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第三十七話
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***
一か月後。
薔薇庭園で散策していると、突然後ろから抱きしめられた。
その爽やかな香りを身にまとわせ、マルヴィナに甘えてくる者はフィッシャー家にはひとりしかいない。
「レナード。いきなり抱きつかないで? 誰か見ていたら恥ずかしいわ」
「いいだろう? 別にここなら。そんなにまじまじと見る者だってもういないだろうから」
「そうだけど……」
レナードの言う通り、もう城には令嬢も、娘達もいないのだ。
勿論、そう簡単に城を出ないと駄々をこねる令嬢もいたし、金を寄越せと突然言い出す娘もいた。
けれど、レナードが説得し、時にはお金を持たせて帰らせると、なんとか城から帰らせることには成功した。
しかし、レナードの悪い噂が消えたわけではなく、より一層悪い噂が広まるのではと懸念された。
娘達は金がなくなれば無心しに城に来るかもしれないと、アシュトンは頭を抱えている。
けれど、レナードはマルヴィナとの結婚を済ませることによって、全ては解決するだろうと予想しており、あまり深くは考えてはいないようだった。
もとより、悪い噂に対しても耳を傾けている様子はないようだったし、その程度でフィッシャー家が傾くわけでもない。
マルヴィナとの婚約発表は明日に控え、結婚式の準備は着々と進んでいる。
フィッシャー家の人間も、マルヴィナの生い立ちを聞いて受け入れてくれた者もいれば、受け入れられない者もいた。
アストリー子爵がそんなことをする筈がないと、アガサの虚言を疑う者もいた。
全てを信じて欲しいとは思えず、マルヴィナはレナードだけが信じてくれればとフィッシャー家で受け入れてくれない人間には諦めるしかないと思った。
しかし、レナードはアストリー子爵を城に招いた。
勿論、全てを話させるのは酷だと思ったが、マルヴィナの父であるということを話してもらい、フィッシャー家の人間を説き伏せてしまったのだ。
アストリー子爵も快く受け入れてくれたのには驚いたし、最悪の場合は悪い噂を立てられてしまう可能性だってあった筈なのだ。
でも、全く動じずことなくマルヴィナを娘だと言ってくれたのだ。
そんなことが一か月の間にあって、少々マルヴィナも疲れている。
でもまだ結婚式が残っているし、フィッシャー家に嫁ぐという重大なことが待っているのだ。
薔薇庭園に来たのだって、たまにはひとりでのんびりと薔薇をと思ったのだが、レナードに見つかってしまった。
(私がいなくなると、仕事中でも抜け出してくるんだから)
今は街の開発事業や、村の新しい農産物について考えたりしないといけない筈だ。
というのも、この城に令嬢や娘を呼び寄せた為に多大な出費をしたせいで、チクチクと言われてしまう時があるらしい。
勿論、村も街もしっかりやっていけているのだが、レナードの豪遊だと見られていて一部の村ではそんなレナードをバカにする者すらいるという。
アシュトンの提案で、仕事をまっとうにする姿を見せればと言われてレナードも頑張らなくてはいけない筈なのだが、どうにも身が入らない時がある。
「レナード! しっかりやらないと、村の若い人達が暴動を起こすわよっ!」
「そうかな」
「私は村で育ったから分かるわ。村の男達って、血気盛んなんだから」
「ふーん。そういう男もマルヴィナは好き?」
「ち……そういう意味じゃないわっ! レナード、真面目に仕事をしてっ! 本当に暴動なんて起きたら大変よっ」
「分かった。マルヴィナが今ここで、キスしてくれたら部屋に戻る」
「また……そういうことを」
仕方ない、そう思いながら、マルヴィナは長身のレナードに合わせるようにつま先立ちをして、口づけをする。
柔らかい感触を感じると、ぐいっと腰を掴まれてしまう。
「レナード! ……だめっ」
「捕まえた。この先も、少しいいだろう?」
「だめっ……そんなことしているうちにっ……んぅ……」
すぐに口内に舌先が割入り、マルヴィナは甘い吐息を漏らした。
これも、ここ最近のレナードのやり口だ。
制することも聞かないで、ひと目も気にせずにキスをしてしまう。
しかも蕩けるような長いキスに、互いの唾液は混じり絡む程でマルヴィナは終わる頃にとろんとした目でレナードを求めてしまうのだ。
口腔内では舌と舌が絡み、マルヴィナも応えてしまう。
どうしたら良いのか、始めは戸惑うのだが段々レナードのされるがままに受け入れてしまい、淫靡な吐息すら漏らしてしまうのだ。
「はっ……あっ……」
「この続きをしたいだろう?」
「だめよ、レナード」
なんとかレナードを押し戻すものの、下肢はジンジンと熱い。
(ダメをこんなんじゃ)
自分を叱咤するものの、レナードとの甘い時間はマルヴィナにも愛おしくてたまらない。
なんとか体を重ね合う以外の行為に仕向けたいと、マルヴィナは近くの薔薇を見やった。
イングリッシュローズが綺麗に咲いている。
(新種の薔薇について聞いてみれば!)
