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プラスアルファ7.8
ギリザリス地下神殿3
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「お帰りなさいませ、サンクリード様!」
「ああ」
入り口に戻ると、何処と無く浮き足立った様子の兵士達がサンクリードを迎える。
その様子に疑問を覚えたサンクリードだったが……続く声に、その疑問はすぐに氷解する。
「あら、お早いお帰りね。もう調査が済んだの?」
「……イクスラースか」
そこに居たのは、紫の髪をふわりと揺らす少女……イクスラース。
考えていたうちの一人がそこにいるのを見て、サンクリードはニヤリと笑う。
「……何よ、その顔」
「いや、丁度いいところに来たと思ってな」
それを聞いて、イクスラースはあからさまな溜息をつきながら手で顔を覆う。
「……ああ、もう。こうなるんじゃないかと思ったのよ」
「何の話だ?」
サンクリードが怪訝な顔をすると、イクスラースはサンクリードの顔を見て再度の溜息をつく。
「……ヴェルムドールがね。サンクリードは真面目そうに見えて適当な性格してるから、お前もちょっと手伝って来いって言ってたのよ。私は正直貴方と関わりたくはなかったんだけど、彼に頼まれたら仕方ないし……」
「なんで俺と関わりたくないんだ?」
首を傾げるサンクリードに、イクスラースはチラリと西方軍兵士の顔を見る。
口にこそ出さないものの、明らかに不平を言いたそうな顔をしている彼等を見て、サンクリードをポンと叩く。
「個人的な相性の問題よ。別に貴方個人がどうこうっていうのじゃないわ。むしろ将としては優秀だもの」
誤魔化すように言うと、階段を覗き込み……照明魔法を起動する。
「で、丁度いいとか言うってことは探索は途中なのよね?」
「まあな」
「なら、行くわよ。ちゃちゃっと済ませましょ」
そう言って階段を下りていくイクスラースを見て……サンクリードは、兵士達へと向き直る。
「すまんな。もう少し時間がかかる」
「いいえ、問題ありません……お気をつけて!」
「ああ」
何してんのよ、と下から聞こえてくる声にサンクリードは振り向き、先程上ってきたばかりの階段を再び下りていく。
すると、そこには不満そうな顔をしたイクスラースが立っている。
照明魔法を掲げたほうとは逆の手に持っているのは剣ではなく、短杖のようだ。
短杖を見られていると気付いたイクスラースは、ああと言って軽く振ってみせる。
「照明魔法を抱えながらじゃ、剣を振るのは難しいもの。専用のランタンでもあれば、そこに突っ込んでおけるんだけどね」
「そんなものがあるのか?」
見た事が無いな……とサンクリードが考えると、イクスラースは肩をすくめてみせる。
「人類領域の話よ。あっちは冒険が生業の者が多いから、そういうものが進歩し易いのよ。照明魔法を突っ込んでおくランタンなんていうものも、そういうものが必要とされた中で生まれたって事」
「……なるほどな」
確かに考えてみれば、そういったものをザダーク王国ではほとんど必要としていない。
精々が鉱山だろうが、それとて普通のランタンや照明魔法を天井に浮かせておく程度で用が済んでしまう。
そういった中では必要とされないから作ろうとする者も居ないのも当然ではある。
「ま、アレはアレで不便な所もあるんだけどね。何かあった時の被害が普通のランタンの比じゃないし。安定性を求めるなら、むしろ普通のランタンのほうが有利な部分もあるもの」
「難しいものなんだな」
「そうね」
そんな話をしながらも、イクスラースは辺りの壁を注意深く観察し始めている。
「ふむ。意外に劣化はしてないのね」
「劣化?」
「そうよ。ずっと放置されてたってことは手入れもしてないんだから何か不具合があって当然……ていうか貴方、ここに何しに来たのよ」
「問題が無いかだが?」
「……後で調査計画書見せて頂戴。色々突っ込み所がありそうな気がするわ」
イクスラースは溜息をつきながら、再び歩き出す。
「でも、この辺りは問題なさそうだわ。造りがしっかりしてるし、建材の一つ一つに保存の魔法までかかってるもの。余程魔力に余裕のある奴が作ったのかしらね」
「魔人ギリザリス。魔法使いであったらしいが……詳しい情報は残っていないな」
「別に興味ないからいいわよ」
そう答え、イクスラースは先程サンクリードが最初に入った部屋を覗きこむ。
「んー?」
「何かあったか?」
サンクリードの声には答えず、イクスラースは部屋の中をウロウロとして……出たり入ったりした後、廊下をも丹念に調べ始める。
「なんか魔力がこの辺りだけ違うような気がするわ……」
「ああ、ここで戦闘したからな」
「戦闘? なによ、貴方に逆らうようなのが此処にいたの?」
「いや、違う。俺が丁度いいといった理由にもつながるんだが……どうにも妙な連中が出た」
先程の戦闘のことを告げると、イクスラースは考え込むようにして立ち止まる。
