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9巻
9-3
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それからアスラたちとの話し合いを終えた俺は、店の建て替えのため、楽園の大工に頼みに行くついでに楽園の様子を見に行くことにした。
「リアたちはどうする? 一緒に楽園に来る?」
「ん~、私たちはいいかな。旅の疲れがまだ取れてないし、家でゆっくりしてるよ」
「いってらっしゃい、ラルク君」
リアとリンを誘ってみたが二人は家で休むと言い、アスラとレティシアさんは一度自分の家に顔を出すと言ったので、一人で楽園の中に入ることにした。
楽園に入った俺はすぐにゼラさんに連絡を入れ、楽園で一番栄えている場所である〝中央都市〟へと転移で連れていってもらった。
「楽園の様子はどうですか?」と、ゼラさんに尋ねる。
「そうね。街作りに皆やる気を出して、今は温泉街を作り替え中。それ以外は特に変わりはないわ。強いて言えば、また作物の生産量が増えてきたから、取り引きできる量が増えたわ」
「また増えたんですか? 気候が操れるとはいえ、流石にペースが速すぎませんかね?」
「気候が安定してるのはもちろんあるけど、もともとこの楽園は、性質的に作物が育ちやすいんだと思うわよ」
そうなのかな? まあ、でも〝楽園〟って名前がスキル名でついてるくらいだし、そう考えるのが妥当かもしれないな。
「それで、ラルク君の方はどうかしら?」
「実は、俺の方はちょっと大変というか……また楽園の方たちの力を借りたいことができて、話をしに来たんです」
そう俺は言いながら、ゼラさん、楽園に住む皆にアルスさんの話を伝え、会議を始める。
「なるほど、確かに建物もそうだけど、観光を盛り上げるためには楽園の力が必要ね」と、ゼラさん。
「はい。建物に関しては楽園の力はすごいので心配はしてないですけど、料理に関しては皆に協力してもらっても、いい感じにできるか不安なんですよね……」
「そういえばそうね。皆はそれについては何か思うことはある?」
「たまに他にも娯楽が欲しいということは話しますが、何よりも楽園での生活が楽しいので、そこまでは困ってないんですよね。楽園は娯楽がなくても自然豊かで、森の中で遊んだり、湖で泳いだりといろいろできますので」
水竜族の族長であるノアさんは、ゼラさんが尋ねるとそう言い、他の族長たちも似たようなことを言っていた。
確かに楽園内はどの国よりも自然がたくさんあるから、もともとずっとここで過ごしてきた皆は、娯楽を作らなくても楽しめるんだろうな……
側で見ていたシャファルが「なるほど。あって損はないけど、困ってはないといった感じだな」と言う。
「そうですね。シャファル様が言う通り、困ってはいませんがあれば私どもも楽しみが増えるのでいいことだとは思います」と、ノアさん。
「分かりました。楽園内の娯楽についても、今回は決めきれませんが今後の話し合いで決めていければいいなと思います」
楽園の娯楽不足については今後の議題として残し、今回の会議は終わることにした。
会議が終わり族長たちが帰った後、話し合いをしていた部屋の中にはゼラさん、シャファル、そして俺だけが残った。
「旅から帰ってきてすぐに面倒事に首を突っ込むなんて、本当にラルクはお人好しだな」と、シャファル。
「それがラルク君のいいところでもあるでしょ?」と、ゼラさん。
「それはそうだが、休むとか言ってたのに頼まれたことのために走りまわって……ちゃんと休める時は休んだ方が身のためだぞ?」
「分かってるよ。前に頑張りすぎて倒れてからは、ちゃんと休むようにしてるから」
シャファルの言葉に対して俺はそう言い、これからの動きについて二人と話し合うことにした。
「これからのことだけど……ラルク君。次はいつ話し合いに行くのかしら?」
「そうですね。アルスさんのところに行く予定はまだ立ててませんが、とりあえずラックさんのところには明日行って、料理について話そうと思います」
「……それなら、先に楽園の料理を見ておくのはどうかしら? ラルク君って、楽園には来てるけど、料理は家でしか食べてなかったでしょ?」
「あ~、確かにそうですね。他国の料理は今すぐ食べるのは難しいですけど、楽園の料理は今から食べれますから、体験しておくのはいいですね」
ゼラさんの提案に俺はそう言って、それから俺たちは会議室を出て、楽園の中央都市で一番人気らしい食堂へと向かった。
その食堂には個室が用意されていて、俺たちが行くと店員は個室へと案内してくれた。
「一応、たくさん注文する予定だけど、ゼラさんとシャファルはたくさん食べれそう?」
「まだ食事前だから食べられるわよ」
「我もまだ食事は済ませてなかったからたくさん食べられるぞ」
そう二人から聞いた俺は、ひと通り人気がありそうな料理を注文していく。
それから少しして、注文した料理が運ばれてきた。
この世界、楽園は、外の世界よりも料理の素材をたくさん扱っている。
それは俺が前世で食べていた料理を再現していきたいという思いで作り続けたから。今では楽園内で普通に取り引きされるようになった、前世の調味料もある。
しかし作り方は俺自身もハッキリとは覚えておらず、前世の料理の再現についてはまだ進めていなかった……はずだ。
「調味料は開発してたけど、料理はまだ普及してなかったはずなのに、かなり前世の味が再現されてるんだけど……」
目の前にある料理の数々を見て驚き、俺はそう口にした。
メニューには確かに〝ラーメン〟や〝カレーライス〟と書かれていて、さっきは本当にあるのか? と疑いつつ注文したんだよな。
「ゼラさん、もしかしてこの料理のこと知ってましたか?」
「ええ、知っていたわよ。だってこのお店、私が実験的に作った場所だもの」
「えっ、そうなんですか!?」
この店をゼラさんが建てたという事実にさらに俺は驚いた。
そういえばこの店、前に来た時はなかったよな?
