初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる！

第十章

第411話 【米料理・３】

　新メニューの開発初日に〝牛丼〟だけ完成させた俺は、それから新たに２つの丼物シリーズを作成した。
　その二つの丼物は、初日に良い反応を示さなかった〝親子丼〟と〝かつ丼〟である。

「美味い美味いですよ。ラルク君！」

　丼物シリーズの作成が終わった俺は、３品の丼を用意してラックさんの所へと来ていた。
　ラックさんは試食為、３つの丼を食べると目をキラキラとさせて美味しそうに食べた。

「これは売れますよラルク君！」

「好評みたいで良かったですよ。急ぎで作ったので、良い評価貰えるか心配だったんですが」

「これを直ぐに作れるって、ラルク君は何者なんだい！？　米料理、私の所でも出してるけど肉と一緒に出す事はあっても、こんな風に器に一緒にするなんて考えなかったよ」

　そう言って、ラックさんは美味しそうに試食で渡した丼物を興奮しながら完食した。
　それから、具体的な商談へと入った。
　既に〝売れる〟と見込んでいるラックさんは、最初から大量生産を考えているようだった。
　更に、今まで俺が考えて出した料理と同じく、丼物もラックさんは自分の店で出したいと言って、書類の作成を行った。
　まあ、売れた分の何％かを俺の所に寄越すという契約書みたいな物だ。

「ふぅ～昼時前で良かった。こんな美味しいものが、食べれなくなってた所だったよ」

「開いていた時間が丁度この時間だったのは、本当に偶然だったんですけどね。ラックさの所も最近忙しそうにしてるみたいですね」

「うん、ほら最近は観光に来る人が多いでしょ？　その為に、色々と頑張ってるんだよ」

「成程……って、そう言えば遊戯道具の売れ行きとかどうですかね。売れてます？」

「……ラルク君って、色々とやりすぎて忘れてる事が多いよね」

　ラックさんはジト目で、そう痛い所を突いて来た。
　やりたい事が多すぎてやりきった事に関して、俺はほぼ無関心になってる所が多々ある。
　お店に関しても、最近はレベル上げの事で若干忘れていたし……
　そして今言った遊戯道具の話も少し前に、思い出した。

「あははは、やりたい事が沢山ありすぎてて……」

「……まあ、私としてはそれで儲けさせて貰ってるから強く言えないけどね」

「ほんと、ラックさんには感謝しっぱなしです」

　その後、遊戯道具の工場の方も上手くいっていると聞き、後日顔出しには行こうとなった。
　そんなこんなで新メニューの開発が終わった俺は、予定していた通りリア達とデートに行く事にした。
　今回のデート場所は、ルブラン国の王都。
　少し前に様子見で来たばかりだが、こっちでデートする事はそんなになかったのでどんな物があるのか楽しみながらデートをした。

「やっぱり、国が違うだけで色々と変わってくるね。建物の形とか、売ってる物とか」

「ああ、他国に行ったときはそう言った所を見るのが楽しいよな、フォレトスとかはレコンメティスやルブラン国とはまた違う感じだしな」

「そうだね。フォレトス国って森に囲まれていて自然を感じれる国だったよね。またいつか行ってみたいな～」

　リンは俺の言葉に、思い出すかのようにそう言った。
　行こうと思えば、ゼラさんやアスラの転移魔法でいつでも行けるので、また暇が出来たら行こうかと約束をした。
　その後、俺達はルブラン国の商業区や住宅街を散歩した。
　途中で知り合いの冒険者や、シャファルバーク家に仕える人達と会い。
　そのまま、シャファルバーク家に顔見せに行ったりして、デートを楽しんだ。