「……なるほど、そういうこと。直接見てみないことには何ともいえないけど……状況は理解したわ」
「何か分かるか?」
「直接見たわけじゃないし、なんとも言えないわね。というよりも、貴方のほうがそういうのは得意じゃないの?」
ステータス確認魔法があるじゃないの、というとサンクリードはハッとしたような顔をする。
「……ちょっと、まさか」
「そんなものもあったな」
それを聞いて、イクスラースは深い溜息をつく。
「……貴方一応、勇者なんでしょう?」
「まあな」
「折角便利な手札があるんだから、きちんと使いなさいな」
努力しよう、と言って頷くサンクリードから視線を外すと、イクスラースは再び部屋を調べ始める。
「でもまあ、普通に考えて怪しいわね。あのヴェルムドールが、そんな奇妙な生き物を作るとは思えないし」
錆びた剣を拾って確かめたりしていたイクスラースは、サンクリードに視線をチラリと向ける。
「……一回ステータス確認魔法で調べてみる必要があるわ。貴方、全滅させてないわよね?」
「たぶん残ってると思うが」
「たぶん、じゃないわよ全く」
イクスラースはそう言って、部屋を出る。
コツンコツンと響く足音は反響しながら通路の奥へと響いていくが、何かが出てくるような気配は無い。
やはり、この付近の敵は狩り尽くしたということだろう。
「それじゃあ、どんどん先に進むわよ。その連中を確認するのが最優先よ」
「そうだな」
「……まったく。最初からそれを先に言いなさいよね」
言われて、サンクリードは首を傾げる。
そういえば確かに、説明していない。
「……言われてみると説明してなかったな。すまない」
それを聞いて、イクスラースは脱力したような顔で首を横に振る。
「別にいいわよ、もう……ヴェルムドールの言ってたことが色々理解できたわ」
「そうか」
早くも疲れた様子のイクスラースを先頭に、二人は再びギリザリス地下神殿の通路を進み始める。
「……そういえばなんだが」
「何かしら」
「なんで俺と関わりたくないんだ?」
「だから言ったじゃない。相性の問題よ」
相性。
勇者と魔王ということであるならば、それは理由になっていないとサンクリードは思う。
実際、サンクリードとヴェルムドールは上司と部下ではあるが友人のような関係でもある。
それを考えれば、「勇者と魔王」というのは相性の悪い関係であるとは言い難い。
となると、個人的な相性の問題ということになるのだろうか。
「……その様子だと、自覚は無いみたいね」
「自覚?」
聞き返すサンクリードに、イクスラースは足をピタリと止めて振り返る。
「そうよ。まあ、とはいっても単なる私の予想に過ぎないんだけれども。だから違っている部分が大分あるかもしれないわ」
「ああ」
入り口に戻ると、何処と無く浮き足立った様子の兵士達がサンクリードを迎える。
その様子に疑問を覚えたサンクリードだったが……続く声に、その疑問はすぐに氷解する。
「あら、お早いお帰りね。もう調査が済んだの?」
「……イクスラースか」
そこに居たのは、紫の髪をふわりと揺らす少女……イクスラース。
考えていたうちの一人がそこにいるのを見て、サンクリードはニヤリと笑う。
「……何よ、その顔」
「いや、丁度いいところに来たと思ってな」
それを聞いて、イクスラースはあからさまな溜息をつきながら手で顔を覆う。
「……ああ、もう。こうなるんじゃないかと思ったのよ」
「何の話だ?」
サンクリードが怪訝な顔をすると、イクスラースはサンクリードの顔を見て再度の溜息をつく。
「……ヴェルムドールがね。サンクリードは真面目そうに見えて適当な性格してるから、お前もちょっと手伝って来いって言ってたのよ。私は正直貴方と関わりたくはなかったんだけど、彼に頼まれたら仕方ないし……」
「なんで俺と関わりたくないんだ?」
首を傾げるサンクリードに、イクスラースはチラリと西方軍兵士の顔を見る。
口にこそ出さないものの、明らかに不平を言いたそうな顔をしている彼等を見て、サンクリードをポンと叩く。
「個人的な相性の問題よ。別に貴方個人がどうこうっていうのじゃないわ。むしろ将としては優秀だもの」
誤魔化すように言うと、階段を覗き込み……照明魔法を起動する。
「で、丁度いいとか言うってことは探索は途中なのよね?」
「まあな」
「なら、行くわよ。ちゃちゃっと済ませましょ」
そう言って階段を下りていくイクスラースを見て……サンクリードは、兵士達へと向き直る。
「すまんな。もう少し時間がかかる」
「いいえ、問題ありません……お気をつけて!」
「ああ」
何してんのよ、と下から聞こえてくる声にサンクリードは振り向き、先程上ってきたばかりの階段を再び下りていく。
すると、そこには不満そうな顔をしたイクスラースが立っている。
照明魔法を掲げたほうとは逆の手に持っているのは剣ではなく、短杖のようだ。
短杖を見られていると気付いたイクスラースは、ああと言って軽く振ってみせる。
「照明魔法を抱えながらじゃ、剣を振るのは難しいもの。専用のランタンでもあれば、そこに突っ込んでおけるんだけどね」