「ゼラさん、どうやってこの料理を作ったんですか? 調味料の数的に、試行錯誤すればたどり着けるかもしれませんが……それにしても完成度がかなり高いんですけど」
「前にラルク君にどういった料理を再現したいのか聞いたことがあったでしょ? それで私なりに考えて、いつかラルク君を驚かせようと思って準備してたのよ」
「いや、聞いただけでここまで再現できるのはすごいですよ。見た目はほぼ完全再現ですよ?」
「ふふっ、それはよかったわ。でも、問題は味よね? 味に関してはやっぱり話を聞くだけじゃ再現は難しいから、そこはラルク君に判断してもらうことになるわ」
そうゼラさんから言われた俺は、確かにと思い、「いただきます」と言って早速食べ始めた。
まず最初に口にしたのは、匂いは完全再現されていて、具材に関してもほぼ一緒の〝豚骨ラーメン〟だ。
豚骨スープはボアによって代用していて、メンマや海苔といったものはこの世界で作られているみたいで、前世の味がほぼ完全に再現されていた。
「ッ!」
意を決して麺を啜った俺は、口の中に広がる懐かしい味に涙を流した。
「ゼラさん、この世界でまたこうしてラーメンを食べられるなんて……本当にありがとうございます!」
「ラ、ラルク君!? そんな頭を下げながら言わなくていいわよ!」
俺が立ち上がり、ゼラさんに誠心誠意感謝を伝えると、そんな俺の姿を見たゼラさんは慌てていた。
「ゼラさん、これはこの程度で感謝を表しきれるほどのものじゃないです! 米料理は基本的に米を主軸にして作られているので、米を見つけてしまえば比較的簡単に作ることができました。ですが、ラーメンは違います。俺も挑戦したことはありますが、こんなに完璧に再現できたことはありません」
「ラルクがここまで言うって、本当にすごいものを作ったみたいだな。我は食べたことがないし、一口食べてもいいか?」
シャファルがそう言ったので、俺は「一口じゃ我慢できないと思うぞ」と言い、もう一つ注文して持ってきてもらった。
そしてシャファル用のラーメンが届き、本人に渡すと、シャファルは一口だけ口の中に入れる。その途端、目をグワッと見開き、ラーメンを豪快に食べ始めた。
「……我はこんな美味しいものがあるのに、まだ食べてなかったのか。ゼラ、なんでこの店のことを教えてくれなかったんだ?」
「シャファルには前に言ったわよ? でもあなた、ちょうど温泉街でくつろいでる時で一切興味を持たなかったのよ」
「その時の我をぶん殴りたいな……」
その後、俺は他の料理も食べ始めたが、どれもほぼ再現ができていて、一品食べるごとにゼラさんに頭を下げ続けることになった。
「ゼラさん、こんなすごい料理があるんでしたら会議で言ってくださいよ。あんなに長く会議をしなくても、この料理があればレコンメティスの観光名所なんて作り放題ですよ」
「まあ、最初はそう思ったわよ。でも、話を聞く限りだと、果たしてそれでこのレコンメティスのよさを伝えることができるのかしらって思ったのよね……確かに他国の料理をたくさん集めること自体は話題性があるし、観光の目玉として面白いと思うけど、それでレコンメティス自体のよさっていうか、独自性は伝わるのかしらって」
ゼラさんのその言葉を聞いた俺は、舞い上がっていた気持ちが急降下し、一気に冷静になった。
確かに、言われてみればレコンメティス自体のよさはあまり感じられない気がする。
もしこれで人を集められたとしても、他の街や国でも同じようなことをされたら、あまり意味がない。
「なるほど、それでゼラは料理を観光の目玉にしようとしていたラルクの話にあまり乗り気ではなかったのか?」
「ええ、どうしようかしらって悩んでて、三人だけになった時に話そうと思ってたのよ」
「……ゼラさん。その、ありがとうございます。確かに言われてみれば、料理を集めて観光名所を作るのはいいですけど、それだけだとレコンメティスのよさは伝わりませんね」
ゼラさんから気付かされた俺はそうお礼を言い、レコンメティスのよさが伝わり、なおかつ観光の目玉として使えそうなものはないか、改めて考え始めた。
