はハナちゃんの所へ行く事が日課になっていた。
雪ちゃんは当然ハナちゃんの所へ行くだろうから、私は社食に行く事にする。
(秘書課から食堂って、結構遠いんだよね)
少しだけ待ってみたけど、咲希子がまったく姿を現さないので私はお財布を持って一人、食堂へ向かう。
食堂に近付くに連れ、辺りがガヤガヤと賑わって来る。
この感覚、ホント久し振り。
(今日のランチは……と……)
入り口前のボードを見ると、
『Aランチ:鶏の唐揚げ』
『Bランチ:鯖の味噌煮』
と書かれている。私は少し迷ったけど、やけくそがてらガッツリ食べたい気分だったのでAランチの鶏の唐揚げを注文した。
大好きな鶏の唐揚げ。なのに、久し振りに一人で食べたお昼ご飯は、余り美味しくなかった。
「はぁ……」
大きめのため息を吐き、キーボードを打つ手が止まる。
自分でも分かる位上の空で、仕事が全く捗らない。
空を見ると、私の心を映した様にどんより曇り空。
「余計にヘコむ……」
椅子の背もたれに、イナバウアーかの如くダラーンともたれ掛かって嘆いた。
昨夜、結局あれから全然寝れなかった。
朝、気まずくてどうしようかと迷っていたら、いつもよりも全然早い時間に雪ちゃんが出て行く音がして、私はホッとした様な、ガッカリした様な、何とも言えない気持ちになった。
でも、顔を合わせ辛かったから、ホッとしたのか。
だから、今日は一人で出社。
ちょっと不安だったけど、別段なにも起こらず無事に会社に到着した。
こんな気まずいままで、明日のサプライズバースデーを楽しめるのだろうか。
考えると、増して暗い気持ちになる。
「……駄目だっ!仕事しないと!」
私は背もたれからガバッ!と起き上がり、パソコンに向かい合う。
今は、とりあえず仕事に集中しよう!
「よしっ!」
両手でパチンッ!と両頬を挟んで気合いを入れた瞬間、キーンコーン、とお昼を告げるチャイムが鳴り響いた。
「え?」
あれ!?もうそんな時間!?
時計を見ると、確かに針は12時を指している。
「あ……じゃあ、お昼だ……」
なんとなく出鼻を挫かれた様な気がして、気が抜ける。
しかし、お昼と意識した途端、お腹が空いて来た。
「どんなに悩んでいてもお腹って空くんだよね……」
今日のお昼はどうしよう。久々に社食で済まそうか。
だって多分、待っていても雪ちゃんからのお昼のお誘いは来ないだろうから。
「咲希子、今日さ……」
咲希子を誘おうと咲希子のデスクに目を向けると、さっきまで居たはずの姿が見当たらない。
「あれ?」
どこへ行ったのだろうか。
他の人に聞いても「知らない」と言われ、私はポツンと一人取り残された。
(……まあ、良いや。それにしても、社食って久し振りだなぁ)
雪ちゃんとヒミツを共有してから、お昼はハナちゃんの所へ行く事が日課になっていた。
雪ちゃんは当然ハナちゃんの所へ行くだろうから、私は社食に行く事にする。
(秘書課から食堂って、結構遠いんだよね)
少しだけ待ってみたけど、咲希子がまったく姿を現さないので私はお財布を持って一人、食堂へ向かう。
食堂に近付くに連れ、辺りがガヤガヤと賑わって来る。
この感覚、ホント久し振り。
(今日のランチは……と……)
入り口前のボードを見ると、
『Aランチ:鶏の唐揚げ』
『Bランチ:鯖の味噌煮』
と書かれている。私は少し迷ったけど、やけくそがてらガッツリ食べたい気分だったのでAランチの鶏の唐揚げを注文した。
大好きな鶏の唐揚げ。なのに、久し振りに一人で食べたお昼ご飯は、余り美味しくなかった。
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