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変な光に付きまとわれてます①
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デートの日から数日。私はあの光に悩まされていた。
朝、昼、晩。どこにでも付いて回るあの光。
眩しい!とかではないんだけど、不意に目の端に入る。
最初は私の目がおかしくなったのかと眼科も受診したんだけど異常はなし。
原因がよく分からず、気味が悪い日々を送っている。
「はぁ……」
「どったの?最近調子悪そうじゃん?」
コーヒーを淹れて戻って来た咲希子に頬を突かれる。
「んー……。なんか最近、変なんだよね」
「えっ!?もしかして、デキちゃった!?」
「違うからっ!」
ったく、何を言い出すんだコイツは。
大体、雪ちゃんとはそんな関係じゃないし、色んな意味であり得ないから!
「そーじゃないわよ。最近、変な光に付き纏われてるのよね」
「変な光?どんな?このクッキー美味しいね」
咲希子が、私が作って持って来たクッキーをコーヒーのお供にポリポリ食べている。
「ありがとう。…ん~、なんて言うか、鏡が反射したみたいにキラッと……。家にいる時だけじゃなく、会社にいる時も。なんにもない所でもなんだよね……」
「え、なにそれ」
「だから変って言ったじゃない」
「確かに変ね」
「でしょー?気味悪いよね」
「うん……」
顎に手を置き、咲希子が急に何かを考え出して黙る。
「……どうしたの?」
「うん。それさ、気を付けた方が良いかも」
「え?」
急にそんな事を言われて、キョトンとしてしまう。
「いや、確信は持てないけだんだけど……」
「何よ?勿体振らないで言ってよ」
咲希子は少し迷って、口を開く。
「……盗撮されてるかも」
「…………は?」
「盗撮」
「……えぇっ!?」
まさかの言葉に、私は叫びながら勢いよく立ち上がる。
「声が大きい」
シッ!と言われて掌で口元を覆う。
「だ、だって……」
「確証は持てないけど、笹木の仕業かもしれないわね。ずっと会社休んでるし、四六時中アンタを張り込むには持ってこい」
「そんな…まさか……」
私は愕然とする。
確かに笹木はずっと会社を休んでいる。でも、それだけで決め付けるのは……。
「何言ってんのよ。他にもアイツには余罪があるじゃない。疑うには十分過ぎるわ」
「……確かに」
ストーカー紛いの事をされて、今度は本当のストーカーになってしまったんだろうか。
「とにかく、気を付けなさいよ」
「……………」
「聞いてる?」
「うん……」
正直、頭に入って来ない。
――『盗撮』――
と言う文字が、頭の中をグルグル回る。
いつから?
あの光に気が付いたのは、雪ちゃんとのデートから帰って来た時。
でも、もしかしたらその前から……。
想像して体が震える。
いや、でもまだそうだと決まった訳じゃない。
と言うか、そうじゃないと思いたい。
――しかし、
その淡い希望は今日、見事に打ち砕かれる事になる……。
朝、昼、晩。どこにでも付いて回るあの光。
眩しい!とかではないんだけど、不意に目の端に入る。
最初は私の目がおかしくなったのかと眼科も受診したんだけど異常はなし。
原因がよく分からず、気味が悪い日々を送っている。
「はぁ……」
「どったの?最近調子悪そうじゃん?」
コーヒーを淹れて戻って来た咲希子に頬を突かれる。
「んー……。なんか最近、変なんだよね」
「えっ!?もしかして、デキちゃった!?」
「違うからっ!」
ったく、何を言い出すんだコイツは。
大体、雪ちゃんとはそんな関係じゃないし、色んな意味であり得ないから!
「そーじゃないわよ。最近、変な光に付き纏われてるのよね」
「変な光?どんな?このクッキー美味しいね」
咲希子が、私が作って持って来たクッキーをコーヒーのお供にポリポリ食べている。
「ありがとう。…ん~、なんて言うか、鏡が反射したみたいにキラッと……。家にいる時だけじゃなく、会社にいる時も。なんにもない所でもなんだよね……」
「え、なにそれ」
「だから変って言ったじゃない」
「確かに変ね」
「でしょー?気味悪いよね」
「うん……」
顎に手を置き、咲希子が急に何かを考え出して黙る。
「……どうしたの?」
「うん。それさ、気を付けた方が良いかも」
「え?」
急にそんな事を言われて、キョトンとしてしまう。
「いや、確信は持てないけだんだけど……」
「何よ?勿体振らないで言ってよ」
咲希子は少し迷って、口を開く。
「……盗撮されてるかも」
「…………は?」
「盗撮」
「……えぇっ!?」
まさかの言葉に、私は叫びながら勢いよく立ち上がる。
「声が大きい」
シッ!と言われて掌で口元を覆う。
「だ、だって……」
「確証は持てないけど、笹木の仕業かもしれないわね。ずっと会社休んでるし、四六時中アンタを張り込むには持ってこい」
「そんな…まさか……」
私は愕然とする。
確かに笹木はずっと会社を休んでいる。でも、それだけで決め付けるのは……。
「何言ってんのよ。他にもアイツには余罪があるじゃない。疑うには十分過ぎるわ」
「……確かに」
ストーカー紛いの事をされて、今度は本当のストーカーになってしまったんだろうか。
「とにかく、気を付けなさいよ」
「……………」
「聞いてる?」
「うん……」
正直、頭に入って来ない。
――『盗撮』――
と言う文字が、頭の中をグルグル回る。
いつから?
あの光に気が付いたのは、雪ちゃんとのデートから帰って来た時。
でも、もしかしたらその前から……。
想像して体が震える。
いや、でもまだそうだと決まった訳じゃない。
と言うか、そうじゃないと思いたい。
――しかし、
その淡い希望は今日、見事に打ち砕かれる事になる……。
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