食後、俺はまだ考えがまとまらないため、そのまま少しだけ中央都市の通りを歩くことにした。
「あれ、ラルク君? 久しぶりだね」
そう言ってきたのは、ドルスリー商会のラックさんの息子であり、俺の同級生のレックだった。
「レック? あれ、今は中央都市にいるのか?」
「うん。行商人じゃなくてちゃんと店を持つことにして、最近は中央都市で活動してるんだ」
楽園で行商人として力をつけていると思っていたレックが、いつの間にか行商人から店舗持ちの商人となっていたことに俺は驚き「おめでとう!」とお祝いの言葉を伝えた。
「いつから店舗を持つようになった感じ?」
「そうはいっても、まだ二週間も経ってないよ。最近だからね。僕のお店、近いから寄ってく?」
「いいのか? レックがいいなら見に行きたいな」
レックからの誘いに俺は乗り、彼の店へと向かった。
中央都市は、楽園の中でもかなり栄えてる方の街。そのため土地の値段も最初の頃に比べたら高くなってきている。
そんな街の中心部に近いエリアにレックの店はあった。
建物には看板があり〝ドスリー商会〟という名前が書かれていた。
「ドスリー商会って、レックの商会名か?」
「うん。本当はドルスリー商会にするか迷ったんだけど、楽園と取り引きしてるなら少し変えた方がいいなって思って、一文字だけ消して作ったんだ」
「……レックから、なんだか俺と同類の匂いがするな」
ネーミングセンスが壊滅的だなと思いつつ、レックに建物の中を案内してもらった。
この建物は四階建てで一階は主に受付と仕事場スペース、二階は在庫置き場、三階に商会長兼レックの私室があり、四階は現在は空き部屋となっているみたいだ。
「かなり大きく作ったみたいだね」
「うん。今後商会が大きくなった時のことも考えて、建て替えを何度もするのはと思ってさ。商会本部として見栄えも重視して、最初から大きくしたんだ」
「すごいな、流石ドルスリー商会の後継者だな」
そう俺が褒めると、レックは嬉しそうな顔をして「まだまだ勉強中だけどね」と言った。
「さっき話しかけた時、ラルク君は悩んでそうだったけど……何か悩みでもあるの?」
「……やっぱり、気付いてて声をかけたのか」
「うん。友達が困ってそうだったからね。僕が力になれるのなら手を貸してあげたいなって思って」
そんなレックの言葉に俺は「ありがとう」と言い、今悩んでることをレックに伝えた。
「ラルク君らしいね。頼み事のためにそこまで悩むなんて」
「そういう性格なんだろうな。シャファルからもお人好しって言われたばっかりだよ」
「まあ、そこがラルク君のいいところでもあるけどね」
レックは笑いながらそう言うと、少しだけ考え込み「レコンメティスのよさか~」と口にした。
「ずっと王都で暮らしてたけど……正直な話、レコンメティスのよさって人がたくさん集まって人との繋がりが生まれるってところが一番大きいけど、それ以外の特徴は? って聞かれたら、言葉に詰まるね。冒険者は多くて有名な人もたくさんいるけど、土地については特に特色がないのがレコンメティスだよね」
「肯定するのもあれだけど、そうなんだよね……それで出た案が料理を集めるとか、大会を開催するとかだけど、それだと他の土地でもやろうと思えばできることだから、どうすればレコンメティスの独自性が出るのかなって……」
「それで悩んでたんだね。父さんもたぶん、同じような感じで悩んでそうだね」
レックは「難しい問題だね」と言って一緒に考えてくれた。
「まあ、あれだよね。ないなら新しい観光資源を作るって発想もいいとは思うよ。楽園の技術力を使わないって感じじゃなさそうだから、楽しめそうな施設を王都に作るのはどうかな?」
「……確かに、その発想はなかったな」
「ほら、他の国でも、誰かが作ったものが観光名所となってることもあるんだから、新しく作ったっていいと思うよ」
レックのその提案に、今まで何も思い浮かばなかった俺の脳内に、突然いろんなアイディアが浮かんできた。
観光の名所といえば昔からあるものをイメージしてたけど、イベントを開催するんじゃなく、名所を新しく作ってしまうという考え方もありだよな!