「そんなものがあるのか?」
見た事が無いな……とサンクリードが考えると、イクスラースは肩をすくめてみせる。
「人類領域の話よ。あっちは冒険が生業の者が多いから、そういうものが進歩し易いのよ。照明魔法を突っ込んでおくランタンなんていうものも、そういうものが必要とされた中で生まれたって事」
「……なるほどな」
確かに考えてみれば、そういったものをザダーク王国ではほとんど必要としていない。
精々が鉱山だろうが、それとて普通のランタンや照明魔法を天井に浮かせておく程度で用が済んでしまう。
そういった中では必要とされないから作ろうとする者も居ないのも当然ではある。
「ま、アレはアレで不便な所もあるんだけどね。何かあった時の被害が普通のランタンの比じゃないし。安定性を求めるなら、むしろ普通のランタンのほうが有利な部分もあるもの」
「難しいものなんだな」
「そうね」
そんな話をしながらも、イクスラースは辺りの壁を注意深く観察し始めている。
「ふむ。意外に劣化はしてないのね」
「劣化?」
「そうよ。ずっと放置されてたってことは手入れもしてないんだから何か不具合があって当然……ていうか貴方、ここに何しに来たのよ」
「問題が無いかだが?」
「……後で調査計画書見せて頂戴。色々突っ込み所がありそうな気がするわ」
イクスラースは溜息をつきながら、再び歩き出す。
「でも、この辺りは問題なさそうだわ。造りがしっかりしてるし、建材の一つ一つに保存の魔法までかかってるもの。余程魔力に余裕のある奴が作ったのかしらね」
「魔人ギリザリス。魔法使いであったらしいが……詳しい情報は残っていないな」
「別に興味ないからいいわよ」
そう答え、イクスラースは先程サンクリードが最初に入った部屋を覗きこむ。
「んー?」
「何かあったか?」
サンクリードの声には答えず、イクスラースは部屋の中をウロウロとして……出たり入ったりした後、廊下をも丹念に調べ始める。
「なんか魔力がこの辺りだけ違うような気がするわ……」
「ああ、ここで戦闘したからな」
「戦闘? なによ、貴方に逆らうようなのが此処にいたの?」
「いや、違う。俺が丁度いいといった理由にもつながるんだが……どうにも妙な連中が出た」
先程の戦闘のことを告げると、イクスラースは考え込むようにして立ち止まる。
「……なるほど、そういうこと。直接見てみないことには何ともいえないけど……状況は理解したわ」
「何か分かるか?」
「直接見たわけじゃないし、なんとも言えないわね。というよりも、貴方のほうがそういうのは得意じゃないの?」
ステータス確認魔法があるじゃないの、というとサンクリードはハッとしたような顔をする。
「……ちょっと、まさか」
「そんなものもあったな」
それを聞いて、イクスラースは深い溜息をつく。
「……貴方一応、勇者なんでしょう?」
「まあな」
「折角便利な手札があるんだから、きちんと使いなさいな」
努力しよう、と言って頷くサンクリードから視線を外すと、イクスラースは再び部屋を調べ始める。
「でもまあ、普通に考えて怪しいわね。あのヴェルムドールが、そんな奇妙な生き物を作るとは思えないし」
錆びた剣を拾って確かめたりしていたイクスラースは、サンクリードに視線をチラリと向ける。
「……一回ステータス確認魔法で調べてみる必要があるわ。貴方、全滅させてないわよね?」
「たぶん残ってると思うが」
「たぶん、じゃないわよ全く」
イクスラースはそう言って、部屋を出る。
コツンコツンと響く足音は反響しながら通路の奥へと響いていくが、何かが出てくるような気配は無い。
やはり、この付近の敵は狩り尽くしたということだろう。
「それじゃあ、どんどん先に進むわよ。その連中を確認するのが最優先よ」
「そうだな」
「……まったく。最初からそれを先に言いなさいよね」
言われて、サンクリードは首を傾げる。
そういえば確かに、説明していない。
「……言われてみると説明してなかったな。すまない」
それを聞いて、イクスラースは脱力したような顔で首を横に振る。
「別にいいわよ、もう……ヴェルムドールの言ってたことが色々理解できたわ」
「そうか」
早くも疲れた様子のイクスラースを先頭に、二人は再びギリザリス地下神殿の通路を進み始める。
「……そういえばなんだが」
「何かしら」
「なんで俺と関わりたくないんだ?」
「だから言ったじゃない。相性の問題よ」
相性。
勇者と魔王ということであるならば、それは理由になっていないとサンクリードは思う。
実際、サンクリードとヴェルムドールは上司と部下ではあるが友人のような関係でもある。
それを考えれば、「勇者と魔王」というのは相性の悪い関係であるとは言い難い。
となると、個人的な相性の問題ということになるのだろうか。
「……その様子だと、自覚は無いみたいね」
「自覚?」
聞き返すサンクリードに、イクスラースは足をピタリと止めて振り返る。
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