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余り頭の良くなかった私は、世間一般的に見ると、中の中くらいの高校に進学した。家から近いということでもなく、制服がお洒落だということでもなく、私の学力を考えるとそこが一番安定して入れるだろう、というそんなありふれたような理由だった。
そんな高校に私よりも断然と頭の良い有紗が進学することは、家族も友人も更には先生をも驚かせたが、そんな人々の目も気にせずに私と同じ高校へと入学した。
ただ、それは然程問題ではない。問題だったのは、有紗が私と高校へと入学してきたことでは無く、私の高校での交友関係である。
まあ、高校生。そっちの知識というものには、少しだけ関心のあるもので、私の入っている部活動、テニス部の部室で"そういう話"はしたりもする。
学校内でもかなり知識のある様な人がテニス部に入っているお陰で、そんな知識を知りたくも無いのに知ってしまう。また、そういう人ほど男子と仲が良いので、情報量も多い。そういう知識もだが、人間的な事でも。
流石に一線を越えるような人は耳には入ってこないが、一人で、とか。そんな小耳に挟んだような内容は話してくる。彼女自身がそういう性格だからか、彼女の周りの友人もそういう話が出来る人が集まるのだろう。
「花子がさ、一人でしたって」
「ちょっと、またそういう話?」
「そんな事言って~華恋も少し気になってるんでしょ? みんな無視しちゃうけど、華恋だけは聞いてくれるから」
「無視しても夏乃子が耳元で話してくるからでしょ! もう……」
篠村夏乃子は明るく、陽キャという部類に入る。ピアスもあけているし、ギャルというものに近いが、そういう話をしてくる以外は基本的には優しく、普通に良い人だ。
「華恋はした事ある?」
「なっっっ! 馬鹿野郎。無いわよ」
「でももう高校2年生だよ? そういう事もっと知っておいたほうが良いんじゃない?」
「何を知るのよ。てか、そういう…………いや、何でもない」
「何? 私? 私はね~」
「言わなくていいから!」
知っておいたほうが、良い。その言葉を、私は受け止めてしまったのだ。
変に真面目なのか、それとも私がそういう事に興味があったのかは、分からない。だが、只一つ言えることは、この選択を後悔している事だ。
そんな高校に私よりも断然と頭の良い有紗が進学することは、家族も友人も更には先生をも驚かせたが、そんな人々の目も気にせずに私と同じ高校へと入学した。
ただ、それは然程問題ではない。問題だったのは、有紗が私と高校へと入学してきたことでは無く、私の高校での交友関係である。
まあ、高校生。そっちの知識というものには、少しだけ関心のあるもので、私の入っている部活動、テニス部の部室で"そういう話"はしたりもする。
学校内でもかなり知識のある様な人がテニス部に入っているお陰で、そんな知識を知りたくも無いのに知ってしまう。また、そういう人ほど男子と仲が良いので、情報量も多い。そういう知識もだが、人間的な事でも。
流石に一線を越えるような人は耳には入ってこないが、一人で、とか。そんな小耳に挟んだような内容は話してくる。彼女自身がそういう性格だからか、彼女の周りの友人もそういう話が出来る人が集まるのだろう。
「花子がさ、一人でしたって」
「ちょっと、またそういう話?」
「そんな事言って~華恋も少し気になってるんでしょ? みんな無視しちゃうけど、華恋だけは聞いてくれるから」
「無視しても夏乃子が耳元で話してくるからでしょ! もう……」
篠村夏乃子は明るく、陽キャという部類に入る。ピアスもあけているし、ギャルというものに近いが、そういう話をしてくる以外は基本的には優しく、普通に良い人だ。
「華恋はした事ある?」
「なっっっ! 馬鹿野郎。無いわよ」
「でももう高校2年生だよ? そういう事もっと知っておいたほうが良いんじゃない?」
「何を知るのよ。てか、そういう…………いや、何でもない」
「何? 私? 私はね~」
「言わなくていいから!」
知っておいたほうが、良い。その言葉を、私は受け止めてしまったのだ。
変に真面目なのか、それとも私がそういう事に興味があったのかは、分からない。だが、只一つ言えることは、この選択を後悔している事だ。
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