「ねえ? レナード。品種改良はどうなの?」
「ああ、それなら、順調らしいけれど。まだ先の話だそうだよ」
「そう……。でも、ここで出来た薔薇なら、是非見たいわ」
「この庭園に、品種改良が成功すれば、薔薇が溢れるように咲くらしいんだけれど。私にもそれがどういう意味かは分からないんだ」
「そう。でも、待ち遠しいわ」
レナードに言われて、マルヴィナはついさっきまで淫靡な吐息を吐いていたことを忘れてしまう。
この薔薇庭園は、マルヴィナとレナードとふたりだけの空間でありたいのだが、同時に、体を重ねる寝室とはまた別に、ふたりだけの大切な空間にしたいのだ。
誰にも邪魔されない、知識と知識の共有をしたい。
レナードが嬉しそうに改良中の薔薇について教えてくれ、マルヴィナは目を輝かせて聞いた。
もしもその改良が成功すれば、あらゆる所から買い付けが来るだろうとのこと。
財政に困ることはないのだが、フィッシャー家の確固たる地位、名誉、そして後世にまで名前が残るのだと言う。
その壮大な話、マルヴィナはレナードが決して不真面目ではないと理解し直す。
が、最近はどうも集中力がないらしい。
「レナード、そろそろ部屋に戻らないと」
「そうだね。アシュトンが様子を見に来るころだ」
そう言ってレナードが部屋に戻って行くとマルヴィナは切ない想いで満ちてしまう。
自分の想いとは裏腹なことを言わないといけないのだし、あのままキスを受け入れてたっぷりと愛情を感じたかった。
でも、それをすればきっとレナードは仕事など手につかない状況になるだろう。
(落ち着くまでは、私も頑張らなくては)
薔薇の香りを嗅いでから、マルヴィナも部屋に戻った。
令嬢や娘達が去った城はシンと静まり返っていて、フィッシャー家の一族が住んではいるものの、屋敷の広さのせいで互いを気にすることはなかった。
マルヴィナは部屋に戻ると、机に向かい、すぐに便箋とペンを用意してアガサに手紙を書き始めた。
マルヴィナにもやることはあるのだ。
『親愛なるアガサ
これで何度目かの手紙になりますが、読んでくれていますか?
フィッシャー家に嫁ぐことを反対し、私を嫌いになっていませんか?
