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4巻

4-1

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 1


 人類領域――聖アルトリス王国の王都エディウス。
 その大通りに面しているティアノート商会は、画期的な商品を多数扱っていることで有名である。
 国内にはいくつもの商会があるが、なかでもティアノート商会は近年勢力を伸ばしており、今日も多くの客が訪れていた。
 その商会の一人娘であるシャロンの部屋に、暗黒大陸魔王城の図書館守護担当ロクナの姿があった。
 魔王ヴェルムドールが統べるザダーク王国の参謀としての顔も持つロクナは、『じん』召喚の手がかりを得るため、召喚魔法使いであるシャロンと接触し、今は一仕事終えたところだった。
 魔神は魔王ヴェルムドールを創り出した存在で、ヴェルムドールは来るべき勇者との戦いにおいて、魔神召喚を切り札と考えている。しかし、魔族に召喚魔法を使える者がいないため、ロクナは召喚魔法を研究するべく、人類領域までやって来たのだ。
 可愛らしい装飾の施されたテーブルに向かい合う二人の女性には紅茶と甘い菓子が似合いそうなものだが、残念ながら、そこでの話題は至極真面目なものである。


 アレドナの森で人型のエレメントを倒したロクナ達――ロクナと、ロクナの部下でザダーク王国諜報員のアイン、そしてエディウス冒険者学校の生徒カイン、シャロン、セイラ――は、街に戻り、冒険者ギルドで任務の完了報告を行った。
 通常であれば考えられない、「人型の強力なエレメント」の出現。
 それはギルドを騒がせ、一行はギルド長達から聞き取り調査を受けることになったのだが、全員の参加は必要ないとのことで、そちらはカインとセイラに任せることにした。
 そこでアインは諜報活動に戻り、ロクナはアレドナの森でシャロンに召喚魔法を見せてもらったお返しとして、彼女の部屋で属性魔法の講義をしているというわけだ。
 講義形式で教えている理由は、講師であるロクナが外に出るのが面倒だから……ではない。
 属性魔法は、人類領域においても七割が座学であると言われている。
 それは、詠唱や魔法陣などを頭に叩き込むためであり、ロクナが現在シャロンに講義を行っているのも知識を身につけさせるためである。

「……例えば、光の魔法は必ずしも光の神ライドルグの力を必要とするものではない。ここまでは分かるわよね?」
「は、はい。えーっと、自分の魔力を光に変換するから……ですよね」
「そうよ。魔法でイメージ力が全てとされるのは、この辺りに要因があるってこと」

 アレドナの森でロクナが見た限り、属性魔法が弱い原因はシャロンのイメージ力が低いからではない。問題なのは、召喚する剣霊達との契約の影響と思われる、使用可能な魔力の少なさだ。
 それを解決するには、魔法発動時に威力を増幅させるしかない。
 それでも通常程度の威力になるだけだろうが……まあ充分だろう。

「じゃあ、魔法……特に大魔法と呼ばれる部類のものに、何故なぜその属性の神を連想させる詠唱が含まれるのかって話なんだけど……それは、大量の魔力を必要とする大魔法を、何故なぜ魔法使いが使用可能なのかって話と関係してるわけ。で、どうして使えるか分かる?」
「は、はい。個人の魔力量を超える魔法を使う場合は、外部の魔力を集めて変換するから……ですよね?」

 自信なさげなシャロンの回答に、ロクナは満足そうに頷く。

「その通りよ。自然界に魔力が存在することについては、さっき森でエレメントを見て充分に理解できたと思うけど。大魔法ってのは個人の魔力を起点に周囲の魔力をも変換するからこそ、大魔法だってこと」
「あ、あの!」
「何?」

