初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花

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第十章

第421話 【恋愛初心者達・4】

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 その後、アスラ達の関係性は上手く続いて行った。
 影で俺達がサポートしたりも偶にしていたが、徐々に二人だけで進めて行くようになった。
 主に変わった点として、アスラはこれまでそんなに服装に気を使ってなかった。
 しかし、レティシアさんとデートをするようになり、服装を気にするようになった。

 レティシアさんはレティシアさんで、リア達と一緒に料理の勉強をしていた。
 それも、アスラが好きな料理の勉強をするようになって、リア達も楽しそうに教えていた。

「成程な……ラルク、アスラの面倒を見てくれてありがとうな」

「いえいえ、大切な仲間で友達ですからね。困っていたら、助けるのが友達ですよ」

 そう俺は、心配して俺の所へとアスラの様子を聞きに来たディブロさんに言うと、安心したような表情をした。
 自分が言った手前、アスラが女性との関係について、悩んでいたらどうしようと心配していたと言われた。

「それにしても、あのアスラが恋に夢中になっているのか……」

「そんなに意外ですか?」

「ああ、幼い頃は病魔に苦しめられ、その間の楽しみと言えば〝魔法〟だけだった。病気が弱くなった後は、幼き頃から本で知識を得ていた魔法に夢中だったからな、それ以外に夢中になっているアスラの姿は俺達は初めて見るからな……」

 ディブロさんは嬉し涙を流しながら、そう言った。
 それから、ディブロさんはアスラに一度会ってから帰ると言って、部屋を出て行った。
 その日の夜、風呂の順番待ちをしているとアスラが部屋に尋ねて来た。

「どうしたアスラ?」

「いやさ、ちょっと今日父さんが来てたから、ラルク君に何か言ってのかなって思って」

「ああ、アスラが魔法以外の事に夢中になってる姿を見れて、嬉しいって言ってたよ。それで、涙も流していたな」

「父さんったら……」

 父親が友達の前で涙を流したと聞いたアスラは、少し恥ずかしそうな顔をした。
 俺だって、義父さんがアスラやレティシアさん達の前で涙を流したら、少し恥ずかしいと思う。

「まあ、それだけ家族に心配されてたんだろうな。このまま、独り身で過ごすんじゃないかって」

「だろうね。小さい頃から、近くに女性が居ない生活をしてたし」

 アスラは思い当たる事があるので、父親の心配する気持ちを理解していた。
 その後、アスラは父親が他に何も言ってないのか確認を取ってから部屋を出て行った。

 そして翌日、昨日はアスラの様子をディブロさんが聞きに来たが今日は、モーリスさんが家にやって来た。
 レティシアさんの事を気になっていたが、聞きに来て良いのか悩んでいたらしく、今日足を運んだとモーリスさんは言った。

「で、レティシアとアスラ君は上手く行ってるのか?」

「上手く行ってますよ。二人の距離も大分近くなってますしね。俺達も遠くから見守っていますし、モーリスさんも見守ってやってください」

 俺は、そんなモーリスさんに対してレティシアさん達は上手く行っている事を伝えた。
 そして、見守ってやって欲しいとお願いした。

「そうだな、当事者達が頑張る事だしな……」

「はい、俺達も手助け位で他はアスラ達だけでやってますから」

「分かった。ありがとな、ラルク」

 モーリスさんはそう言って、今日はレティシアさんに会わず帰ると言って去って行った。
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