「レックと話せて本当によかったよ。また何か相談があれば来てもいいか?」
「うん。ラルク君ならいつでも歓迎だよ。その代わり、僕が悩んでる時は助けてね」
「ああ、それはお互い様だからな。本当にいい友達を持てて最高だよ」
そう言って俺はレックと握手を交わし、ドスリー商会を出た。
3 施設作り
レックと相談したことで悩みが吹き飛んだ俺は、次の日にはラックさんのところへと来ていた。
「なるほど、新しく施設を作るのか……確かにアルス王から頼まれた時、イベント開催のアイディアは出たけど、新たに作るという発想はなかったね。完全に抜けてたよ」
「俺もそうでした。ずっと悩んでてどうしようって考えていた時、レックが現れて悩みを聞いてくれたんです」
「レックが?」
ラックさんが、レックの名前が出たことに驚いた様子でそう聞き返してきたので、昨日の出来事について話をした。
「レックは楽園で商会を設立していたのか……子供の成長は早いと言うけど、姿を見ないうちにものすごい勢いで成長してるみたいだな」
「顔つきも大分変わってましたね。なんとなく商人の顔つきになってて、どんどんラックさんに似てきていました」
「はは、それは嬉しいな。暇な時は顔を見に行きたいから、その時はラルク君、案内を頼めるかな?」
「はい。もちろんです」
嬉しそうなラックさんに俺はそう返し、それからどんな施設を作るのかについて話し合いを始めた。
「いろんな人が一緒に遊べる場所を作るのはどうですか?」と、まず提案してみた。
最初、俺の持つ知識の中でスポーツとか流行らせてもいいかもと考えたが、ルールを浸透させるには、かなり時間がかかるだろうな……
そう思い、別のアイディアをラックさんに話す。
「走りまわったり、障害物を置いて逃げまわったりできるような感じで、遊び感覚で運動ができる施設を作るなんてどうですか?」
「なるほど、体格や能力の差は出るけどそこは遊びだから、自分たちで調整してもらえれば十分人気は出そうだね」
「はい。後は施設内では魔法スキルを使用禁止にして、破った場合は罰金を科し、最悪の場合は出禁にするといったルールを決めていくのもいいですね」
その後、施設の場所や施設のルールを話し合い、その日は一日ドルスリー商会で過ごした。
その翌日、俺とラックさんは昨日のうちに王城に連絡を入れて、朝から王城へと向かっていた。
「この間はラックだけだったけど、もしかしてラルク君も寝不足?」
「ちょっと考えが止まらなくて、まとめてたら睡眠時間がなくなってました。今日の話し合いが終わったら寝る予定なので大丈夫です」
前回の話し合いの場ではラックさんだけが寝不足の状態だったが、今回は俺も寝不足状態で登城したので、アルスさんは若干困惑していた。
それから俺とラックさんは部屋のソファに座り、一晩中まとめていた資料を机に広げた。
「前回の話し合いでは料理イベントを中心に考えていたんですが、それでレコンメティス独自のよさが伝わるのか? という疑問にぶつかってしまいました」
「まあ、確かにそれはそうだね。料理を集めることもいいけど、独自性はないし、他の国が真似る可能性があるよね」
「はい。それについて悩んでいた際、楽園でレックが解決策を教えてくれたんです」
そう俺は言いながら資料の一つを取り、アルスさんに渡して中身を見てもらった。
「これは……新しい施設を作るのかい?」
「はい。レックと話し合って新しく作るのもありだと思い、この施設を考えついたんです」
「なるほどね。確かにこれは面白そうだね」
今回提案したのは、総合遊戯施設。
人がたくさん集まって、楽しめる施設を作ろうと考えたんだ。
「この施設、できたらすごく楽しそうだね」
「はい。第一に楽しんでもらうことを考え、その次に利便性についても考えていきました」
その後、施設の内装についてや、他の階層にはシャワールームを完備することなどを話した。
アルスさんは話を聞き終えると、笑みを浮かべ「これが実現できたら今レコンメティスに来てくれてる観光客たちも喜んでくれるだろうね」と言った。
「この施設に加えて、ラルク君の店も改築しますから、さらに観光客は増えるでしょうね。今のうちに宿関連の者たちには話を通しておいた方がいいと思いますので、後で私の信頼できる者たちにはこの話をしてもよろしいでしょうか?」と、ラックさん。
「うん。今回の計画はかなり大がかりになりそうだし、商人たちにも協力してもらった方がいいだろうからそっちは任せるよ。僕の方でも準備することがあるし、また近いうちに話し合おうか」
アルスさんからそう言われて本日の話し合いは終了、前回同様に馬車で家まで送ってもらった。
「リアたちはどうする? 一緒に楽園に来る?」
「ん~、私たちはいいかな。旅の疲れがまだ取れてないし、家でゆっくりしてるよ」
「いってらっしゃい、ラルク君」
リアとリンを誘ってみたが二人は家で休むと言い、アスラとレティシアさんは一度自分の家に顔を出すと言ったので、一人で楽園の中に入ることにした。
楽園に入った俺はすぐにゼラさんに連絡を入れ、楽園で一番栄えている場所である〝中央都市〟へと転移で連れていってもらった。
