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帰宅して食事を済ませ、お風呂から上がり、今日話した内容を思い返す。夏乃子の言っていた事は本当なのだろうか。もっと知っておいたほうがいい。その言葉を反芻する。
ベッドに横になってみる。昔は、いや今も真面目な方な性格だと思っている。冗談通じないね、なんて事も言われたことがある。中学二年生までは学級委員だってやっていた。だけど、
有紗と比べられるようになって、劣等感に苛まれてやめた。先生はそんな気持ちは無かったのかもしれない。だけど、いい妹さんね、なんて言われたり、学年一位というレッテルが貼られた有紗は私の自信を無くす原因にもなった。
多分、有紗は私が今しようとしている事をやったことなんて無いし、考えた事も無いだろう。だから、なのか。どこかに張り合う気持ちがあったから、なのか。
服に手を入れて、胸を触ってみる。だけど、自分じゃ触ったって何も感じやしない。ただ虚無感が広がるだけ。
そのままそっと片手を、下半身に手を伸ばして、下着の中へ。どうやるんだったか、日頃うるさい夏乃子の言葉が恋しくなる。ここまで踏み込んだアクセルだ、もう急ブレーキなんて効きやしない。ただ今あるのは興味。ここで戻るのは、どうやってもわだかまりが残るのみだ。
触って、みる。後で手を洗わなきゃいけないな、とか。そんな面倒くささを引き連れて、そっと撫でてみる。芽に触れると、少しだけ気持ち悪いような、もどかしいような、嫌な気分になる。でも、それがどこか心地よくて、何度も右往左往。
「ぁ……ん……」
そうして、何処か湿り気を帯びてきた下腹部。ここからどうするのか、どうすればいいのか、ここでやめるのか、いや、それは出来ない。
もどかしさが身体中に広がる。終わりが、分からない。生半可な勇気で、生半可な知識で挑んでしまった為か、終わりが分からない。
身体が一番ぞわぞわするところ、そのぷっくりとした芽を刺激すればいいのだろうか、しかしそんな事は怖くて出来ない。
「っもう、どうすれば……」
熱だけが、もどかしさだけが溜まっていく。段々と水音をならすようにもなった。分からない、終わり方が。
「お姉ちゃーん! 入るね~」
「えっ!?」
開けられるドア。ばっちりと視線があって、誤魔化しのききようがない。今の私の状態は、片手で胸を触り、片手を部屋着、それも下着の中に入れている状態。
「あっ、これは、その」
「…………」
今更手をそこから離して、服を整えようが、もう遅い。僅かな沈黙でさえ長く、鼓動が早まる。
「お姉ちゃん、今、何してたの?」
「えっと……、」
「何してたの?」
顔を、見ることができない。純粋無垢な有紗の事だ。この行為の意味など理解できないだろう。
しかし、誤魔化せるような言い訳もない。熱が全身に沸き上がる。
「…………」
「続けてもいいよ、さっきのやってたこと」
「へ?」
「大丈夫。お姉ちゃんの事、そんなことで嫌いになったりしないから」
「まって、有紗、別に私はいつもこんな事をしてる訳じゃなくて、今日はたまたま、その、初めてだから、その、」
何を言い訳しているのだろうか。詰まりながらも言葉は溢れてくる。
「そうなんだ。でも、服を直すんじゃなくて、続けたほうが良いんじゃない?」
「な、なんで……?」
「だって、中途半端に終わったら気持ち悪いでしょ? 良いよ、続けても」
淡々と、笑顔も無しに有紗はただ言葉を発する。しかし、続けてもいい、という割には部屋から出てくれる様子もない。
「あ、有紗はいつまでここにいるの?」
「何? お姉ちゃんは私がいる前じゃ出来ないの?」
「有紗……?」
「ほら、いいよ。もう一回初めて。ちゃんと見ておいてあげるから」
「は……」
一体、何を言っているんだ、有紗は。
