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サプライズだからね、ヒミツ➁

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「ふわぁぁ~……」

私は朝食を食べながら、大きな欠伸あくびをした。

雪ちゃんが、チラッと私を見る。

「……ごめんなさい」

口を手で覆う。

食事中に欠伸とは、マナーに欠ける行為だった。

それでも出そうになる欠伸を、必死で噛み殺す。

「……昨夜、随分遅くまで盛り上がっていたみたいね」

雪ちゃんの銀縁眼鏡がキランと光り、うっと言葉に詰まる。

22時きっかりにハナちゃんから電話が来て、その後、大いに盛り上がっちゃって、結局寝たのは午前1時過ぎ。

で、起きたのが5時半。

……そりゃ眠いわな。

「……つい」

テヘッ☆と舌を出す。

「ついじゃないわよ、まったく。こっちまで気になって眠れなかったんだからね」

「ごめん……」

だって、雪ちゃんの事色々聞いてたら、楽しくなっちゃったんだもん。

お子様が好きそうな物が好き。

とか、

犬が苦手。

とか、色々。

「で?」

「へ?」

「何をそんなに夜中まで喋っていたのよ」

「そ、それは……」

どうしよう。

サプライズにしたいから、ここで言う訳には行かない。

「あっ…と……なんでもないよ?ただ単に、ガールズトーク?」

「女同士じゃないクセに」

「あ、雪ちゃんそれ言って良いの?ハナちゃん、心は乙女だよ?」

ビッ!と雪ちゃんの鼻を指す。

今度は雪ちゃんが、うっと言葉に詰まる。

これ以上追求されてはボロが出そうだったので、私はわざとらしく時計を見て、

「あっ!もうこんな時間!雪ちゃん、遅刻しちゃうよ!」

と、ガバッ!と立ち上がり、時計を指差した。

急いで食器を下げ、バッグを手に取りリビングを出る。

「あっ!まだ話は終わってないわよっ!」

後ろで雪ちゃんが叫んだ。

「そんな事より、遅刻ーっ!早く行くよ!」

私は無理矢理話を終わらせ、外へと飛び出した。

「ふぅ……」

危ない、危ない。

上手く乗り切ってはいないけど、なんとか誤魔化せた。

「こんな調子で、バースデー当日まで隠し通せるかな」

いいや、頑張ろう。

本番まで、あと4日。

それを乗り切ったら、楽しいバースデーが待っているんだから。
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