初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花

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第十章

第442話 【参戦者達・4】

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 イデルさんとの再会から翌日、義父さんの勘を取り戻す訓練も大分終わり、今日はフィアさんがどれほど感覚が戻っているのか確認しに来た。
 フィアさんはいつもの仕事服では無く、戦闘用の衣装を着ている。
 場所も現世だと色々とバレたら困るので、楽園の中で行う事にした。

「グルド、準備は良いかしら?」

「ええ、いつでも構いませんよ」

 義父さんは新しい装備を着て、勝負に挑んだ。

「それじゃ、合図は俺が言いますね。義父さん、フィアさん用意は良いですか?」

「大丈夫よ」

「ああ、俺も大丈夫だ」

 二人の返事を聞いた俺は、少し離れた位置で「開始!」と合図を出した。
 合図が出た瞬間、先に動いたのはフィアさんだった。
 今回の戦い、義父さんの感覚を確認するというものだが、本気で戦うと最初に言っていた。

「行くわよ。グルドッ!」

 フィアさんはそう言いながら、巨大な魔法を数発放った。
 その魔法に対して義父さんは、全て感知系スキルを駆使して回避した。
 そして、魔法を全て避け切った義父さんは、素早い動きでフィアさんへと接近した。
 魔法使いタイプのフィアさんは、義父さんの接近に距離を取ろうとした。

「ッ!」

 距離を取ろうとしたフィアさんに、義父さんは投擲用として持っていたナイフを投げ、フィアさんは一瞬そのナイフに気を取られた。
 その隙に義父さんは、更に加速してフィアさんの目前まで移動した。

「ハァッ!」

「くっ! 動きは良くなったようねグルド」

「ええ、全盛期よりもレベルが上がって能力値も上がってますから、以前の俺を思って相手したら負けますよッ」

 義父さんはそう言いながら、フィアさんの腕を掴み背負い投げをして投げ飛ばした。
 投げ飛ばされたフィアさんは、そのまま地面に強く打ち付けられて魔法を使う前に義父さんに接近を許してしまった。

「グルド、余り舐めないで頂戴!」

「ッ!」

 接近していた義父さんに対してフィアさんは、魔法を作り上げ義父さんに放った。
 超至近距離で命中した魔法は、爆風を放ち二人の姿が見えなくった。
 そして見えなくなって数秒後、フィアさんは数m離れた位置に居て、義父さんはほぼ無傷の状態で爆風の起きた場所に立っていた。

「あの状態でよく全ての魔法を読み切ったわね」

「感知系は俺の得意とするスキルですからね」

 ムッとした表情のフィアさんに、義父さんは笑顔でそう答えた。
 それからフィアさんは魔法を連発して、義父さんはその全ての魔法を回避して戦闘が続いた。

「ハァ、ハァ、ハァ……中々やるわねグルド」

「ハァ、ハァ……フィアさんこそ、前線から引いて長いですけど、腕は落ちてませんね……」

 1時間程、攻防が続き両者相当疲労が溜まっていた。
 そして両者そんな会話を挟み、次が最後の攻撃というオーラを出した。
 二人共、息を整えると同時に動いた。
 フィアさんは自身が得意とする〖風属性魔法〗を構築し、義父さんに放った。
 その魔法に対して、義父さんは剣を片手に持った状態で突っ込んだ。

 その結果、これまで全ての魔法を避けていた義父さんは、フィアさんが放った魔法を〝斬り〟魔法を撃ち消した。
 それに対してフィアさんは驚き、その隙にフィアさんの首筋に剣を当て「俺の勝利です」と言い義父さんの勝利が決まった。
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