「初めてなんでしょ? 手際良く出来るようにしっかり私が見ててあげるからね。華恋お姉ちゃん」
ベッドに横になってみる。昔は、いや今も真面目な方な性格だと思っている。冗談通じないね、なんて事も言われたことがある。中学二年生までは学級委員だってやっていた。だけど、
有紗と比べられるようになって、劣等感に苛まれてやめた。先生はそんな気持ちは無かったのかもしれない。だけど、いい妹さんね、なんて言われたり、学年一位というレッテルが貼られた有紗は私の自信を無くす原因にもなった。
多分、有紗は私が今しようとしている事をやったことなんて無いし、考えた事も無いだろう。だから、なのか。どこかに張り合う気持ちがあったから、なのか。
服に手を入れて、胸を触ってみる。だけど、自分じゃ触ったって何も感じやしない。ただ虚無感が広がるだけ。
そのままそっと片手を、下半身に手を伸ばして、下着の中へ。どうやるんだったか、日頃うるさい夏乃子の言葉が恋しくなる。ここまで踏み込んだアクセルだ、もう急ブレーキなんて効きやしない。ただ今あるのは興味。ここで戻るのは、どうやってもわだかまりが残るのみだ。
触って、みる。後で手を洗わなきゃいけないな、とか。そんな面倒くささを引き連れて、そっと撫でてみる。芽に触れると、少しだけ気持ち悪いような、もどかしいような、嫌な気分になる。でも、それがどこか心地よくて、何度も右往左往。
「ぁ……ん……」
そうして、何処か湿り気を帯びてきた下腹部。ここからどうするのか、どうすればいいのか、ここでやめるのか、いや、それは出来ない。
もどかしさが身体中に広がる。終わりが、分からない。生半可な勇気で、生半可な知識で挑んでしまった為か、終わりが分からない。
身体が一番ぞわぞわするところ、そのぷっくりとした芽を刺激すればいいのだろうか、しかしそんな事は怖くて出来ない。
「っもう、どうすれば……」
熱だけが、もどかしさだけが溜まっていく。段々と水音をならすようにもなった。分からない、終わり方が。
「お姉ちゃーん! 入るね~」
「えっ!?」
開けられるドア。ばっちりと視線があって、誤魔化しのききようがない。今の私の状態は、片手で胸を触り、片手を部屋着、それも下着の中に入れている状態。
「あっ、これは、その」
「…………」
今更手をそこから離して、服を整えようが、もう遅い。僅かな沈黙でさえ長く、鼓動が早まる。
「お姉ちゃん、今、何してたの?」
「えっと……、」
「何してたの?」
顔を、見ることができない。純粋無垢な有紗の事だ。この行為の意味など理解できないだろう。
しかし、誤魔化せるような言い訳もない。熱が全身に沸き上がる。
「…………」
「続けてもいいよ、さっきのやってたこと」
「へ?」
「大丈夫。お姉ちゃんの事、そんなことで嫌いになったりしないから」
「まって、有紗、別に私はいつもこんな事をしてる訳じゃなくて、今日はたまたま、その、初めてだから、その、」
何を言い訳しているのだろうか。詰まりながらも言葉は溢れてくる。
「そうなんだ。でも、服を直すんじゃなくて、続けたほうが良いんじゃない?」
「な、なんで……?」
「だって、中途半端に終わったら気持ち悪いでしょ? 良いよ、続けても」
淡々と、笑顔も無しに有紗はただ言葉を発する。しかし、続けてもいい、という割には部屋から出てくれる様子もない。
「あ、有紗はいつまでここにいるの?」
「何? お姉ちゃんは私がいる前じゃ出来ないの?」
「有紗……?」
「ほら、いいよ。もう一回初めて。ちゃんと見ておいてあげるから」
「は……」
一体、何を言っているんだ、有紗は。
「初めてなんでしょ? 手際良く出来るようにしっかり私が見ててあげるからね。華恋お姉ちゃん」
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