私の変わった恋愛遍歴

skull

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「ねぇ、今までゆりちゃんがどんな恋愛してきたのか知りたいわ。」そう聞いてきたのは、私よりも20歳くらい上に見える女性。この女性の名は、怜子。私が怜子さんのことについて知っているのは、怜子という名前だけである。なぜなら出会って数分しか経っていないから。今、私がどこでなにをしていて怜子という名の女性といるのかは、敢えて伏せておこう。

私の初恋は、幼稚園に入りたての4歳の時だった。相手は同じ幼稚園で同い年の男子だった。同い年の中でもずば抜けてイケメンで、堀が深い顔つきに、大きな黒目で、少しくるくるとした髪が印象的だった。クラスは違ったがなぜか親同士が仲良くなりお互いの家に行く仲であった。だが、学年が1つ上がる前に彼は東京に引っ越してしまった。彼が引っ越す前に友達8人くらい集まって遊び、属に言うお別れ会をした。でも、私はその時彼と話すこともなく最後の時を迎えてしまった。別に後悔はなかった。話してたらもっとお別れが辛くなるだろうと幼い私ながらに感じていた。こうして、私の初恋に幕を閉じた。彼とはこれ以降一切会うことはなかった。

幼稚園での恋愛はまだまだ続いた。私は、1つ学年が上がり年中さんになっていた。私の席の周りには生憎、知っている子が1人もいなかった。そんな不安げにしている私に2人の男子が話しかけてくれた。そのおかげで私は毎日楽しく登園できた。私は、2人のうちの1人の男子が幼稚園バックにつけているキーホルダーがとても好きだった。そのキーホルダーは高速道路にある道路標識の看板だった。なぜ好きだったのか、私にも分からない。私が何回もキーホルダーのことを好きって言ってたこともあって2つあるからとキーホルダーをプレゼントしてくれた。私はとても嬉しくてその頃からその男子のことを意識するようになった。彼は車が好きで私によく車の話をしてくれた。私は、彼の話を聞くのが好きだった。彼が楽しそうにニコニコと笑みを見せながら話す姿には可愛らしさがあって心を奪われるものがあった。今思うと彼に対して恋愛感情として好きだったのかは微妙に感じることもある。だが、間違いなく彼のことをあの当時の私は夢中だった。母に頼んで彼が通っている絵画教室に通わせてもらったりもした。あの時の私は何でもかんでも彼の真似をしていた。その真似には彼への尊敬もあったのかもしれない。あの時の彼は、私から見たらとても物知りだった。その彼に近づきたくて真似をしていたのかもしれない。恋愛感情と憧れが混ざった名前をつけられない複雑な感情を彼に対して向けていたのかもしれない。今となってはそう解釈もできる。私が今、知的な男子を好きというのは彼の影響かもしれない。私の理想の男性の特徴を1つ確立させてくれたであろう彼とはその後も何かと不思議な縁を感じさせられることはあったが彼とはなにもなかった。




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