「楽園の様子はどうですか?」と、ゼラさんに尋ねる。
「そうね。街作りに皆やる気を出して、今は温泉街を作り替え中。それ以外は特に変わりはないわ。強いて言えば、また作物の生産量が増えてきたから、取り引きできる量が増えたわ」
「また増えたんですか? 気候が操れるとはいえ、流石にペースが速すぎませんかね?」
「気候が安定してるのはもちろんあるけど、もともとこの楽園は、性質的に作物が育ちやすいんだと思うわよ」
そうなのかな? まあ、でも〝楽園〟って名前がスキル名でついてるくらいだし、そう考えるのが妥当かもしれないな。
「それで、ラルク君の方はどうかしら?」
「実は、俺の方はちょっと大変というか……また楽園の方たちの力を借りたいことができて、話をしに来たんです」
そう俺は言いながら、ゼラさん、楽園に住む皆にアルスさんの話を伝え、会議を始める。
「なるほど、確かに建物もそうだけど、観光を盛り上げるためには楽園の力が必要ね」と、ゼラさん。
「はい。建物に関しては楽園の力はすごいので心配はしてないですけど、料理に関しては皆に協力してもらっても、いい感じにできるか不安なんですよね……」
「そういえばそうね。皆はそれについては何か思うことはある?」
「たまに他にも娯楽が欲しいということは話しますが、何よりも楽園での生活が楽しいので、そこまでは困ってないんですよね。楽園は娯楽がなくても自然豊かで、森の中で遊んだり、湖で泳いだりといろいろできますので」
水竜族の族長であるノアさんは、ゼラさんが尋ねるとそう言い、他の族長たちも似たようなことを言っていた。
確かに楽園内はどの国よりも自然がたくさんあるから、もともとずっとここで過ごしてきた皆は、娯楽を作らなくても楽しめるんだろうな……
側で見ていたシャファルが「なるほど。あって損はないけど、困ってはないといった感じだな」と言う。
「そうですね。シャファル様が言う通り、困ってはいませんがあれば私どもも楽しみが増えるのでいいことだとは思います」と、ノアさん。
「分かりました。楽園内の娯楽についても、今回は決めきれませんが今後の話し合いで決めていければいいなと思います」
楽園の娯楽不足については今後の議題として残し、今回の会議は終わることにした。
会議が終わり族長たちが帰った後、話し合いをしていた部屋の中にはゼラさん、シャファル、そして俺だけが残った。
「旅から帰ってきてすぐに面倒事に首を突っ込むなんて、本当にラルクはお人好しだな」と、シャファル。
「それがラルク君のいいところでもあるでしょ?」と、ゼラさん。
「それはそうだが、休むとか言ってたのに頼まれたことのために走りまわって……ちゃんと休める時は休んだ方が身のためだぞ?」
「分かってるよ。前に頑張りすぎて倒れてからは、ちゃんと休むようにしてるから」
シャファルの言葉に対して俺はそう言い、これからの動きについて二人と話し合うことにした。
「これからのことだけど……ラルク君。次はいつ話し合いに行くのかしら?」
「そうですね。アルスさんのところに行く予定はまだ立ててませんが、とりあえずラックさんのところには明日行って、料理について話そうと思います」
「……それなら、先に楽園の料理を見ておくのはどうかしら? ラルク君って、楽園には来てるけど、料理は家でしか食べてなかったでしょ?」
「あ~、確かにそうですね。他国の料理は今すぐ食べるのは難しいですけど、楽園の料理は今から食べれますから、体験しておくのはいいですね」
ゼラさんの提案に俺はそう言って、それから俺たちは会議室を出て、楽園の中央都市で一番人気らしい食堂へと向かった。
その食堂には個室が用意されていて、俺たちが行くと店員は個室へと案内してくれた。
「一応、たくさん注文する予定だけど、ゼラさんとシャファルはたくさん食べれそう?」
「まだ食事前だから食べられるわよ」
「我もまだ食事は済ませてなかったからたくさん食べられるぞ」
そう二人から聞いた俺は、ひと通り人気がありそうな料理を注文していく。
それから少しして、注文した料理が運ばれてきた。
この世界、楽園は、外の世界よりも料理の素材をたくさん扱っている。
それは俺が前世で食べていた料理を再現していきたいという思いで作り続けたから。今では楽園内で普通に取り引きされるようになった、前世の調味料もある。
しかし作り方は俺自身もハッキリとは覚えておらず、前世の料理の再現についてはまだ進めていなかった……はずだ。
「調味料は開発してたけど、料理はまだ普及してなかったはずなのに、かなり前世の味が再現されてるんだけど……」
目の前にある料理の数々を見て驚き、俺はそう口にした。
メニューには確かに〝ラーメン〟や〝カレーライス〟と書かれていて、さっきは本当にあるのか? と疑いつつ注文したんだよな。
「ゼラさん、もしかしてこの料理のこと知ってましたか?」
「ええ、知っていたわよ。だってこのお店、私が実験的に作った場所だもの」
「えっ、そうなんですか!?」
この店をゼラさんが建てたという事実にさらに俺は驚いた。
そういえばこの店、前に来た時はなかったよな?
