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第十章
第423話 【久しぶりの楽園・2】
しおりを挟むそれから少しして、会議に参加するメンバーが揃った。
参加メンバーは大体が、団体の長だったり責任者の人達ばかりだ。
「え~、それではまず最初に農業関係の会議から行います」
司会進行はノアさんで、テーブルから少し離れた位置に立ち資料を手に持ち、話始めた。
農業関係はこの世界で、一番力を入れている部分でもある。
それは殆どの人が野菜好きであり、皆〝コメ〟が生活に無くてはならない物へとなっている。
農業関係の会議では、農地の拡大をするかしないかという議題が上がった。
「農家の者達からは、広げても少し手間が増えるだけで今と変わらないと報告を受けております。しかし、現状でもラルク様のボックスに多くの在庫を抱えて居たり、他の者のアイテムボックス系スキルに野菜が余っています」
「別に増やしても良いんじゃないか? これからは、人も増えて行くだろうし、子供の成長には食べ物が沢山あった方が良いだろ?」
「だが、既に余ってるなら余分に作るより他の事をした方がいいんじゃないのか?」
ノアさんの言葉に会議の傘下メンバー達が、各々意見を述べて行った。
そして全ての意見を聞いた俺、ゼラさん、シャファルの三人が決定か見送りかの判断を下す。
「我は賛成じゃな、今は余るほど作って居るが今後、住民が増えた際に急遽作るより今から作っていた方がよいじゃろう」
「私も賛成ね。問題が在庫問題だけなら、作っても損は無いでしょうから」
「俺も賛成かな、他の事に時間を割くのも良いけど、そこはその分野の職人が頑張るとして、農家の人達が迷惑でないのであれば農地の拡大は良いと思う」
3人の意見が〝賛成〟となり、農地の拡大意見は通った。
その後も色んな議題が上がり、それに対して3人で楽園の事を考えながら答えて行った。
そして最後の議題へとなり、俺が会議が始まる前にノアさんに伝えた〝子供の為の施設〟についての話し合いが始まった。
「これはラルク様、シャファル様からの提案なのですが。今現在、子供の出産が頻繁に行われ居ります。現状、その家庭内や近状で助け合いを行っておりますが、今の内に子供を預かる施設を作り〝子供をみる専門の職業〟を作るのは、どうかと提案がなされました」
ノアさんの言葉に、会議室はザワザワと騒がしくなった。
ここに居る人達の多くは、子供を育てた親世代の人達が多い。
その議題を聞いた参加メンバーは、満場一致で〝早急に作ろう〟と決まった。
「しかし、そうなると子供を見る者の選別ですね。楽園内では、多くの種族が暮らしていまして種族事に子供を育てる環境は違うでしょう」
「そうですね。俺としては、母親世代の者達がそれぞれの種族事で居たら助かりますね。子育ての経験がある人であれば、子供の見方だったりを教えせず済みますし、その後その職業になりたいと思った人には、その人達が教えられますしね」
そう言うと、会議室は「おぉ~」と納得した様な声を出した。
まあ、だとしても選別は難しいだろうな、他人の子供を見たいという人を探す時点で厳しいだろう。
そう心の中で思っていると、ゼラさんがチョンチョンと太腿を突いて来た。
「そうだとしても選別は難しいわよね。他人の子供を見たいって人を探すのが大変でしょうし」
「……はい。なので、皆さんのご協力が必要です。よりよい楽園の発展の為、皆で協力して行きましょう」
「「はい」」
ゼラさんの言葉に、俺は立ち上がってお願いをした。
俺の言葉に参加メンバーは、真剣な顔で返事をして会議は終わった。
その後、続々と部屋から出て行く人達を見送り部屋には俺、ゼラさん、シャファルの3人となった。
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