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第一章

第六話

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「ウィリアムはいるか?」

モイーズ伯は四男の名前を呼んだ。

「ははっ!父上!ここにおります。」

ウィリアムが答えた。

「うむ。よく聞け、お前の嫁が決まったぞ。」

「嫁・・・、でございますか?」

「そうじや。相手はプレーン公爵家の娘、アンナ殿じゃ。」

「アンナ・・・殿?そういえば、そのような方がおられると聞いたことはございます。」

「うむ。家の格としても申し分ない。なにせ、公爵家じゃからのう。どうじゃ?よい話であろう?」

「ははっ!ありがたく存じます!」

「うむ。では、これより婚礼の支度をせよ。執事とよく話し合ってな!」

「ははっ!」

ウィリアムはそう言うと、急いでモイーズ伯のもとを去った。

「ふむ、上手くいったわい。さて、これからワシは王宮に報告をせねばならん。」

モイーズ伯はひとり呟き、王宮に参上するため着替え室へと向かった。
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