初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花

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第十章

第441話 【参戦者達・3】

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 突然のイデルさんとの遭遇に、俺達は驚き少し混乱した。
 それから少しして、義父さんがイデルさんに「何でここにいるんだ」と聞いた。

「んっ? 聞いたからですよ。最近、この迷宮に挑んでるって、それで俺も久しぶりにグルドさんに会いたいと思って、来たんですよ」

「……お前、本当に自由な奴だよな」

 義父さんはイデルさんに、溜息交じりにそう言った。

「それにしても……グルドさん暫く見ない間に、体つきがよくなりましたね? 鍛えているんですか?」

「そりゃな、因縁の竜と戦うって分かって鍛えなおしているんだよ」

 そう義父さんが言うと、イデルさんは「それじゃ、俺も一緒に迷宮に潜りますね」と言った。

「どうせ、そうだろうなとは思ってたよ。ラルク、良いか?」

「俺は構いませんよ。イデルさんと一緒に探索行くの、久しぶりで楽しみです」

「甥っ子にそう言われると嬉しいな」

 イデルさんはそう嬉しそうな顔をして、俺達は迷宮に入った。
 迷宮に入り少しして、義父さんが戦闘するのをイデルさんは黙って見ている事に気が付いた。

「イデルさん、どうしたんですか?」

「んっ、いやなグルドさんがああして戦っている姿を見れて、本当に足が治っているんだなって今更実感したんだよ」

「そう言えば、イデルさんって義父さんが足が治ってから余り会ってませんでしたよね」

「ああ、色々と用事が有ったりしたからな」

 イデルさんはそう言いながら、義父さんの戦う姿を目に焼き付けていた。
 そう言えば、前にイデルさんは義父さんが憧れの人だと言っていたな。
 だからだろうな、義父さんが再びこうして戦っている姿を見て、イデルさんは感動しているんだろう。

「お~い、イデル、ラルク。終わったぞ」

 戦闘が終わった義父さんはそう俺達を呼び、再び迷宮の奥へと進んで行った。
 そして、今日の迷宮攻略を終え、イデルさんと別れて現世に戻ってくると、義父さんがイデルさんの事を聞かれた。

「なあ、イデルの奴、今日様子がおかしかったけど何かあったのか?」

「何も無かったよ? ただ、イデルさんって義父さんが完治してから殆ど会ってなかったでしょ? それで、義父さんが普通に戦っている姿を見れて感動してたんだと思いますよ」

「感動? 何であいつが?」

「あっ……」

 そこで俺は思い出した。
 イデルさんから、義父さんの事を憧れの人だとは黙っておくようにと言われていたんだった!

「え~っと、ほら義父さんの昔をイデルさんも知っていて、戦いが出来るようになったって事で感動してたんだと思います」

「それで感動するのか?」

 俺の言葉に疑いの目を向ける義父さんだったが、丁度良いタイミングでシャルルさんが来て、義父さんを連れて行ってくれた。

「助かった……ありがとうリン」

「良いタイミングだった?」

「ああ、危ない所だったよ。イデルさんとの秘密をばらすところだった」

 リンは俺が義父さんからの質問に困っていると感づき、近くに居たシャルルさんを義父さんの所まで連れて来てくれた。
 いや、マジで助かったな、後少し尋問されてたら話す事になってただろうし……

「あれ、リアは居ないのか?」

「リアちゃんは赤ちゃん達を見てるよ。ラルク君の出迎え、どっちがする? ってなって、ジャンケンで決めたの」

「成程、そうだったのか」

 その後、リアが待つ部屋に行き子供達とリアに「ただいま」と言って部屋に入り、リア達と時間を過ごした。
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