私は、レナードを心から好きになりました。
彼の優しさ、忍耐力、そしてその感受性豊かな心。
元々ナルシストだと思っていた一面でも、今ではその虜です。
どうか、私とレナードの結婚式に来てください。
正式な招待所もきちんと送りますが、アガサが読んでくれるか分からないので、こうして何度も手紙を書いている次第です。
どうか、彼の優しさを信じて、私を信じて来てください マルヴィナ』
それは短い文章だったが、マルヴィナの想いが充分に詰まる一通だった。
レナードからはアガサは村ではなくフィッシャー家の別荘に移り住んでいると聞かされていたし、住まいで困ることはないと思うのだが、アガサからの返事が来たことはない。
困惑しているのは分かるし、もしかしたら猛反対しているのかもしれない。
でも、心から好きになった人との結婚式にアガサが居ないなんて考えられないのだ。
封蝋してキャシーを呼びつけると、マルヴィナは決まり文句を言うように言う。
「返事を待ってますと必ず伝えて」
「分かりました。きっと、分かってくれますよ」
キャシーの言葉に、マルヴィナの心はわずかに癒されるが心から安心は出来なかった。
一か月後。
薔薇庭園で散策していると、突然後ろから抱きしめられた。
その爽やかな香りを身にまとわせ、マルヴィナに甘えてくる者はフィッシャー家にはひとりしかいない。
「レナード。いきなり抱きつかないで? 誰か見ていたら恥ずかしいわ」
「いいだろう? 別にここなら。そんなにまじまじと見る者だってもういないだろうから」
「そうだけど……」
レナードの言う通り、もう城には令嬢も、娘達もいないのだ。
勿論、そう簡単に城を出ないと駄々をこねる令嬢もいたし、金を寄越せと突然言い出す娘もいた。
けれど、レナードが説得し、時にはお金を持たせて帰らせると、なんとか城から帰らせることには成功した。
しかし、レナードの悪い噂が消えたわけではなく、より一層悪い噂が広まるのではと懸念された。
娘達は金がなくなれば無心しに城に来るかもしれないと、アシュトンは頭を抱えている。
けれど、レナードはマルヴィナとの結婚を済ませることによって、全ては解決するだろうと予想しており、あまり深くは考えてはいないようだった。
もとより、悪い噂に対しても耳を傾けている様子はないようだったし、その程度でフィッシャー家が傾くわけでもない。
マルヴィナとの婚約発表は明日に控え、結婚式の準備は着々と進んでいる。
フィッシャー家の人間も、マルヴィナの生い立ちを聞いて受け入れてくれた者もいれば、受け入れられない者もいた。
アストリー子爵がそんなことをする筈がないと、アガサの虚言を疑う者もいた。
全てを信じて欲しいとは思えず、マルヴィナはレナードだけが信じてくれればとフィッシャー家で受け入れてくれない人間には諦めるしかないと思った。
しかし、レナードはアストリー子爵を城に招いた。
勿論、全てを話させるのは酷だと思ったが、マルヴィナの父であるということを話してもらい、フィッシャー家の人間を説き伏せてしまったのだ。
アストリー子爵も快く受け入れてくれたのには驚いたし、最悪の場合は悪い噂を立てられてしまう可能性だってあった筈なのだ。
でも、全く動じずことなくマルヴィナを娘だと言ってくれたのだ。
そんなことが一か月の間にあって、少々マルヴィナも疲れている。
でもまだ結婚式が残っているし、フィッシャー家に嫁ぐという重大なことが待っているのだ。
薔薇庭園に来たのだって、たまにはひとりでのんびりと薔薇をと思ったのだが、レナードに見つかってしまった。
(私がいなくなると、仕事中でも抜け出してくるんだから)
今は街の開発事業や、村の新しい農産物について考えたりしないといけない筈だ。
というのも、この城に令嬢や娘を呼び寄せた為に多大な出費をしたせいで、チクチクと言われてしまう時があるらしい。
勿論、村も街もしっかりやっていけているのだが、レナードの豪遊だと見られていて一部の村ではそんなレナードをバカにする者すらいるという。
アシュトンの提案で、仕事をまっとうにする姿を見せればと言われてレナードも頑張らなくてはいけない筈なのだが、どうにも身が入らない時がある。
「レナード! しっかりやらないと、村の若い人達が暴動を起こすわよっ!」
「そうかな」
「私は村で育ったから分かるわ。村の男達って、血気盛んなんだから」
「ふーん。そういう男もマルヴィナは好き?」
「ち……そういう意味じゃないわっ! レナード、真面目に仕事をしてっ! 本当に暴動なんて起きたら大変よっ」
「分かった。マルヴィナが今ここで、キスしてくれたら部屋に戻る」
「また……そういうことを」
仕方ない、そう思いながら、マルヴィナは長身のレナードに合わせるようにつま先立ちをして、口づけをする。
柔らかい感触を感じると、ぐいっと腰を掴まれてしまう。
「レナード! ……だめっ」
「捕まえた。この先も、少しいいだろう?」
「だめっ……そんなことしているうちにっ……んぅ……」
すぐに口内に舌先が割入り、マルヴィナは甘い吐息を漏らした。
これも、ここ最近のレナードのやり口だ。
制することも聞かないで、ひと目も気にせずにキスをしてしまう。
しかも蕩けるような長いキスに、互いの唾液は混じり絡む程でマルヴィナは終わる頃にとろんとした目でレナードを求めてしまうのだ。
口腔内では舌と舌が絡み、マルヴィナも応えてしまう。
どうしたら良いのか、始めは戸惑うのだが段々レナードのされるがままに受け入れてしまい、淫靡な吐息すら漏らしてしまうのだ。
「はっ……あっ……」
「この続きをしたいだろう?」
「だめよ、レナード」
なんとかレナードを押し戻すものの、下肢はジンジンと熱い。
(ダメをこんなんじゃ)
自分を叱咤するものの、レナードとの甘い時間はマルヴィナにも愛おしくてたまらない。
なんとか体を重ね合う以外の行為に仕向けたいと、マルヴィナは近くの薔薇を見やった。
イングリッシュローズが綺麗に咲いている。
(新種の薔薇について聞いてみれば!)
