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第十章
第454話 【後始末・2】
しおりを挟む「いや~、これは凄いスキルを貰ったな……」
下の様子を見ながら、俺はそう呟いた。
魔法で出した〖守護騎士〗達は、一切手を抜かず戦い続けている。
体力に関しても魔力依存で、俺がずっと魔力を渡しているので一体も倒れてすらいない。
ダメージを負った騎士は瞬時に破壊された部分が回復し、攻撃の手を止めずに魔物を倒し続けている。
「〖守護騎士〗って名前だったから、守りの強さが強いのかと思ったけど、逆だったとはな……いや、逆とはいえないか」
召喚した〖守護騎士〗達の中に、街の外に設置した〖聖域〗を守りながら戦っている者達も居た。
鉄の生物に乗り、鉄の鎧を着た騎士達が戦う姿を見ている住人達は、英雄を見るかのように騎士達を見ていた。
住人の方は大丈夫だと思い、他の騎士達の様子も見た。
しかし、既に魔物は殆ど倒し切っていて、増援に向かっている騎士達も居た。
「強さもあり、行動力あり、周りをみる目もある。このスキルが有れば、最強の軍隊を作れちゃうんじゃないか?」
そう思ったが、先程からの魔力の減少速度が異常なほど多い点を見て、常人にはこの使い方は無理だろうなと俺は思った。
一体作るのにも相当な魔力が必要なのに、魔力を供給しながら戦わせる何て普通の人には無理だろう。
魔力が最低でも、5万は必要だろうな。
その後、この街にやって来て30分ほどして、住人の保護から魔物の殲滅作業は終わった。
戦いが終わり降りて来た俺に向かって、この街の代表が俺に向かって頭を下げて来た。
「本当にありがとうございます!」
「いえいえ、助けられて良かったです。それじゃ、俺は次に行く場所がありますので」
「えっ――」
お礼を言う代表と、その後ろで涙を流しながら感謝をしてくる住人達に「また後で来ますね~」と言って、次の場所に向かった。
それから俺は、各地で魔物が暴れている所に転移魔法で向かい、それぞれの場所で作業を繰り返して行った。
慣れて行くと、遠く離れた場所でも〖守護騎士〗の作成と解除の感覚が分かって来た。
竜の討伐から約3時間程が経ち、無事にレコンメティスがある大陸で暴れている魔物達の殲滅が終わった。
幸いな事に、レコンメティスがある大陸以外の大陸では、魔物が暴れているという様子は無かったので、案外早くに終わる事が出来た。
その後、魔物の襲撃を受けた都市に再度向かった。
魔力が上がり、魔法の精度も上がった俺は、瓦礫を全て〖便利ボックス〗に入れて瞬時に〖土属性魔法〗で建物を建てて回った。
更に嬉しい事に、撤去作業中に沢山使っていたおかげで〖便利ボックス〗のレベルが一気にMAXになった。
特典の2つは、範囲拡大と〝魔力還元〟という言ってしまえば要らない物質を魔力に変えてしまう〝ゴミ箱〟を授かった。
まあ、こんな多くの瓦礫があっても困る上に何処に捨てればいいかも分からないので、正直〝ゴミ箱〟があるのは本当に助かった。
「と言う訳で、全部の都市の住人の怪我を治療して、瓦礫の撤去作業と仮の住居施設を建ててきました。後、楽園から食料も配っているので、早急に必要な物は無いかと思いますアルスさん」
「うん、ラルク君が凄いのは知ってたけど、ここまで凄いとは思わなかったよ」
アルスさんの所に報告に来た俺は、アルスさんにそう言われた。
それから、義父さん達やゼラさん達も無事に戻って来て、報告会が行われた。
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