初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花

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第十章

第410話 【米料理・2】

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 新作の米料理を出すとナラバさんに話した俺は、その日から米料理について記憶にある物を紙に出して行った。
 丼物は大体食べた事のあるから、見た目を思い出しながら何とか作れそうな気もするが。
 例として思ったパエリアとドリアに関しては、作った事は無い上に食べた事も殆ど無い。
 偶に、コンビニのドリアを買う事はあっても、どんな風に作るんだろう? と意識せずに食べていた。

「う~ん……まあ、取り合えず丼物を中心に考えるか。後は、二号店の改装も必要だな……」

 ナラバさんとの話し合い後、久しぶりにルブラン国の二号店に顔を出した。
 新メニューの研究の前に、店の状況を把握しておこうと思ったからだ。
 本店の一号店に負けない位の人の多さで、放置期間が長かく問題が起きた事がないのか心配になって聞いた。
 だか俺の心配は杞憂で、二号店を任していたニコラさんが上手く従業員を使って問題は特になかったみたいだ。

「ニコラさん俺が居ない間、本当にありがとうございます」

「いえ、。こちらの店舗を任された以上は全力を持って店を守るのが店長の役目ですから! まあ、でも実際はナラバ師匠から手紙で助けて貰った所も沢山あるんですけどね。やっぱり、師匠は凄いです。離れた所から的確に指示を出してくるんですから」

 ニコラさんは、ナラバさんの凄さをそう笑いながら話した。
 それから、ニコラさんとこちらの店の経営状況などを詳しく聞き、働いている環境としてどうなのかも詳しく聞いた。
 本店程では無いが、やはりこちらも人気店なので人手不足になっていた時もあったらしい。
 その時は、ニコラさん含め従業員全員で一丸となって頑張っていたらしい。
 いや、マジで本店ばかり気にしてたのが申し訳なくなってきた。

「あの、本当にありがとうございます。落ち着いたら、皆さんにお礼の品を渡しますね……」

 その後、ニコラさん以外の従業員も店に出て来たので、久しぶりに顔を合わせ少しだけ話し合いをした。
 それから、俺は即戦力となる従業員を増やす為にベルベット商会で人を紹介してもらう事にした。

「さてと、これで店の状況把握は出来たから、次は新メニューの開発だな……」

 再びゼラさんを呼び出し、転移魔法でレコンメティスの自宅に帰宅した。
 帰宅後すぐに俺は、キッチンへと向かい新メニューの開発を始めた。

「あれ、ラルク君料理してるの?」

「わっ、美味しそうな匂い」

 新メニューの開発をしていると、部屋に居たリア達が匂いに釣られてキッチンへとやって来た。
 最初に作り始めた新メニューは丼物で、今は牛丼を作り終えた所だった。

「前々から新しい料理を出そうかなって考えてて、今新メニューの開発してたんだよ。それで、今一品目が出来たから食べてみるか?」

「「良いの!?」」

「うん、味見の時点では美味しかったから普通に食べれると思うけど、他の人の意見も聞きたいしね。丁度良かったよ」

 そう言って俺は、リア達に牛丼を盛った皿と箸を渡した。
 まあ、見た目は肉がご飯の上に乗っているだけなのでリア達は普通に一口食べた。

「美味しい! ご飯とお肉だけかと思ったけど、この掛かってるタレが美味しいよ」

「うんうん、タレが掛かったお肉もそうだけど下のご飯にもタレが掛かってて、いつものご飯とお肉より美味しく感じる」

 二人は牛丼を食べて、そう反応をした。
 タレ自体、俺の自作だったので美味しいと思ってもらえるかちょっと心配だったが、ここまで高評価だと嬉しく感じた。

「美味しいって思ってもらって良かったよ。タレは自分好みに作ったから、美味しいって思えるか分からなかったからね」

「私は好きだよこのタレの味、少し甘くしてるんだよね?」

「ああ、辛い方にも出来るんだが、店で出すとなると辛い方より、子供も食べやすい甘い方かなって思ってさ」

「辛い方が好きって人も居ると思うけど、万人受けするのは多分甘い方だと思うよ」

「うん、それに辛い方が好きって人もこのくらいの味なら嫌がらずに食べれると思うかな」

 牛丼を食べた二人の意見を受けた俺は「そっか」と答え、牛丼の方はこれで完成にしようと決めた。
 後はまあ、タレの方を大量に作ったり、少し調整する位で店には出せるだろう。

「あれ? ラルク君、他にも作ってたの?」

「んっ? ああ、今食べたのが牛丼って料理で、こっちは〝親子丼〟って奴だよ。丼物を増やそうと思ってさ、色々と作ってたんだよ。こっちも食べるか?」

「「うん!」」

 俺の言葉に、二人は嬉しそうに返事をした。
 その後、親子丼の試食もしたリア達は美味しそうに食べ、こちらの親子丼に関してはもう少し改良を加えた方がいい反応をした。

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