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8巻

8-1

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 俺、ラルクがこの世界に転生してからもう五年が経った。
 元々、俺は四宮楽しのみやらくという日本人の高校生で、不幸なことに交通事故で命を落としてしまった。
 しかし神様のサマディさんことサマディエラさんによると、どうやら俺の死は神界しんかい側の手違いだったらしく、おびとして三つの便利な初期スキルを授けて異世界に転生させてくれたというわけだ。
 転生後は縁あって義父ぎふとなったグルドさんのもとで忙しい学生生活と冒険者生活を両立してきたのだが、先日めでたく学園を卒業して時間に余裕ができたので、冒険者パーティのメンバーであるレティシアさん、アスラ、それとリンとリアを誘って世界中を旅して回ってみることに。ちなみに俺はリンとリアの二人と結婚していたりするんだけど……まあ、これは余談かな。
 旅をして最初に訪れたのは森林国フォレトス。その名の通り、緑豊かな国だった。国で火事が発生するというトラブルもあったが、なんとか解決することができてよかったよ。
 そして次の目的地なのだが、地図によると森林国の奥地には温泉街という街があるらしい。仲間達と相談して俺達はその温泉街に行くことに決めたのだった。
 温泉かぁ……お風呂は好きだから、今から到着が楽しみだ。



 1 旅の同行者


 温泉街に行くと決めた俺達は、森林国の名物である土鍋どなべ料理を堪能たんのうしてから次の日に街を出発した。
 事前の調べで温泉街は森林国の奥地にあると分かっている。ものすごく景色のいい観光地として世界的にも有名な場所らしい。
 だが、その温泉街への道のりはかなりけわしい。
 俺達は現在、従魔じゅうまである魔馬まばのオウバとアルバがく馬車に乗って進んでいたが、周囲に他の人や馬車の姿はなかった。

「有名っていうわりに、温泉街へ行く人は少ないみたいだね」

 リンがそう言った。
 俺はリンに対して言葉を返す。

「先日山火事があったばかりだからね。旅行する人も今は少ないんじゃないかな」

 すると、その会話を聞いていたアスラが話に入ってきた。

「それに、この険しい道も関係しているらしいよ」

 確かにアスラの言う通り、温泉街への道は細かい坂が続いていたり、道自体がゴツゴツしていたりする。オウバはものともしていないが、普通の人や馬が歩くのは大変そうだ。
 アスラはさらに言葉を続ける。

「聞いた話だと、森林国の技術力ではこの道を整えるのは厳しいみたいで、手を焼いてるって話だね。まあ、完璧に対応しろっていうのも難しいよね」

 なるほどな……そういう事情があって気軽には行けない場所になっているのか。せっかく温泉が湧いているのに少しもったいないな……
 その後も話しながら馬車に乗っていると、窓の外を見ていたリンが「あれ?」と声を上げた。

「フェリルさん?」

 その言葉を聞き、俺も窓の外を見る。
 すると、森の奥に先日知り合った狼の神様、フェンリルのフェリルさんがいるのが見えた。
 俺達は馬車を止めてフェリルさんに近付く。

「フェリルさん、どうしたんですか?」

 俺が尋ねると、フェリルさんが答える。

「うむ、街から離れるお主らの魔力を感じてな、どこに行くのか尋ねようと近付いたのだ」
「そうだったんですね」
「ところでラルク、お主はコロのあるじなのだから我に敬語を使わなくていいぞ」
「え?」

 フェリルさんの言葉に俺は面食らってしまう。
 コロというのは俺の従魔で、フェリルさんと同じく神獣しんじゅうのフェンリルという種族だ。この前フェリルさんに会った際、実はフェリルさんがコロの友達だったと聞いたときは驚いたっけな。コロは転生した影響で記憶を失っている様子だったから、そのことを覚えてないみたいだったけど。最終的には思い出せたのでよかったな。
 それはともかく、俺は首を横に振りながらフェリルさんの提案を断る。

