【完結】若き伯爵に見初められた町娘

第五章

第十二話

次の日の夜、アレックスの家でマーガレットは夕食をよばれていた。

「で、泊まったんだ。」

アレックスが聞いてきた。

「ええ、まあ。」

マーガレットはどう答えてよいか分からないような表情で返事をした。

「ふーん、どうだったの？」

アレックスは意地悪そうな表情で更に聞いてきた。

「もう！それ以上は、ねえ？」

エマさんが助け舟を出してくれた。マーガレットも少しニッコリして、エマさんに向かって頷いた。

「まあでも、なんとなくだけど、今日の雰囲気を見る限りよかったんじゃない？」

アレックスは明るく言った。

「うん。まあ、よかったと思うわ。」

マーガレットは答えた。その後で、

「この後はどうしたらいいんだろう？」

と言い出した。アレックスとエマさんは、顔を見合わせた。

「それはもう、自分が一番分かってるんだろ？」

アレックスが優しく促してきた。

「そうね。もう、私たちに相談しなくても、自分でなんとかできるわよ！」

エマさんも明るく言い切った。

「え？」

マーガレットは思わずキョトンとした。何かアドバイスが来ると思っていたからだ。

「これからはアドバイスなしだね。」

アレックスはマーガレットの顔を覗きこんで言った。そして、笑顔で

「ひとりでやってみな。」

と言った。