 わざわざ手をあげて質問するシャロンに、ロクナはクスリと笑いながら質問を許可する。

「ということは、それを応用すれば……」
「はい、正解。なかなか優秀ね、アンタ」

 ロクナはそう言うと、机を指でトン、と叩く。

「全部の魔法を大魔法と同じ理論で発動させる。それだけでアンタの魔法の威力は上がる。簡単でしょ?」

 そう、簡単な話だ。
 大魔法とは、自分以外の魔力も使って発動させる魔法。通常の魔法にその理論を組み込めば当然、使用可能な魔力量の少ないシャロンでも魔法の威力を増すことができる。
 しかしロクナには、その具体的な方法まで教えるつもりはない。
 今回教えるのは、あくまでヒントだけだ。他にも、もっと単純な方法があるのだから。

「でも、ま、それについては後々研究すればいいんじゃないかしら。今回はもっと簡単な方法でいきましょ?」
「簡単、ですか?」
「そうよ。詠唱や魔法陣の理論については理解してるわよね?」
「は、はい。魔力のある人が簡単に魔法を使えるようにするために、必要なものを組み込んだ魔法技術の結晶……ですよね」

 正しく詠唱できれば猫でも魔法を使える、とは有名な話だ。
 無論、魔力があれば……というのが前提だが、詠唱や魔法陣が開発されたことで魔法使いの人数は増加し、個人の技量や才能にるとされていた魔法は誰もが学ぶことのできる学問へと変化した。
 イメージ力や魔力の調整という才能がなくても、詠唱に全てのプロセスを組み込むことで魔法の発動を可能にしたのだ。

「さて、そこで……よ。詠唱を改造するのは面倒だから、魔法陣を利用する方式でいくことにしましょうか」
「は、はい」

 ロクナはシャロンの本棚から魔法陣図鑑を引っ張り出し、適当にページをめくり始める。

「お、あったあった。これなんかいいわね」

 ロクナが開いたのは、「増幅」の魔法陣の記されたページ。
 かつて勇者リューヤとともに魔王と戦った英雄の一人、賢者テリアが開発したと言われる、魔法の効果を高める魔法陣だ。効果絶大というほどではなかったため、現在では使用するものはほとんどいない。
 そもそも、魔法陣とは大規模な魔法の補助のために使用するもの、というのが一般的な認識であるため、普段は魔法陣自体、使われることが少ないのだが。

「増幅……ですか?」
「そうよ。魔法を使うときに、この増幅の魔法陣も同時展開する。それだけで大分違うはずだわ」
「同時展開……」

 魔法陣が大規模術式にしか使われないのは、魔法陣の展開と維持が難しいためである。
 詠唱と違い、魔法陣は魔力で描くモノ。展開時に魔法陣を正確にイメージする必要があり、詠唱よりも一段階難度が上なのだ。
 例えば転移魔法の場合には、魔法陣に現在位置と転移先の位置情報を組み込んでイメージする必要がある。そのため転移魔法使いが描く魔法陣は毎回異なり、これが魔族の中でも転移魔法使いが少ない理由でもあるのだが……それはさておき。
 魔法陣とは、無詠唱や詠唱破棄ほどではないものの、高度のイメージ力を必要とするものなのだ。

「私に、出来るでしょうか」
「問題ないわよ」

 シャロンの疑問に、ロクナはあっさりと答える。

「アンタ、魔法の構成には何の問題もなさそうだもの。才能はある方だと思うわよ?」
「え……」
「何よ」

 シャロンは、属性魔法の才能がないと言われ続けてきた。
 召喚魔法の才能があったからこそ馬鹿にする者はいなかったが、属性魔法が苦手なことは、長きにわたりシャロンに劣等感を与え続けてきたのである。
 エディウス冒険者学校の前理事長ルーティも、そして、誰にでも優しいカインでさえも、シャロンの属性魔法について「才能がある」などとは言わなかった。
 もっとも、それぞれの方法でシャロンを慰めたり、励ましたりはしてくれていた。
 シャロン自身も才能がないことを受け入れていたし、仕方がないと思うようにしていたのだ。