「いやいや、ため口なんてできないですよ」
「まあそう言うな。我はもっと気軽に接してほしいのだ」

 なんか譲る気はないみたいだな……仕方ない、そこまで気持ちが固いなら普通に話すか。

「……分かった。それじゃあ改めてよろしく、フェリル」
「うむ。それで、どこに行こうとしていたのだ?」
「俺達は今から森林国の奥地にある温泉街に行くところだよ」
「ふむ、山奥にあるあの街か……」

 フェリルは何やら興味があるみたいな顔つきでそう呟いた。よく見てみれば軽く尻尾を振っている。
 もしかして、フェリルも温泉街に行ってみたいのかな?

「もしよかったら、一緒に来る?」
「――ッ! いいのか?」
「うん。そのほうがコロも喜ぶと思うし、どうかな?」

 そう言いながら俺はコロを呼び出す。そして事情を説明するとコロは「フェリルも一緒に旅しようよ~」と呼びかけた。
 コロの呼びかけに対してフェリルは嬉しそうに尻尾を振る。

「コロもそう言ってくれるのであれば、付いていこう」

 こうして旅の仲間に、一時的にフェリルが加わった。
 フェリルの体は普通の狼よりもかなり大きいため馬車には乗れないな……と思ったのだが、その心配は必要なかった。フェリルの全身が光に包まれたかと思ったら、たちまち人間の姿に変身したのである。

「サラッとやってたけど、フェリルさんは人化できるんですね」

 アスラが人になったフェリルにそう言った。

「んっ? うむ、我は人間と生活するときもあったからな」

 フェリルがさらりと答えた。

「え? そうなんですか?」
「実を言うと、獣の姿よりもこちらの姿のほうが生活は楽なのだ。ところで、君もラルクの友人なら敬語はいらぬぞ」
「分かりまし――分かった。僕はアスラ。よろしく、フェリル」

 アスラとフェリルはがっちりと握手した。それからフェリルはリン、リア、レティシアさんとも握手する。仲良くなれそうでよかったな。
 それにしても……フェリルはなかなかイケメンだ。
 人化したフェリルは、銀色の長髪に青い瞳の男性という外見だった。
 狼のフェリルの毛並みは銀色で、伝説の銀竜であり俺の従魔でもあるシャファルと同じような色をしていた。口調も似ているし、仮に人間に変身したらシャファルみたいになるんじゃないかと思っていたが、こうして見ると結構真逆のタイプだな。
 シャファルはどちらかと言うと体格もよく、オラッとした感じだが、フェリルは知的な好青年って感じだ。

「どうしたラルク? 我の顔に何かついておるのか?」
「ああ、いやフェリルの人化を見て知り合いのことを思い出したんだ」
「ふむ、人化を見て、ということはその者も人化の使い手のようじゃな?」
「うん。シャファルっていう竜なんだけど」
銀竜ぎんりゅうの異名を持つ伝説の竜か、聞いたことのある名だな。ただ我は基本的にこの大陸を出ないから会ったことはないが」

 フェリルはシャファルのことを知っていたようだ。

「そうなんだ。それなら今から会う?」
「んっ? 今とは……ここに連れてきておるのか? だが、そんな者の気配はしないが?」
「ここにはいないけど、すぐに呼べるんだよね」

 俺は『念話ねんわ』のスキルを使い、シャファルに連絡を入れる。
 シャファルは現在、俺が管理する別世界の楽園「ファンルード」で過ごしている。俺は『念話』でシャファルを呼び出してそこから出てきてもらった。
 シャファルは俺が用意した転移門から、人化した状態で現れた。

「どうしたのじゃ?」

 なんの用で呼び出されたのかと不思議そうな顔のシャファルに、俺はフェリルのことを伝える。

「ほ~、お主が森林国のフェンリル、銀狼ぎんろうのフェリルか。我の名はシャファル。銀竜のシャファルじゃ」
「お主が銀竜か……人の姿をしておるが、凄まじい魔力の持ち主だな」
「それはこちらの台詞でもある。お主ほどの魔力の持ち主はこの世界ではそうおらんじゃろう。お主のような者と会えて、我は嬉しいぞ」

