202 / 217
第十章
第444話 【出発・2】
しおりを挟む翌日、義父さんの訓練一通り終わったので仕事に専念していると、影の人が家にやって来た。
そして、アルスさんからの手紙を受け取り、義父さんと一緒に中身を見た。
「遂に、竜が動き出したか……」
「リア達にはバレない様に、アスラ達に伝えてくるね」
「ああ、アスラに伝えたら直ぐに戻って来るんだぞ、俺達も王都に招集されている」
義父さんのその言葉を聞いた俺は、返事をしてから部屋を出た。
そして、廊下を偶々歩いていたアスラに伝え、リア達の事を頼むと言って再び部屋に戻った。
「っと、その前に家の警備の人達を出さないと」
部屋に戻る前に俺は、一度外に出て楽園へと入った。
そこでゼラさんに竜に動きがあったと報告して、家の警備隊を連れて現世に戻って来た。
既にレコンメティス、ルブラン、その他周辺国には従魔達を配置している。
家には、リア達も居るから配置しておくのが無理だったので、このタイミングで配置すると話し合って決めていた。
「それじゃ、頼むよ。ランディオ、ルーカス」
「ああ、ラルクも頑張って来いよ」
「お任せ下さい主殿! この地は、私共が主が返ってくるまで守るっす!」
家の警備隊には、楽園内でも実力が上の方のランディオとルーカス、そして二人の部下達を配置した。
俺は二人からの言葉に「行ってくる」と言い、他の配下達からも「ご武運を」と言われて義父さんの所に戻った。
「外に新しい魔力が沢山出てたが、何かしたのか?」
「家の警備を従魔達に頼んだんだよ。アスラ達だけじゃ、心配だしね。それじゃ、行こうか」
そう言った後、俺と義父さんは影の人の転移魔法で王都へと移動した。
招集場所は王城の会議室で、既に何人か集まっていた。
俺と義父さんが会議室に入ると、顔見知りの冒険者達から話しかけられ、近くの椅子に座った。
話し掛けたそうな冒険者の人達がチラチラと義父さんを見ながら、義父さんの登場に少し動揺していた。
「おいおい、そんな乙女みたいな反応はよせよ。話したいなら、こっちにこい」
義父さんはそう言って、チラチラと見ていた冒険者達の方に行き、多くの冒険者の人達に囲まれて楽しそうに会話をしていた。
俺はそんな光景を見ながら、徐々に人が増えて行き10分程してアルスさんが部屋に入って来た。
アルスさんが入室してから、少しして全員が椅子に座り話を聞く体勢をとった。
「まず、皆集まってくれてありがとう」
アルスさんは、今回の討伐に参加した人達にお礼の言葉を述べた。
そして、現在の状況を大臣の人が詳しく報告してくれた。
報告が終わった後、具体的な作戦と何処に誰を配置するのかを聞いた。
「この配置に何か意見がある人はいるかな? 居たら挙手してほしい」
そうアルスさんが聞くと、会議室に集まった人達は誰も手を上げなかった。
それを確認したアルスさんは「ありがとう」と言い、直ぐに配置に着くように指示を出して話し合いは終わった。
それから会議室に集まっていたメンバーは、団体毎に配置の場所に向かった。
転移魔法が使えない組みには、アルスさんの私兵である影の人達が現地に送っていた。
「それじゃ、義父さん俺達も行こうか」
「ああ、そうだな」
俺は義父さんに声を掛け、俺達と一緒の組であるフィアさんの転移魔法で配置場所に転移した。
転移した先は、レコンメティスから少し離れた人里が近くに無い山だった。
「ここは竜の封印場所から一番近い場所よ。くれぐれも油断しないようにね」
「「はい」」
フィアさんの言葉に俺と義父さん、そして同じ配置場所の冒険者の人達が返事をした。
俺はそんな返事をする中、従魔を呼ぶ仕草でゼラさん達を呼び出して行った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
20,384
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。