「で、でも。私、属性魔法の才能はないって……」
「少なくとも、あたしはそんなこと言った覚えはないけど」

 ロクナの言葉に、シャロンはぼうっとする。
 属性魔法の才能がある――言われたことのない、言われることは今後もないと思っていた言葉に、シャロンの思考は停止した。
 その様子を見てロクナは何となくシャロンの心情を察したが、触れないことにする。

「はいはい、アンタの事情は知らないけど。才能に関しては、このあたしが保証してあげるから。とっとと魔法陣を頭に叩き込みなさいな」

 その言葉に、呆けていたシャロンは再起動し、ガバッと椅子から立ち上がった。

「……ロクナさん!」

 本の上に置かれたロクナの手をつかみ、シャロンは目を輝かせる。
 ぷるぷると震えてすらいるところを見るに、興奮しているようだ。

「何よ」
「……先生って呼んでもいいですか!?」
「好きになさいな」
「ロクナ先生!」
「はいはい。いいから魔法陣覚えろっての」

 ロクナが手を振りほどくと、シャロンは食い入るように本を見つめ始めた。
 その様子を見て、ロクナは溜息をつく。
 アインが人類である彼女達につい深入りしてしまったのは、こういう面を見たからなのだろう。
 ロクナはそれを良しとはしていないが、アインの心情も理解できる。
 完全なる悪の生物など、存在するわけがない。
 しかしそれでも、争わなければいけないときがある、というだけの話なのだ。

「ねえ、シャロン」
「はい?」
「アンタ、亜人論とかいうアレについてどう思ってるの?」

 聖アルトリス王国で高まっている亜人論。
 人間以外の人類、つまりはシルフィドやメタリオなどの亜人種族を、魔族と同様に本来の生の営みから外れた、命の神フィリアの意志に反した存在だと主張するものである。
 人間のシャロンにそんなことを訊いたのは、単なるロクナの興味だ。
 この場においては蛇足にすぎない、ただの質問。
 それにシャロンは、本から顔をあげて考え込む。

「んー……個人的には間違ってるって思います、けど。外ではあんまり言えないですね」
「どうして?」
「うち、商会ですから。あんまり情勢に触れるような発言はしちゃいけないんです」

 なるほど、とロクナは思う。
 商会を訪れる客の思想は様々だ。商売を生業なりわいとする以上、客の気分を害するような話題はすべきではない。

「カインもセイラも同じ考えみたいなんですけどね。でも、最近は大神殿の力が強くなって……って、あ。ごめんなさい、こんな話……」
「別に構わないわよ」

 ロクナはそう言って、ひらひらと手を振る。
 ただ、少しだけ興が乗って、ロクナはふと口にする。

「じゃあさ。アンタはどう思うの? ジオル森王国の話」

 国民の大部分がシルフィドとして知られるジオル森王国が、魔族の国であるザダーク王国と友好条約を締結したという話は、当然シャロンも知っているはずだ。

「ん……秘密ですよ?」
「いいわよ?」

 ロクナの返事に、シャロンは辺りをキョロキョロと見回してから、そっとささやく。

「……ちょっとだけ、羨ましいです。魔族って、魔法がすごいって聞きますし。私も教えてもらえたらなあ……って思ったりします」
「そんな上手くいくかしら」
「いきませんかね?」

 ロクナが軽く肩をすくめてみせると、シャロンは小さく笑う。
 まさか自分に今、魔法を教えているロクナが、その魔族の重鎮じゅうちんの一人だとは夢にも思わないだろう。

「ま、これで雑談は終わりよ。さっさとソレ覚えなさいな」
「……ロクナ先生が始めたんじゃないですか」

 呆れるシャロンに、ロクナは素知らぬ顔で答える。

「記憶にないわね」
「……もうっ」

 頬を膨らませながらも、シャロンは再び本に没頭し始めた。
 それにチラリと視線を送りながら、ロクナは小さく溜息をつく。
 聖アルトリス王国。
 現状で、最も魔族との戦争が起こる可能性の高い国。
 は、そういう場所なのだ。
 だから、此処ここに心を残してはいけない。