「ゼラさん、どうやってこの料理を作ったんですか? 調味料の数的に、試行錯誤すればたどり着けるかもしれませんが……それにしても完成度がかなり高いんですけど」
「前にラルク君にどういった料理を再現したいのか聞いたことがあったでしょ? それで私なりに考えて、いつかラルク君を驚かせようと思って準備してたのよ」
「いや、聞いただけでここまで再現できるのはすごいですよ。見た目はほぼ完全再現ですよ?」
「ふふっ、それはよかったわ。でも、問題は味よね? 味に関してはやっぱり話を聞くだけじゃ再現は難しいから、そこはラルク君に判断してもらうことになるわ」
そうゼラさんから言われた俺は、確かにと思い、「いただきます」と言って早速食べ始めた。
まず最初に口にしたのは、匂いは完全再現されていて、具材に関してもほぼ一緒の〝豚骨ラーメン〟だ。
豚骨スープはボアによって代用していて、メンマや海苔といったものはこの世界で作られているみたいで、前世の味がほぼ完全に再現されていた。
「ッ!」
意を決して麺を啜った俺は、口の中に広がる懐かしい味に涙を流した。
「ゼラさん、この世界でまたこうしてラーメンを食べられるなんて……本当にありがとうございます!」
「ラ、ラルク君!? そんな頭を下げながら言わなくていいわよ!」
俺が立ち上がり、ゼラさんに誠心誠意感謝を伝えると、そんな俺の姿を見たゼラさんは慌てていた。
「ゼラさん、これはこの程度で感謝を表しきれるほどのものじゃないです! 米料理は基本的に米を主軸にして作られているので、米を見つけてしまえば比較的簡単に作ることができました。ですが、ラーメンは違います。俺も挑戦したことはありますが、こんなに完璧に再現できたことはありません」
「ラルクがここまで言うって、本当にすごいものを作ったみたいだな。我は食べたことがないし、一口食べてもいいか?」
シャファルがそう言ったので、俺は「一口じゃ我慢できないと思うぞ」と言い、もう一つ注文して持ってきてもらった。
そしてシャファル用のラーメンが届き、本人に渡すと、シャファルは一口だけ口の中に入れる。その途端、目をグワッと見開き、ラーメンを豪快に食べ始めた。
「……我はこんな美味しいものがあるのに、まだ食べてなかったのか。ゼラ、なんでこの店のことを教えてくれなかったんだ?」
「シャファルには前に言ったわよ? でもあなた、ちょうど温泉街でくつろいでる時で一切興味を持たなかったのよ」
「その時の我をぶん殴りたいな……」
その後、俺は他の料理も食べ始めたが、どれもほぼ再現ができていて、一品食べるごとにゼラさんに頭を下げ続けることになった。
「ゼラさん、こんなすごい料理があるんでしたら会議で言ってくださいよ。あんなに長く会議をしなくても、この料理があればレコンメティスの観光名所なんて作り放題ですよ」
「まあ、最初はそう思ったわよ。でも、話を聞く限りだと、果たしてそれでこのレコンメティスのよさを伝えることができるのかしらって思ったのよね……確かに他国の料理をたくさん集めること自体は話題性があるし、観光の目玉として面白いと思うけど、それでレコンメティス自体のよさっていうか、独自性は伝わるのかしらって」
ゼラさんのその言葉を聞いた俺は、舞い上がっていた気持ちが急降下し、一気に冷静になった。
確かに、言われてみればレコンメティス自体のよさはあまり感じられない気がする。
もしこれで人を集められたとしても、他の街や国でも同じようなことをされたら、あまり意味がない。
「なるほど、それでゼラは料理を観光の目玉にしようとしていたラルクの話にあまり乗り気ではなかったのか?」
「ええ、どうしようかしらって悩んでて、三人だけになった時に話そうと思ってたのよ」
「……ゼラさん。その、ありがとうございます。確かに言われてみれば、料理を集めて観光名所を作るのはいいですけど、それだけだとレコンメティスのよさは伝わりませんね」
ゼラさんから気付かされた俺はそうお礼を言い、レコンメティスのよさが伝わり、なおかつ観光の目玉として使えそうなものはないか、改めて考え始めた。
