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こうなったら独自に調査しよう。そう思って妹に話を聞きに行くことにした。
「ごめん華恋、お腹痛いからちょっと部活できないって顧問に言っといてくれない?」
「え!? 大丈夫?」
「うん、じゃあ」
「気を付けてね」
そう言いながら、私は走った。
結構矛盾している結果だけど許してほしい。
有紗は何部だったか。華恋が話してくるし、確か表彰もされていたし分かる。バレー部だ。
一年からレギュラー入りしているし、中々強いらしい。家や公園で毎日練習していたと豪語していた。
急にバレー部へ行き花宮有紗を呼んでくれと言うと、驚かれるだろうか。私の普段からの素行で許されるような気もする。
まあ、善は急げだ。テニス部とバレー部のコートは近いから、直ぐに着いた。
外から体育館を覗き込んで、マネージャーさんを呼ぶ。
「どうかしましたか?」
「花宮有紗さん今日いる? 呼んでほしいんだけど」
「はい、わかりました」
委員会とかと勘違いしてほしいんだけど。私の姿を見た花宮有紗は眉を寄せて不思議そうな様子だった。
「なんですか?」
「ちょっと話したくて。ここじゃ煩いし外行こうよ」
「……はい」
そう言うと既に顔は澄まし顔になっていて、何か心当たりでもあるんじゃないかと感じた。
花宮有紗は靴を履き替え、二人で外に出る。声が聞こえやすいように少し歩いたが、その間世間話も一切することなく、緊張感があった。
「で、話ってなんです?」
「華恋と喧嘩でもしたの?」
「さあ。してないと思ってました」
「なんかした?」
「いいえ?」
「心当たりとかないの?」
「私は知りません」
「嫌われてる人がいるって、私に相談してきたんだけど、そういう話してたりしない?」
「嫌われてるって、……。はぁ……」
「……心当たり、あるんだ」
「知りません。もう行きます」
「ちょっと待ってよ!」
行こうとする花宮有紗の腕を掴む。
「友達だから、力になりたいの」
「いりませんよ」
「……嫌がらせされてるっぽいの。結構酷い」
「昼に話していたのはそれですか?」
「……まあそう」
「なら言っておきます。大丈夫だから心配するな」
「華恋疲れてたよ。元気もなかった」
「私は……、姉妹です。何でも知ってます。お姉ちゃんが人に見せないようなことでも」
「うん」
「それだから言えるんです」
「原因、あんた?」
「さぁ。だと思うなら思ってどうぞ」
「…………」
こいつか。こんなに堂々として、何をしているのか知らないが。
「いじめなんて、楽しいもんじゃないよ」
「そんな甘くないものじゃないです」
「はぁ?」
「気にしないでいいですよ。貴方にできることは何もありません」
「…………」
「私が、なんとかしますんで。」
うざいな。華恋はあんなに可愛いのに、姉妹なのにまるで似通ってない。
苛立ちを抑えようと、なんとか手を離した。花宮有紗は笑顔で去っていった。
「ごめん華恋、お腹痛いからちょっと部活できないって顧問に言っといてくれない?」
「え!? 大丈夫?」
「うん、じゃあ」
「気を付けてね」
そう言いながら、私は走った。
結構矛盾している結果だけど許してほしい。
有紗は何部だったか。華恋が話してくるし、確か表彰もされていたし分かる。バレー部だ。
一年からレギュラー入りしているし、中々強いらしい。家や公園で毎日練習していたと豪語していた。
急にバレー部へ行き花宮有紗を呼んでくれと言うと、驚かれるだろうか。私の普段からの素行で許されるような気もする。
まあ、善は急げだ。テニス部とバレー部のコートは近いから、直ぐに着いた。
外から体育館を覗き込んで、マネージャーさんを呼ぶ。
「どうかしましたか?」
「花宮有紗さん今日いる? 呼んでほしいんだけど」
「はい、わかりました」
委員会とかと勘違いしてほしいんだけど。私の姿を見た花宮有紗は眉を寄せて不思議そうな様子だった。
「なんですか?」
「ちょっと話したくて。ここじゃ煩いし外行こうよ」
「……はい」
そう言うと既に顔は澄まし顔になっていて、何か心当たりでもあるんじゃないかと感じた。
花宮有紗は靴を履き替え、二人で外に出る。声が聞こえやすいように少し歩いたが、その間世間話も一切することなく、緊張感があった。
「で、話ってなんです?」
「華恋と喧嘩でもしたの?」
「さあ。してないと思ってました」
「なんかした?」
「いいえ?」
「心当たりとかないの?」
「私は知りません」
「嫌われてる人がいるって、私に相談してきたんだけど、そういう話してたりしない?」
「嫌われてるって、……。はぁ……」
「……心当たり、あるんだ」
「知りません。もう行きます」
「ちょっと待ってよ!」
行こうとする花宮有紗の腕を掴む。
「友達だから、力になりたいの」
「いりませんよ」
「……嫌がらせされてるっぽいの。結構酷い」
「昼に話していたのはそれですか?」
「……まあそう」
「なら言っておきます。大丈夫だから心配するな」
「華恋疲れてたよ。元気もなかった」
「私は……、姉妹です。何でも知ってます。お姉ちゃんが人に見せないようなことでも」
「うん」
「それだから言えるんです」
「原因、あんた?」
「さぁ。だと思うなら思ってどうぞ」
「…………」
こいつか。こんなに堂々として、何をしているのか知らないが。
「いじめなんて、楽しいもんじゃないよ」
「そんな甘くないものじゃないです」
「はぁ?」
「気にしないでいいですよ。貴方にできることは何もありません」
「…………」
「私が、なんとかしますんで。」
うざいな。華恋はあんなに可愛いのに、姉妹なのにまるで似通ってない。
苛立ちを抑えようと、なんとか手を離した。花宮有紗は笑顔で去っていった。
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