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私は今最大のピンチを迎えているだろう。
あれから、授業については何事もなく終わったが、授業後の空き時間については中々そんな訳には行かなかった。オッタルが気を使ってくれて、こちらに来てくれるのは嬉しいが、私の願いを叶えるためか悪魔までもが一緒にいるとなると、転校生として来てそこそこ注目度があるため、他クラスから人も来たり(目的はそれだけでは無いだろうが)。その二人を連れて私を孤立させたいのか群がる人々。おや、私の周りを囲んでいる人は皆、私の為に行動している。こんなところまで悪魔の策略が張り巡らせられていたのか…!?

という冗談はさておき…
悪魔は周りの人なんて居ないように扱い、オッタルという幼馴染の存在なんていたのね、と関心していた。その目には、なんで私に助けを呼んだのよ。という疑惑の目が向けられていたような気もしたが。
オッタルもオッタルで、あの時は行けなくてごめんな、と謝り、コイツらがいたせいで行けなかったんだ、これからは何処までもちゃんとついて行くから、と小声で少しヤンデレっぽい発言をしていたが、気にしないことにしようか。

さて、これは過去の話だ。今の話をしよう。

悪魔は先生に呼ばれ、オッタルはある生徒に呼ばれて何処かへ行ってしまった。前者は転校の手続き関係、後者は部活関係だろう。…まあ、あの悪魔は学校なんてそもそも行っていなかったが…
そう、つまり一人なのだ。

「ようやく一対一で話せますね」

「一対一なんてよく言いますね…」

震える声を隠すように、ハッキリとした声を出す。全然一対一なんかじゃない、イデアとその取り巻きの数人もいる。何ならこの会話を聞きたがっている数十人も敵だろう。先程までの人のありがたさが染みる。今感じているのは目の前のイデアに対する恐怖だ。何故そこまで私が狼狽しなければならないのだろうか。別に私は何もしていないだろう、と自分に強く言い聞かせるが、中々震えは止まらない。目の前の彼女に目をやると余裕そうな表情でこちらを見下していた。

「ロキ、泣きながら話してくれましたよ。全部、昨日の夜ね」

「全部って…あの紙もそうだけど私は何一つやってない…!」 

「あれ、ロキの筆跡でもエレナの筆跡でも無いと思うのよねぇ…まあ、筆跡ぐらい変えられるし、そもそもの文字が汚らしいものだったからなんとも言えないけど…でも、貴方が怒り狂って書いたのなら納得できるんですよねぇ…」

戯言を…誰でも成し得る事じゃないか。そんな不十分の証拠で決めつけないでほしい。声に出したいが出せない。くそ、これじゃあ罪を認めているようなものじゃないか。

「おい、俺がいない間に何してるんだ…?」

酷くどす黒い声が聞こえた。その声に誰もが反応して止まる。オッタルだ。彼を見ると酷い形相で、イデアを睨みつけていた。
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