食後、俺はまだ考えがまとまらないため、そのまま少しだけ中央都市の通りを歩くことにした。
「あれ、ラルク君? 久しぶりだね」
そう言ってきたのは、ドルスリー商会のラックさんの息子であり、俺の同級生のレックだった。
「レック? あれ、今は中央都市にいるのか?」
「うん。行商人じゃなくてちゃんと店を持つことにして、最近は中央都市で活動してるんだ」
楽園で行商人として力をつけていると思っていたレックが、いつの間にか行商人から店舗持ちの商人となっていたことに俺は驚き「おめでとう!」とお祝いの言葉を伝えた。
「いつから店舗を持つようになった感じ?」
「そうはいっても、まだ二週間も経ってないよ。最近だからね。僕のお店、近いから寄ってく?」
「いいのか? レックがいいなら見に行きたいな」
レックからの誘いに俺は乗り、彼の店へと向かった。
中央都市は、楽園の中でもかなり栄えてる方の街。そのため土地の値段も最初の頃に比べたら高くなってきている。
そんな街の中心部に近いエリアにレックの店はあった。
建物には看板があり〝ドスリー商会〟という名前が書かれていた。
「ドスリー商会って、レックの商会名か?」
「うん。本当はドルスリー商会にするか迷ったんだけど、楽園と取り引きしてるなら少し変えた方がいいなって思って、一文字だけ消して作ったんだ」
「……レックから、なんだか俺と同類の匂いがするな」
ネーミングセンスが壊滅的だなと思いつつ、レックに建物の中を案内してもらった。
この建物は四階建てで一階は主に受付と仕事場スペース、二階は在庫置き場、三階に商会長兼レックの私室があり、四階は現在は空き部屋となっているみたいだ。
「かなり大きく作ったみたいだね」
「うん。今後商会が大きくなった時のことも考えて、建て替えを何度もするのはと思ってさ。商会本部として見栄えも重視して、最初から大きくしたんだ」
「すごいな、流石ドルスリー商会の後継者だな」
そう俺が褒めると、レックは嬉しそうな顔をして「まだまだ勉強中だけどね」と言った。
「さっき話しかけた時、ラルク君は悩んでそうだったけど……何か悩みでもあるの?」
「……やっぱり、気付いてて声をかけたのか」
「うん。友達が困ってそうだったからね。僕が力になれるのなら手を貸してあげたいなって思って」
そんなレックの言葉に俺は「ありがとう」と言い、今悩んでることをレックに伝えた。
「ラルク君らしいね。頼み事のためにそこまで悩むなんて」
「そういう性格なんだろうな。シャファルからもお人好しって言われたばっかりだよ」
「まあ、そこがラルク君のいいところでもあるけどね」
レックは笑いながらそう言うと、少しだけ考え込み「レコンメティスのよさか~」と口にした。
「ずっと王都で暮らしてたけど……正直な話、レコンメティスのよさって人がたくさん集まって人との繋がりが生まれるってところが一番大きいけど、それ以外の特徴は? って聞かれたら、言葉に詰まるね。冒険者は多くて有名な人もたくさんいるけど、土地については特に特色がないのがレコンメティスだよね」
「肯定するのもあれだけど、そうなんだよね……それで出た案が料理を集めるとか、大会を開催するとかだけど、それだと他の土地でもやろうと思えばできることだから、どうすればレコンメティスの独自性が出るのかなって……」
「それで悩んでたんだね。父さんもたぶん、同じような感じで悩んでそうだね」
レックは「難しい問題だね」と言って一緒に考えてくれた。
「まあ、あれだよね。ないなら新しい観光資源を作るって発想もいいとは思うよ。楽園の技術力を使わないって感じじゃなさそうだから、楽しめそうな施設を王都に作るのはどうかな?」
「……確かに、その発想はなかったな」
「ほら、他の国でも、誰かが作ったものが観光名所となってることもあるんだから、新しく作ったっていいと思うよ」
レックのその提案に、今まで何も思い浮かばなかった俺の脳内に、突然いろんなアイディアが浮かんできた。
観光の名所といえば昔からあるものをイメージしてたけど、イベントを開催するんじゃなく、名所を新しく作ってしまうという考え方もありだよな!
