初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花

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第十章

第437話 【戦の準備・2】

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 迷宮に潜入してから、1時間程が経過した。
 動きが鈍っていた義父さんがだか、命のやり取りをするうちに徐々に感覚を取り戻している。
 こんな短時間で感覚を取り戻して行けるなんて流石、元上位冒険者だな……

「ふぅ~……流石に疲れて来たな」

「そりゃ、1時間ぶっ通しで魔物と戦闘を繰り返してたら疲れるよ。はい、これ食べて少し休んでて」

 そう言って俺は、レモンの蜂蜜漬けが入った入れ物を渡して、義父さんを休ませる事にした。
 義父さんが休んでいる間、俺は魔法を展開して襲ってくる魔物全て排除して行った。
 その光景に、義父さんは「魔法って便利だな」と言った。

「便利だけど、やっぱり咄嗟の判断ってなると近接武器のが扱いやすいとは思うよ」

「そうだろうな、魔法使いは混乱したら魔法の魔力が乱れて魔法を撃てなくなるからな」

「うん、だから俺はなるべく魔物と接近しない様にしてるよ」

 魔法使い際、俺は常に全方位を意識している。
 それは、仲間がいる時でも常にやっており、奇襲対策をしている。
 そんな会話をしていると、魔物に放った魔法が相殺されたのかを感じた。

「ラルク」

「分かってる。ちょっと、強い魔物が出たみたい」

「ああ、俺も感じた。複数体ならラルクがやってくれと思ったが、どうやら一匹だ。疲労も少し取れたし、ちょっと強い魔物と戦っても良いか?」

「良いよ。それじゃ、周りは俺が警戒しておくね」

 そう義父さんとやり取りをした後、魔法が消された位置まで向かった。
 魔法が消えた位置には、亜種形態のスカルワイバーンが居た。

「亜種形態の魔物か、久しぶりに見たな」

 義父さんはそう言いながら、剣を握りなおして走り出した。
 既に魔物はこちらの存在を認識しており、突っ込んで行った義父さんの攻撃を簡単に受け止めた。

「グォォォッ!」

 スカルワイバーンは、骨だけの口から炎を吐き義父さんに攻撃した。
 義父さんは、その攻撃をスカルワイバーンの体の下に入り回避。
 そこから、義父さんは自身に〖身体強化魔法〗を掛け、更に剣に魔力を流して攻撃した。
 スカルワイバーンは、体の下に潜り込んでいた義父さんの攻撃は、回避できずに直撃した。

「グルォ!」

「グッ!」

「義父さん!?」

「大丈夫だ! まだ、やれる!」

 スカルワイバーンは、雄叫びを上げ尻尾で義父さんを弾き飛ばした。
 直撃はせず、剣で受け止めたが威力が凄まじく壁にぶつかった。
 心配して声を掛けたが、義父さんは「大丈夫」と言って、直ぐに体勢を整え攻撃を仕掛けた。
 義父さんとスカルワイバーンの攻防は続き、どちらも全力で戦った。
 参戦したい気持ちを抑え、その試合の行く末を見守った。

「グォォォ!」

 スカルワイバーンは知能があるのか、義父さんの武器を爪で弾き飛ばして義父さんは無手の状態になった。
 義父さんは剣の無い状態になったが、一切怯む事無く逆に接近して、スカルワイバーンの頭部に飛び乗った。

「オラァァ!」

 義父さんは、拳を強化して力技でスカルワイバーンの頭部をぶん殴った。
 まさかの素手で攻撃するとは思わなかったスカルワイバーンは、攻撃を受けて倒された。
 その隙に義父さんは、弾き飛ばされた剣を取った。
 そして、義父さんはそのまま横になっているスカルワイバーンに、最後の攻撃を放った。

「ハァ、ハァ、ハァ……中々、良い相手だったぜ……」

「お疲れ様、義父さん」

 戦闘の結果は、義父さんの勝利となった。
 途中、ヒヤヒヤしたけど、やっぱり義父さんは強いな。
 そう俺は、義父さんの強さを再確認させられた。

「おっ、今のでレベルが少し上がったな。やっぱり、強い相手を倒したら、それだけレベルも上がるな」

 義父さんはレベルが上がった事に対して、嬉しそうに笑った。
 その後、義父さんは先程の戦闘で疲労の限界を迎えたので、今日はここまでにして帰還する事にした。
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