「じゃ、覚えたら言いなさいな」

 ロクナはそう言って、憂鬱ゆううつな感情を心の奥へと押し込める。
 窓から見える太陽の輝きは、ただひたすらにまぶしい。
 この国に暮らす人間であれば清々すがすがしい気分になるであろう雲一つない空は、しかし、ロクナの心を晴らしてはくれなかった。



 2


 ロクナの魔法の講義が一通り終わった後、ティアノート商会の中庭には、増幅の魔法陣を起動するシャロンの姿があった。

「うん、いい感じね。そのまま……そうね、照明の魔法を発動しなさい」
「は、はい! 照明ライト!」

 シャロンの頭上に、拳ほどの大きさのまばゆい輝きを放つ光の球が現れた。
 何の特徴もない普通の照明魔法だが、浮かんでいる光の玉を見て、シャロンは顔を輝かせる。
 何しろ、今までシャロンの照明魔法では小指の先程の光しか生み出せなかったのだ。
 それが普通程度の威力になったのは、実に驚くべきことだった。

「うわあ……! す、すごい!」
「すごかぁないわよ」

 中庭に置かれた椅子に座り、本を読みながら指導していたロクナは、そう言うと再び手元の本に視線を戻す。

「もう、ちょっとは褒めてくれたっていいじゃないですか!」
「んー。そうはいってもねえ。もう少し魔法陣の構築を早くしないと実戦レベルにはならないわよ?」
「うっ、それはそうですけど……」

 しょぼんとした様子のシャロン。
 それを見てロクナは溜息をつき、立ち上がってシャロンの頭に手を載せた。

「ま、頑張った方じゃないの? あとはよく練習なさいな」
「は、はい!」
「それはそうと、シャロン」
「はい?」

 ロクナはシャロンから借りて読んでいた本の表紙をポンと叩くと、シャロンに返す。

「もっと本読みたいんだけど、あるかしら」
「あ、はい!」

 ひとまずの目標を達成して満足したシャロンは、ロクナを書庫へと案内した。
 魔王城の大図書館ほどではないとはいえ、書庫はそれなりに広かった。本棚に並べられた本を見て、ロクナは目を輝かせる。

「ほ、ほーう。流石さすがね、やるじゃない」
「魔法じゃなくて書庫を褒められても……なんか複雑です」
「細かいこと気にするんじゃないわよ」

 そう言うと、ロクナは手近にあった本を手に取った。
『神々の加護に関する考察』と書かれた表紙をなぞり、ロクナはページをめくり始める。
 それを見ていたシャロンも、別の本を手に取って読み始めた。
 書庫に案内した者の責任として、ロクナを放置して自室に戻るわけにはいかないと思っているのだろう。
 年齢の割には真面目なシャロンに視線をチラリと送りながらも、ロクナはすぐに本に没頭する。


 加護。
 本によると、それは神々が生命に与える祝福であるらしい。
 加護を得ると、その属性への親和性が高まり、魔法や普段の生活に影響が出る。仮に水の神の加護を持っていれば水魔法の威力が増加したり、水に関すること――例えば泳ぎが上達したりする。
 かつて魔王を滅ぼした勇者リューヤも命の神の加護を持っており、リューヤの仲間達にも何らかの加護があったという。
 そして加護は時として継承されることがあり、本では親から子に受け継がれる可能性も指摘されていた。

「ねえ、シャロン」
「はい?」
「アンタの両親のどっちかって、水の神の加護持ってんの?」
「んーっと……確かお母さんが持ってたと思います」
「ふーん」

 頷くと、ロクナは再び本に意識を戻す。
 シャロンの持っている加護が母親から受け継がれたものであるかはともかく、本の内容がまったくのデタラメというわけでもないようだ。
 しかし、継承が事実がどうか確認できたところで意味がない。
 ロクナが必要としているのは、今すぐに加護を得る方法なのだから。