「レックと話せて本当によかったよ。また何か相談があれば来てもいいか?」
「うん。ラルク君ならいつでも歓迎だよ。その代わり、僕が悩んでる時は助けてね」
「ああ、それはお互い様だからな。本当にいい友達を持てて最高だよ」
そう言って俺はレックと握手を交わし、ドスリー商会を出た。
3 施設作り
レックと相談したことで悩みが吹き飛んだ俺は、次の日にはラックさんのところへと来ていた。
「なるほど、新しく施設を作るのか……確かにアルス王から頼まれた時、イベント開催のアイディアは出たけど、新たに作るという発想はなかったね。完全に抜けてたよ」
「俺もそうでした。ずっと悩んでてどうしようって考えていた時、レックが現れて悩みを聞いてくれたんです」
「レックが?」
ラックさんが、レックの名前が出たことに驚いた様子でそう聞き返してきたので、昨日の出来事について話をした。
「レックは楽園で商会を設立していたのか……子供の成長は早いと言うけど、姿を見ないうちにものすごい勢いで成長してるみたいだな」
「顔つきも大分変わってましたね。なんとなく商人の顔つきになってて、どんどんラックさんに似てきていました」
「はは、それは嬉しいな。暇な時は顔を見に行きたいから、その時はラルク君、案内を頼めるかな?」
「はい。もちろんです」
嬉しそうなラックさんに俺はそう返し、それからどんな施設を作るのかについて話し合いを始めた。
「いろんな人が一緒に遊べる場所を作るのはどうですか?」と、まず提案してみた。
最初、俺の持つ知識の中でスポーツとか流行らせてもいいかもと考えたが、ルールを浸透させるには、かなり時間がかかるだろうな……
そう思い、別のアイディアをラックさんに話す。
「走りまわったり、障害物を置いて逃げまわったりできるような感じで、遊び感覚で運動ができる施設を作るなんてどうですか?」
「なるほど、体格や能力の差は出るけどそこは遊びだから、自分たちで調整してもらえれば十分人気は出そうだね」
「はい。後は施設内では魔法スキルを使用禁止にして、破った場合は罰金を科し、最悪の場合は出禁にするといったルールを決めていくのもいいですね」
その後、施設の場所や施設のルールを話し合い、その日は一日ドルスリー商会で過ごした。
その翌日、俺とラックさんは昨日のうちに王城に連絡を入れて、朝から王城へと向かっていた。
「この間はラックだけだったけど、もしかしてラルク君も寝不足?」
「ちょっと考えが止まらなくて、まとめてたら睡眠時間がなくなってました。今日の話し合いが終わったら寝る予定なので大丈夫です」
前回の話し合いの場ではラックさんだけが寝不足の状態だったが、今回は俺も寝不足状態で登城したので、アルスさんは若干困惑していた。
それから俺とラックさんは部屋のソファに座り、一晩中まとめていた資料を机に広げた。
「前回の話し合いでは料理イベントを中心に考えていたんですが、それでレコンメティス独自のよさが伝わるのか? という疑問にぶつかってしまいました」
「まあ、確かにそれはそうだね。料理を集めることもいいけど、独自性はないし、他の国が真似る可能性があるよね」
「はい。それについて悩んでいた際、楽園でレックが解決策を教えてくれたんです」
そう俺は言いながら資料の一つを取り、アルスさんに渡して中身を見てもらった。
「これは……新しい施設を作るのかい?」
「はい。レックと話し合って新しく作るのもありだと思い、この施設を考えついたんです」
「なるほどね。確かにこれは面白そうだね」
今回提案したのは、総合遊戯施設。
人がたくさん集まって、楽しめる施設を作ろうと考えたんだ。
「この施設、できたらすごく楽しそうだね」
「はい。第一に楽しんでもらうことを考え、その次に利便性についても考えていきました」
その後、施設の内装についてや、他の階層にはシャワールームを完備することなどを話した。
アルスさんは話を聞き終えると、笑みを浮かべ「これが実現できたら今レコンメティスに来てくれてる観光客たちも喜んでくれるだろうね」と言った。
「この施設に加えて、ラルク君の店も改築しますから、さらに観光客は増えるでしょうね。今のうちに宿関連の者たちには話を通しておいた方がいいと思いますので、後で私の信頼できる者たちにはこの話をしてもよろしいでしょうか?」と、ラックさん。
「うん。今回の計画はかなり大がかりになりそうだし、商人たちにも協力してもらった方がいいだろうからそっちは任せるよ。僕の方でも準備することがあるし、また近いうちに話し合おうか」
アルスさんからそう言われて本日の話し合いは終了、前回同様に馬車で家まで送ってもらった。
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