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第十章
第446話 【竜・1】
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それから1時間程して、俺は起きてテントから出た。
テントの外には、武装したままの義父さん達が居て「まだ竜は来てないぞ」と教えてくれた。
「……確かに、竜の魔力はまだ外に出てないですね。ゼラさん達は地下で戦っているのかな」
「そのようじゃな、ゼラ達の魔力も地下にあるみたいじゃな」
俺の言葉に、イデルさんと一緒に居たシャファルが俺の所に来てそう言った。
竜の魔力の近くには、ゼラさん達の魔力もある。
外だと竜は自由に行動が出来るが、地下であれば壁が邪魔で自由に攻撃は出来ないだろう。
「ゼラさん達もそう考えて、先に攻撃を仕掛けたのかな……」
そんな俺の考えを呟いた瞬間、地面が大きく揺れた。
その揺れに俺は驚いたが、義父さん達は驚いた様子は無かった。
そう言えば、寝ている時も少し体が揺さぶられる感覚がしてたけど、寝てる間も地震があったのかな?
「ねえ、シャファル今のって」
「ああ、ラルクは寝てたから知らなかったか。ゼラ達が行った後から、既に10回ほど揺れておる。相当、激しく戦っているようじゃ」
シャファルの言葉に、俺も地震の震源地から感じる魔力を観察した。
すると、そこからゼラさん達の魔力が激しい動きをしているのに気付いた。
「……」
「ラルク、今は待つんじゃよ。我だって、我慢しておるんじゃ」
「そうだよね。シャファルだって、我慢して待ってるんだから俺が動いちゃ駄目だね」
シャファルの言葉にそう言葉を返し、その場に座った。
そして、俺はよりゼラさん達の魔力を観察するのに集中した。
激しい動きに動揺したが、従魔として契約しているゼラさん達の生命力を見ると、疲労こそしてるが無事だと気付いた。
しかし、その状態がいつまで続くか……
「ラルク、そう暗い顔をするんじゃない。ゼラ達の実力は、お主がしっておるじゃろ?」
「シャファル……そうだよね。ゼラさん達の事を俺が信じなきゃ駄目だね」
それから俺は、ゼラさん達の動きを観察しながら、その時が来るのを待った。
そして、起きてから更に1時間が経過した頃、ウェルスさんの生命力が一気に減少した。
「ッ!」
「どうしたラルク?」
「ウェルスさんの生命力が一気に下がったんだ……」
魔力以外の生命力が見れる俺がそうシャファルに言うと、シャファルは「完全に目を覚まし始めたか」と言った。
「完全に目を覚ました? どういう事?」
「竜という生物は、睡眠を殆ど取らない生き物なんじゃよ。暇だったら寝るという感覚じゃ、じゃから封印されて暇じゃったからあの竜は寝て居った。しかし、封印が解かれ目が少し覚めた竜は、寝ぼけながら外に出ようとした」
「そこにゼラさん達が現れて、戦っている内に完全に目が覚めたって事?」
「うむ、そうじゃな。ラルク、皆の者に言って準備をさせておくんじゃ、ゼラ達が持つのもそう時間が無いじゃろう」
シャファルのその言葉を聞いた俺は、直ぐに義父さん達に報告した。
そして、それからすぐにゼラさん達全員の生命力が低下して、俺はこれは無理だと決めてゼラさん達を呼び戻した。
呼び戻したゼラさん達は、全員が血を流していた。
「ごめんねラルク君、ちょっと無理だったわ」
「今は良いです喋らないでください」
悔しそうに言ったゼラさんに俺はそう返して、回復魔法を掛けて俺の中にゼラさん達を入れた。
それからすぐに、地面から巨大な魔力が地表に出て来た。
そして俺達は、封印されていた竜と対面した。
テントの外には、武装したままの義父さん達が居て「まだ竜は来てないぞ」と教えてくれた。
「……確かに、竜の魔力はまだ外に出てないですね。ゼラさん達は地下で戦っているのかな」
「そのようじゃな、ゼラ達の魔力も地下にあるみたいじゃな」
俺の言葉に、イデルさんと一緒に居たシャファルが俺の所に来てそう言った。
竜の魔力の近くには、ゼラさん達の魔力もある。
外だと竜は自由に行動が出来るが、地下であれば壁が邪魔で自由に攻撃は出来ないだろう。
「ゼラさん達もそう考えて、先に攻撃を仕掛けたのかな……」
そんな俺の考えを呟いた瞬間、地面が大きく揺れた。
その揺れに俺は驚いたが、義父さん達は驚いた様子は無かった。
そう言えば、寝ている時も少し体が揺さぶられる感覚がしてたけど、寝てる間も地震があったのかな?
「ねえ、シャファル今のって」
「ああ、ラルクは寝てたから知らなかったか。ゼラ達が行った後から、既に10回ほど揺れておる。相当、激しく戦っているようじゃ」
シャファルの言葉に、俺も地震の震源地から感じる魔力を観察した。
すると、そこからゼラさん達の魔力が激しい動きをしているのに気付いた。
「……」
「ラルク、今は待つんじゃよ。我だって、我慢しておるんじゃ」
「そうだよね。シャファルだって、我慢して待ってるんだから俺が動いちゃ駄目だね」
シャファルの言葉にそう言葉を返し、その場に座った。
そして、俺はよりゼラさん達の魔力を観察するのに集中した。
激しい動きに動揺したが、従魔として契約しているゼラさん達の生命力を見ると、疲労こそしてるが無事だと気付いた。
しかし、その状態がいつまで続くか……
「ラルク、そう暗い顔をするんじゃない。ゼラ達の実力は、お主がしっておるじゃろ?」
「シャファル……そうだよね。ゼラさん達の事を俺が信じなきゃ駄目だね」
それから俺は、ゼラさん達の動きを観察しながら、その時が来るのを待った。
そして、起きてから更に1時間が経過した頃、ウェルスさんの生命力が一気に減少した。
「ッ!」
「どうしたラルク?」
「ウェルスさんの生命力が一気に下がったんだ……」
魔力以外の生命力が見れる俺がそうシャファルに言うと、シャファルは「完全に目を覚まし始めたか」と言った。
「完全に目を覚ました? どういう事?」
「竜という生物は、睡眠を殆ど取らない生き物なんじゃよ。暇だったら寝るという感覚じゃ、じゃから封印されて暇じゃったからあの竜は寝て居った。しかし、封印が解かれ目が少し覚めた竜は、寝ぼけながら外に出ようとした」
「そこにゼラさん達が現れて、戦っている内に完全に目が覚めたって事?」
「うむ、そうじゃな。ラルク、皆の者に言って準備をさせておくんじゃ、ゼラ達が持つのもそう時間が無いじゃろう」
シャファルのその言葉を聞いた俺は、直ぐに義父さん達に報告した。
そして、それからすぐにゼラさん達全員の生命力が低下して、俺はこれは無理だと決めてゼラさん達を呼び戻した。
呼び戻したゼラさん達は、全員が血を流していた。
「ごめんねラルク君、ちょっと無理だったわ」
「今は良いです喋らないでください」
悔しそうに言ったゼラさんに俺はそう返して、回復魔法を掛けて俺の中にゼラさん達を入れた。
それからすぐに、地面から巨大な魔力が地表に出て来た。
そして俺達は、封印されていた竜と対面した。
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