ウチのりんふぉん

悠木 羅那

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第一話『りんふぉん』

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 なんの変哲もない毎日。ただ朝起きて、学校へ行き、授業を受け、飯を食い、帰る。僕はそんな平凡な日々を過ごしていた。
そんな平凡な日々も今日で一区切りつこうとしていた。なんせ今日は一学期の終業式、明日からは夏休みなのだ。
「よぉ、足立」
友人から挨拶をされる僕の名は足立曼陀羅まんだら。なんの変哲もない高校2年生だ。ーー誰だ今名前笑ったやつ。仕方ないだろ母ちゃんがつけたんだから。
ーーまぁ気を取り直して、
「おぉ、おはよう」
返事を返しながら席に着く。
「なぁ足立、RINFONEって知ってるか?」さっきから僕に話しかけてるこいつは友人のササハラ。僕の幼馴染でオカルト好きで噂好きな、所謂お調子者ってやつだな
「リンフォン?なんだそれ」
僕が聞き返すと、興奮気味にササハラが答える
「RINFONEってのは正二十面体のパズルみたいなやつでな、それを完成させると地獄の門が開くらしいんだ!」
なんだいつものオカルト話か、ネットで見つけるたびに俺に言ってくるんだよなぁ
「そんなのただの都市伝説だろ」
「まぁそうなんだが…RINFONEは実在して、地獄の門が開くと使い魔が現れて、開いたやつの言うことを聞いてくれるらしいんだよ」
「なんだそれ、まぁでも使い魔が言うことを聞いてくれるって言うなら、ちょっと使ってみたいな」
なんて会話をしていたら先生がきて、HRが始まった。
今日は終業式ということもあり昼で学校が終わり、家に帰った。
「ただいまーっ…と」
返事はない。それはそうだ、ウチは両親共働きで家にはいない。腹が減ったから昼飯を食べよう、買い溜めをしていたカップ麺があるはずだ。
蓋を開けてお湯を注ぎタイマーをセット、この時表示されている時間より1分早めにセットしておくのがツウの食べ方である。
タイマーが鳴るのを待っていると、『ドサッ』と音がした。庭の方だ。カーテンを開けて見てみると、何かが落ちている。外に出て確認してみると、正二十面体の手のひらサイズのオブジェのようなものだった。ふと今朝のササハラの言葉が脳裏に過ぎる。
(正二十面体のパズル…まさか)
表面を撫でるように動かすと、パーツがずれて、面の一部が隆起する。それを引っ張ると別のパーツが陥没する。それを繰り返すと四足歩行の動物の形になった。
「………豚?」
すると背後で声が聞こえた
「ここどこーー⁈」
振り向くと、そこにはちっこい豚のような何かがいた。
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