 シャファルとフェリルは気が合ったのか、出会って早々に笑みを浮かべて握手を交わした。
 俺はその握手を見てホッと胸を撫で下ろす。正直なところ、シャファルは意外と好戦的な性格だから戦いが始まったりするんじゃないかって思っていたんだよね。

「フェリルのことはうわさには聞いておったが、機会がこれまでなかったから会わずに何百年と過ごしてきた。もっと早くに出会っていればよかったな」
「我もそう思うぞ、シャファル。こんなにも我と気が合う者は、コロ以外では初めてだ。短い間ではあるが、よろしく頼むぞ」

 すっかり仲良くなったシャファルとフェリルは、その後も楽しそうに会話をしていた。


 フェリルとシャファルを新たに加えて、俺達は馬車で温泉街への道を進む。
 やがて昼食の時間となり、俺達は一旦馬車を止めてお昼ごはんを食べることにした。
 シャファル達はさっさと食事を済ませると「体を動かしてくる」と言い、コロを連れて俺達の元から離れていった。

「シャファルとフェリルがあそこまで仲良くなるとは驚いたな……」

 俺がそう呟くと、アスラが尋ねてくる。

「そうなの? わりとみんなと仲がいいような気がするけど」
「シャファルってああ見えて偉い竜だから、他の種族と接するときも部下とか後輩の面倒を見る感じなんだよね。コロとも仲はいいんだけど、シャファルにとってコロはどちらかと言うと弟子みたいな感覚のようだし」
「ふぅん。じゃあ、ゼラさんは? ゼラさんもシャファル様と同じくらい偉いよね?」

 アスラは悪魔のゼラさんの名前を出してさらに聞いてくる。

「ゼラさんか……確かにシャファルとは対等ではあるけど、あの二人は喧嘩けんか仲間っていうほうが正しいかな?」
「あー……なるほど」

 アスラも思い当たるところがあるようで、納得したように頷いた。

「まあ、そんなわけで同じような立場の友達ができてシャファルもテンションが上がっているんだと思うよ」

 シャファルはこれまで多くの眷属けんぞくに囲まれて楽しそうに暮らしていたが、やっぱり心を許せる友達が欲しかったようだ。
 すると、レティシアさんが話しかけてくる。

「そういえばラルク君、『銀竜物語』ってあるじゃない?」
「あ~、シャファルの昔の活躍をまとめたっていうおとぎ話の本ですよね。それがどうしたんですか?」
「私、あの本がすごく好きだから今度シャファルさんに銀竜物語のことについて色々聞いてみたいんだよね」
「いいんじゃないですか? シャファルも昔の自慢話ができて喜ぶと思いますし」

 そう言ったら、今度はリアが尋ねてきた。

「ラルク君は昔のこと、シャファルさんから聞いたことないの?」
「ん~、詳しくは聞いてないな。銀竜物語は俺も読んだことがあるけど、話の中のシャファルが美化されすぎて途中で読むのをやめたんだよね……」
「あ~、確かにシャファルさん本人を知ってると、あの本の内容はちょっと美化されて気がするかも……」

 物語だから仕方ないと言えば仕方ないのだが、シャファルの本当の姿を知ってる俺からすると読むのが難しい内容だった。
 本の中のシャファルは常に賢竜けんりゅうとして称えられていて、違和感がすごかったから結局読むのを断念しちゃったんだよな。

「でも物語としては普通に面白いと思うから、いつか読んでみるといいよ」
「まあ、確かに。今度読んでおくよ。ちゃんと本は『便利ボックス』の中にあるからね」

 リアに対し、俺はそう返答したのだった。


 食後の休憩をしていると、出掛けていたシャファル達が戻ってきた。近くの森を軽く散策していたらしい。
 再び馬車に乗り込み、俺達は移動を再開した。
 移動中、俺はフェリルにふと気になったことを聞いてみる。

