初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花

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第十章

第412話 【新メニュー登場・1】

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 丼物シリーズを出すと、ラックさんに話してから数日が経った。
 あれから俺は、丼物シリーズを出す為の用意を色々としていた。
 経営初期の頃、準備不足で材料不足となり何度かお客様に迷惑を掛けてしまった事がある。
 なので、その反省として今回は最初から大量に材料を用意しようと、楽園の職人をかき集め準備を行っていた。

「ゼラさん、そっちの状況はどうですか?」

「良い感じよ。ただやっぱりラルク君が作って欲しいって頼まれたタレに関しては、まだまだ量が足りそうにないよね」

「了解しました。まだ時間は沢山あるので、無理をしない程度に頑張って貰ったらいいので」

「分かったわ」

 そう言って、ゼラさんに楽園の方の準備を頼み、俺は現世へと出てお店へと向かった。
 店の方では、営業時間にをズラして新作メニューの丼物シリーズの練習を行っていた。
 流石と言うべきなのか、ナラバさんは俺のレシピを見て直ぐに理解し数回試しただけで、全ての丼物を完成させた。

「ナラバさん居て、本当に良かったです」

「私もラルク君に付いて来たおかげで、こうして新しい料理に巡り合う事が出来て本当に良かったですよ」

 ナラバさんにそう言ってもらえた俺は、心の底から嬉しく思った。
 それから、シャファルにルブラン国に転移魔法で連れて来てもらいこちらでも新メニューの練習を除いた。
 ナラバさんには負けはしたが、ニコラさんが直ぐに丼物を覚え他の人に教えていた。

 材料、調理の教育が順調に進んでいる事を確認し終えた俺は、ルブラン国からレコンメティスの自宅へと帰宅した。
 その際、久しぶりにシャファルの二人きりになれたのでレコンメティスまで飛んで帰ったのだが、やはり空の旅は気持ちよかった。

「っと、いけないけない準備が上手くいってるからって、遊びに頭がシフトしそうになってた……」

 そう言って気持ちを切り替えた俺は、これからについて考え始めた。
 その後、一人で悶々と考えていても埒が明かないと思いリビングに移動して、リア達と一緒に考えて貰った。
 その中で、食券システムを導入するのはどうかと提案すると、リア達から「良いと思うよ」と返って来た。

「券を買う時に目移りするかも知れないけど、多分その案は良いと思うよ。今よりも接客の効率はよくなると思う」

「だよな……でも、今更それを導入してお客さんが慣れてくれるかが不安なんだよ。今でこそ人気店と言われてるけど、お客さんから嫌われたら元も子もないからな……」

「う~ん……それじゃ、試しに食券購入システムを期間限定でやって、どっちが良いのかお客さんに聞くのはどうかな? どっちかに傾けば、また考える材料になると思うよ」

 リンからそう提案され、お試し期間を設けるのは良いなと思い。
 早速、食券購入用の機械を楽園に行き試作型を作りに向かった。
 お金を入れて、券が出て、おつりが出る。
 そんなに多くの種類がある訳でも無いので、魔道具の職人は半日も掛からず試作型を作ってくれた。

「と言う訳で、食券購入機械が出来たわけですが、どう思いますか?」

 後日、閉店後一号店にナラバさん達に残ってもらい試作機を見せた。
 実演の為、銀貨を一枚入れて一枚分の牛丼を頼むと、券とおつりが出て来た。

「成程、会計の手間を減らす魔道具ですか?」

「そうですね。後は、何を注文するのか聞く手間とかも減らす役目もあります。今後は品数も増え、忙しさが上がると思うので減らせる手間は減らしておこうかなと思い用意したんですが、どうですかね?」

 そう聞くと、ナラバさん達は「良いと思いますよ」と言ってくれた。
 特に接客のリーダーであるリリアナさんが、凄く良い反応をしてくれた。

「お金のやり取りが一番時間がかかっていたんですよね。なので、その機会があればかなりの手間が削減され、これまで以上に良い接客が出来ると思います」

 その後、試作機は1週間限定で取り合えず行う事にした。
 その間、問題がなければそのまま続け、問題点があった場合は直ぐに俺に知らせてもらうようにナラバさん達にお願いした。
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