ラーメン劇場

高校三年生。
受験勉強で忙しくする学生もいれば、部活動に明け暮れる学生、はたまた、私のように部活もせず、予備校にもいかず、日々の生活を暇だと感じる学生もいる。

父親は病院長で母は専業主婦。
高校は私立。
私は、いわゆる箱入り娘でした。

母からは、アルバイトを禁じられていたが、退屈な日々から脱出したく、内緒でアルバイトに応募。

そして近所で見つけたラーメン店でアルバイトをすることに。

アルバイトのことは母に事後報告をした。
勿論、怒られたが、すぐ辞めるわけにもいかず
渋々許してくれた。
というより、呆れていたが正しいかもしれない。

従業員室は厨房の裏にあった。
裏口から入り、厨房の横を通ると、ふわっと麺を湯がく香りや、キムチのツンとした香り。

飲食店の裏なんて初めて見た私には新鮮に感じた。

母親の気持ちとは裏腹に、私はアルバイトが好きだった。
誰かに必要とされて働くのが楽しかった。

研修期間では辛いこともあったが、なんとか慣れて、いつの間にか後輩もたくさんいた。


これは、30代になった私が女子高生時代を振り返り、アルバイトで経験をした内容を思い出しながら綴る短編ストーリーです。
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