「そういえば、今更だけどフェリルってあの森から出てきてもよかったの?」
「んっ? 確かにあの森は我の住処であり、守る場所ではあるが決して動いてならないというわけではない。あの場所には我の魔力を込めた石碑せきひを置いてあるから、どこにいても一瞬であの場に戻ることができるのだ」
「へ~、転移みたいなものなのかな?」
「そのようなものだ。ただ、戻るだけであるから行き来をすることはできない。その点、シャファルは転移を使えるから、我としてはうらやましい力だ」

 フェリルが言うと、シャファルは嬉しそうに笑みを浮かべた。
 続いてレティシアさんが尋ねる。

「あの、フェリルさん――フェリルってどうしてあの森を守ってるの?」
「守る理由か……」

 フェリルは自分のそばで寝そべるコロを見ながら話し始めた。

「理由という理由はないが、一つ言えるのはあそこが我にとって思い出の土地であり、大事な場所だということだ。大昔、家族と共に過ごした場所、友と長い時を一緒に過ごした場所、そして多くの人々を見守ってきた場所でもある。長い間そこに住んでいたことで愛着が湧き、たまに訪れる危険な魔物を追い払っているうちに、人々から守り神と呼ばれるようになったのだ」
「へぇ~。獣神様からの頼み、とかではないんだね」
「神は関係ない。我が考え、我がやりたいからあの地を守っておる」

 すると、コロがむくりと起き上がって「フェリルに任せて正解だったね~」と言った。

「任せた? コロ、どういうこと?」

 そう尋ねた俺に対し、コロが説明し始める。

「さっき一緒に散歩していたときに思い出したんだけど、元は僕とフェリルであの土地を守ってたんだ。でも、そのうち僕は他の土地にも行ってみたくなって。そのことをフェリルに話したら、ならば行ってみるといいって言ってくれて、僕はあの土地を離れることにしたの」
「そうだったのか。フェリルは一人になったとき寂しくなかったの?」
「もちろん寂しいとは感じたが、当時のコロが悩みに悩んだ上での発言だったからな。それに我らは悠久ゆうきゅうの時を生きるからいつの日かまた会えると思って見送ったのだ」

 フェリルはコロを優しく撫でながらそう言った。
 友達を信じて送り出せるフェリルはかっこいいな。
 そう思ったが、気恥ずかしいので口には出さなかった。


 日が暮れてきた。夜に進むのは危険だから、今日はここで休むことにする。
 本来なら野営の準備をするのだが、今日はフェリルに俺が管理する世界を見せたかったため、ファンルードの中に入って休息することにした。
 馬車ごと転移門を潜り、ファンルードに移動する俺達。

「ふむ、ここがラルクの力で入れる異界か……」

 初めてファンルードを訪れたフェリルは、物珍しそうに周りを見ていた。
 そんなフェリルにシャファルが「軽く近くを案内してやる」と言う。そして竜の姿となり、フェリルとコロを連れて飛び立っていった。

「よかったのラルク君? 集合時間とか決めずに行っちゃったけど」

 あっと言う間に飛び立ち、すっかり小さくなったシャファルの影を指差しながらアスラが尋ねた。

「まあ、シャファルも分かってると思うからどんなに遅くても明日になれば戻ってくるさ。いつまで経っても集合しなかったら、ゼラさんを呼んで迎えに行くよ」

 俺がそう言うと、アスラは「それなら安心だね」と微笑ほほえんだ。
 それから俺達はファンルード内にある温泉施設へ向かう。ちなみに、オウバと馬車は行く途中でゼラさんがふらりと現れて引き取っていった。「ちょっと確かめたいことがある」って去り際に言っていたけど……なんだろう?
 温泉施設に到着後、男女で分かれてお風呂に入り、汗と汚れを落とす。そのあとは併設されている食堂に移動した。
 女性陣はすでに食堂に集まっており、三人は楽しそうに話していた。
 俺とアスラが合流するとタイミングを計ったかのように食事が運ばれてきて、五人で夕食を食べ始める。

