初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花

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第十章

第449話 【守護神・1】

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 あれからどれ位、経ったのだろう。
 そう思いながら気を取り戻した俺は、周りを確認した。
 ……真っ白な空間だな、というか見覚えがある場所だ。

「ラルク君……」

「サマディさん……」

 周りを確認していると、よく知っている相手が居れの前に現れた。
 ああ、ここは神界なんだな、それで俺は、竜のブレスを受けて死んでしまったのか……

「サマディさん、俺は死んだんですか?」

「そうだね。……と言いたいけど、ラルク君。これを見て」

「ん?」

 死んだのか聞いた俺に対して、サマディさんは以前見たボードを出現させて、俺に見せて来た。
 そしてそこに映っていたのは、俺の体に回復魔法を掛けているフィアさんと、俺の体を守る様に戦っている義父さん達の姿が映っていた。

「ラルク君の今の状態は、仮死状態だよ。戻ろうと思えば、今すぐにあそこに戻る事も出来るよ」

「えっ!? それだったら、今すぐに――」

 戻りたいと言おうと瞬間、サマディさんから「今の状態じゃ、勝てないよ」と言われた。
 ッ! やっぱり、あの竜には勝てないのか……

「どうしたら……」

「ラルク君。今の私の言葉、ちゃんと聞いてた? 今のラルク君の状態じゃ、あの竜にはどうやっても勝てないよと言ったんだ」

「えっ? それって、俺に何かできる事があるんですか?」

 サマディさんの言葉に、俺はそう返した。
 するとサマディさんは、フフッと笑みを浮かべた。

「ラルク君、君には転生した直後に神の介入をされて、神を消して力を与えたのは覚えているかい?」

「は、はい。その神様の力で、俺に偽装系最上位スキルが出現して色々とありましたから」

「うっ、そこを突かないでよ。っと、話を戻すよ。それで、ラルク君。君には、既に神の力が入っていて、とある称号にある事が書かれて無かったかな?」

「ッ!」

 サマディさんの言葉を聞いた俺は、自分のステータスを確認した。
 そして俺は、称号の欄にある一つの称号に鑑定を掛けた。

〖神を宿し者〗
神の魂を宿した者に与えられる称号。能力の上昇値が高くなる他、望めば神へ至ることもできるようになる。

「もしかして、神になるんですか!?」

「正解! ただ神になったからと言って、強い力が手に入る訳じゃないだ。下界に住む者達から信仰され、信仰心の強さで神の力が増えるんだよ」

「それじゃ、俺が神になった所で何も変わらないじゃ……」

「ラルク君は、これまでの人生で色んな人を助けて来たでしょ? それにさ、自分の世界も持ってるんだ。ラルク君が神になった場合、相当強い力を手に入れる事が出来るんだよ」

 その言葉を聞いた俺は、それじゃ直ぐにでも神様になりたい! と思ったが、戦いの前の事を思い出した。
 そう言えば、神様は下界で思うように動けないんじゃ……

「あの……神様になった場合、下界で自由に行動出来ないって戦いの前にサマディさん言ってませんでしたか?」

「うん、でもラルク君の場合は、普通の神様と違って人間から神になる。言ってしまえば、半分人間で半分神って状態になるんだ。だから、神であり人間であるラルク君は、下界でも自由に生活が出来る。最強の種族って事になるんだよ。ラルク君、神になるかい?」

 そう言われた俺は、ボードに苦しんでる義父さん達の姿を見て「神になります!」とサマディさんに言った。
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