「あの、ロクナ先生。何かお飲みになります?」
「んー、別にいらないわ」

 シャロンにそう返し、ロクナはページを読み進める。
 今読んでいる本は、加護の親から子への継承を主に論じているようで、ロクナの欲しい知識は得られそうにもない。
 だが、本棚には加護の研究に関する本がまだ何冊か収まっている。これらを読み進めれば、あるいは手がかりを得られるかもしれない。
 そう考えてロクナが次の本に手を出すと、不意に書庫の扉が開いてセイラが顔を出した。

「お、いたいた! カイン、アイン! 見つけたよー」

 その声と同時に、カイン、アインの二人が扉の向こうから顔をのぞかせた。
 アインは不機嫌そうな顔のロクナを目にして、慌ててセイラとカインをつかんで引っ込む。

「……失礼いたしました」
「ちょ、何すんの?」
「いいから邪魔するな。行くぞ」

 セイラの抗議を無視してアインが二人を引きずっていくのを、シャロンは苦笑しながら見送った。そして、静かに書庫の扉を閉める。
 一方、ロクナはすでに別の本を手に取って黙々と読み進めていた。
 シャロンはその姿をチラチラと眺めつつも、ロクナの邪魔にならないように……と、視線を手元の本に落とす。

「ん……と。聖アルトリス王国建国初期における王権の……」

 シャロンは聖アルトリス王国の歴史について書かれた本の文章を読み、ページをめくる。
 そして、チラリとロクナを見る。
 本に熱中するロクナの姿は、どことなく可愛らしい……などと考えてしまう。
 戦闘中の凛々りりしい姿とも、シャロンに教えていたときの頼もしい姿とも違う。
 初めて自分の認めてほしい部分を認めてくれた人のことが気になって、シャロンはチラチラとロクナに視線を送り続けた。

「……」

 そのロクナも、用事が済めばいなくなってしまう。それが、とても寂しく思えたのだ。
 ロクナのおかげで、属性魔法を普通の威力にまで上げることができた。
 新しい技術でも理論でもなく、単純に既存の技術の組み合わせではあるが、それでもシャロンには思いもよらないことだった。
 強力な魔法を使い、りんとしていて……それなのに、こうして様々な本を読んで知識も吸収している。

「……カッコ、いいなあ」

 思わずそう呟いたシャロンは、ロクナが呆れたような目で自分を見ていることに気づき、顔を真っ赤にする。

「チラチラこっちを見てるかと思えば……言っとくけど、あたしは女よ?」
「え!? あ、いえ! そういうのじゃないですっ!」

 慌てて首を横に振るシャロンに、ロクナは手元の本を閉じて溜息をついた。
 本を棚に戻して次の本を取り出すロクナに、シャロンは顔を真っ赤にしたまま声をかける。

「そ、そういうのじゃなくて、ですね。その……先生?」
「はいはい、何かしら?」

 取り出した本の表紙を軽くでると、ロクナはシャロンに視線を向ける。
 その気だるげな視線を受けて、シャロンは真っ赤な顔をさらに赤くした。

「……せ、先生みたいにカッコいい人になるにはどうしたらいいですかっ!」
「はぁ?」

 ロクナはシャロンの発言の意味を考える。
 カッコいい。
 正直に言って、ロクナはカッコいいと言われるような行動をとった覚えはない。
 自分のやりたいようにしかやっていないし、魔王軍西方将サンクリードみたいにカッコつけた覚えもない。
 だからカッコいいと言われてもピンと来ないし、そうなるにはどうしたらいいかと聞かれても、非常に困る。

「……アインじゃなくて?」
「違います、ロクナ先生みたいになりたいんです!」

 シャロンから見れば、ロクナはすごい魔法使いだ。
 強力な魔法を操り、行動力があって物怖ものおじしない。戦闘中には仲間に的確なアドバイスを送り、魔法の改良点も簡単に指摘してくれる。それでいて威張ることなく、自己研鑽けんさんも怠らない。
 シャロンにとっては、自分もそうなりたいと思う理想像に見えたのだ。

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