「それにしても、ラルク君といるといろんな種族の人と会えるよね。私、王族だから今までたくさんの人と会ってきたけど、ラルク君と過ごし始めるまではこんなにたくさんの種族がいるなんて知らなかったよ」

 食事中、リアがそう言った。
 その言葉にアスラも同意する。

「それは僕もだね。そもそも、ラルク君と友達にならなかったら悪魔や竜族と知り合うことなんてなかったと思う」

 確かにリアとアスラは王族だから社交界に出席することは多かったと思うけど、普通そんなところに悪魔や竜がいるわけないもんな。

「まあ、俺もゼラさんと会ったのは本当に偶然だしね」

 俺が言うと、リアが尋ねてくる。

「確かラルク君がゼラさんと初めて会ったのは迷宮の奥なんだっけ?」
「うん。ゼラさんはそのとき転移事故を起こして倒れてたんだよ。あのときは驚いたな……」

 シャファルも最初は悪魔のゼラさんをものすごく警戒していたっけ。今でこそ二人は仲良しになったけどね。

「ゼラさんって、あんなに優しいのにすごい悪魔なんだよね?」

 今度はリンがそう聞いてきた。

「そうだよ。悪魔の中でもトップクラスの実力の上に、知識も豊富だからね。あとはゼラさんだけじゃなくて、ゼラさんと同世代のファルドさんとかも高位の悪魔なんだ。彼らも今は楽園の一員だからすごいよね」

 ファルドさんは先日仲間になってくれた悪魔で、義父さんが病にかかったときは薬を提供してもらったことで治療できた。
 ゼラさんは楽園の管理をしてくれているし、彼女達が仲間になってくれたおかげで助かった部分はこれまでたくさんある。
 この世界では、悪魔は邪悪な存在だというイメージがあるけど、俺はそう思わない。もちろん中には本当に悪い悪魔もいるのだろうが、まだそういう存在とは会ったことがないしね。


 夕食を食べ終え、俺達は明日の待ち合わせ場所を決めてその場で解散した。
 俺はリアとリンと一緒に自宅の寝室に向かう。
 寝室に到着すると、リアが話しかけてきた。

「ラルク君、明日からまた旅に戻るんだよね?」
「ああいや、そのつもりでいたんだけど、実は明日馬車を点検しないといけないみたいなんだよね」
「え? そうなの?」

 俺の言葉にリンが驚いた。

「うん、ゼラさんから連絡があってさ」

 実はさっきゼラさんから『念話』で言われて、馬車を点検しなきゃいけないって知ったんだよな。
 ゼラさんがさっき馬車を引き取った際に状態を見たところ、どうやら一部の機構が壊れかけているらしくて、その修理点検が数時間かかりそうとのこと。ゼラさんが言っていた「気になること」とは、このことだったようだ。
 でもなんで馬車が壊れかけているのが分かったんだろう……?
 そう疑問に思ってゼラさんに尋ねたら『なんとなくよ』と言われた。相変わらず勘がえているというか、不思議な力を持つお姉さんだ。

「ずっと旅をしていても疲れが溜まるし、ファンルードで少し休もう」

 俺が言うと、リンは笑顔で頷く。

「分かった。じゃあ、明日はレティシアさんを誘ってお買い物に行こうかな。リアちゃんも来るでしょ?」
「うん、もちろん!」

 リアはニコニコしながら元気にうなずいた。
 レティシアさんとアスラには明日の朝食の時間にでも伝えるか。
 こうして明日は一日ファンルードで過ごすことになった。
 それから夜更かしをしないように、俺達は早めに寝ることにした。

     
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