「ねえ? レナード。品種改良はどうなの?」
「ああ、それなら、順調らしいけれど。まだ先の話だそうだよ」
「そう……。でも、ここで出来た薔薇なら、是非見たいわ」
「この庭園に、品種改良が成功すれば、薔薇が溢れるように咲くらしいんだけれど。私にもそれがどういう意味かは分からないんだ」
「そう。でも、待ち遠しいわ」
レナードに言われて、マルヴィナはついさっきまで淫靡な吐息を吐いていたことを忘れてしまう。
この薔薇庭園は、マルヴィナとレナードとふたりだけの空間でありたいのだが、同時に、体を重ねる寝室とはまた別に、ふたりだけの大切な空間にしたいのだ。
誰にも邪魔されない、知識と知識の共有をしたい。
レナードが嬉しそうに改良中の薔薇について教えてくれ、マルヴィナは目を輝かせて聞いた。
もしもその改良が成功すれば、あらゆる所から買い付けが来るだろうとのこと。
財政に困ることはないのだが、フィッシャー家の確固たる地位、名誉、そして後世にまで名前が残るのだと言う。
その壮大な話、マルヴィナはレナードが決して不真面目ではないと理解し直す。
が、最近はどうも集中力がないらしい。
「レナード、そろそろ部屋に戻らないと」
「そうだね。アシュトンが様子を見に来るころだ」
そう言ってレナードが部屋に戻って行くとマルヴィナは切ない想いで満ちてしまう。
自分の想いとは裏腹なことを言わないといけないのだし、あのままキスを受け入れてたっぷりと愛情を感じたかった。
でも、それをすればきっとレナードは仕事など手につかない状況になるだろう。
(落ち着くまでは、私も頑張らなくては)
薔薇の香りを嗅いでから、マルヴィナも部屋に戻った。
令嬢や娘達が去った城はシンと静まり返っていて、フィッシャー家の一族が住んではいるものの、屋敷の広さのせいで互いを気にすることはなかった。
マルヴィナは部屋に戻ると、机に向かい、すぐに便箋とペンを用意してアガサに手紙を書き始めた。
マルヴィナにもやることはあるのだ。
『親愛なるアガサ
これで何度目かの手紙になりますが、読んでくれていますか?
フィッシャー家に嫁ぐことを反対し、私を嫌いになっていませんか?
私は、レナードを心から好きになりました。
彼の優しさ、忍耐力、そしてその感受性豊かな心。
元々ナルシストだと思っていた一面でも、今ではその虜です。
どうか、私とレナードの結婚式に来てください。
正式な招待所もきちんと送りますが、アガサが読んでくれるか分からないので、こうして何度も手紙を書いている次第です。
どうか、彼の優しさを信じて、私を信じて来てください マルヴィナ』
それは短い文章だったが、マルヴィナの想いが充分に詰まる一通だった。
レナードからはアガサは村ではなくフィッシャー家の別荘に移り住んでいると聞かされていたし、住まいで困ることはないと思うのだが、アガサからの返事が来たことはない。
困惑しているのは分かるし、もしかしたら猛反対しているのかもしれない。
でも、心から好きになった人との結婚式にアガサが居ないなんて考えられないのだ。
封蝋してキャシーを呼びつけると、マルヴィナは決まり文句を言うように言う。
「返事を待ってますと必ず伝えて」
「分かりました。きっと、分かってくれますよ」
キャシーの言葉に、マルヴィナの心はわずかに癒されるが心から安心は出来なかった。
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