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第十章

第403話 【訓練終了、そして休暇】

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 ドルスリー商会の建物に入った俺は、受付でラックさんが居るか確認を取った。
 すると、今日は全ての予定が終わり部屋に居ると教えてもらった。

「ちょっと、行ってくる。直ぐに戻って来るよ」

「いってらっしゃい」

「待ってるね」

 リン達は、待合室で待っててもらい一人で階段を上がって行った。
 そして、ラックさんが居る部屋の前に着いた俺はノックをして、返事が返って来たのを確認して中に入った。

「ラルク君、久しぶりだね。どうしたんだい?」

「すみません急に来てしまって、実は一号店について話があって来たんです」

 そう言うと、ラックさんは持っていた資料を机に置き、俺の話を聞いてくれた。
 そして、俺はラックさんに〝ナラバさん達が過労で倒れるかもしれない〟と伝えた。

「成程、確かに最近は他国からも態々王都まで来て、本場の味を楽しむ料理好きの方が増えていると商会の者達が話していたね……」

「はい。他国から来る人がが増え、ナラバさん達が休む暇も無く働いていたんですよね。楽園にずっと居て、気付くのに遅れてしまって今日急に来たという感じです」

「そっか、分かったよ。数日以内に人の手配をするね。ラルク君は、忙しいと思うからナラバ君に面接してもらったらいいよね?」

「はい、それで構いません。後日、来た際に顔合わせはしようと思うので、面接に関してはナラバさんかリリアナさんにお願いします」

 そう言って、俺はラックさんに「お願いします」と言って頭を下げた。
 その後、リア達に話し合いが終わった事を伝えて、建物を出た。
 建物を出た俺達は、中断していたデートを再開した。

「ラルク君、今日はありがとね」

「久しぶりにラルク君とお出かけ出来て楽しかったよ」

「俺も楽しかったよ。リア達がデートを提案してくれて本当にありがとうね。また次の休みの日に、デートに行こうな」

「「うん!」」

 その日、一日デートをして疲れ切った俺達はそう言って、直ぐに眠りについた。
 翌日、俺は訓練の為にダンジョンへと戻って来た。
 昨日のデートのおかげで、気力が回復した俺は、序盤から飛ばした。

「ラルク君、昨日のデートが楽しかったのは分かるけど、僕達の分も残してくれないかな……」

「リアちゃん達も凄く喜んでたから、楽しかったのは分かってたけど私達も訓練してるんだよ……」

「酷いっすよ。俺達、居る意味ないじゃないっすか!」

 張り切りすぎて、レティシアさん達の分の魔物を狩っていた俺に、3人は抗議してきた。
 それからは、戦いたい欲を抑えアスラ達と共に訓練を行った。

 そして、この迷宮に挑み始めて約二週間が経ち、無事に最深部まで攻略する事が出来た。
 この迷宮だけで、俺を含め全員が30レベル以上上がった。
 レティシアさんは130を超え、アスラも125を超えて全員が100レベル帯になる事が出来た。

「え~、レティシアさんもアスラ君もレベル100超えちゃったの!? ズルいよっ!」

 無事に迷宮を攻略を終えた俺達は、いつもより早いし時間に帰宅した。
 そして、家で待っていてくれたリン達に自分達の成果を伝えると、リンがそう叫んだ。

「えへへ~、ごめんね。リンちゃん」

「ごめんね。リンちゃん」

「う~……ラルク君! 体の調子が戻ったら、私と迷宮攻略してよねっ! それでレベルを一気に上げるから!」

「良いよ。俺がリンに無理をしないように止めてるから、子供が生まれてリンも調子が元に戻ったら、いくらでも訓練に付き合うよ」

「じゃあ、私もその時は連れて行ってもらおうかな」

 リンの横で聞いていたリアも参加したいと言った。
 リアが、戦闘系の活動に参加したいって珍しいな……

「ああ、良いよ。訓練しておいて損は無いしな、リアも体の調子が戻ったら3人で迷宮攻略行こうか」

 その後、次は何処で訓練をするかという話になった。
 だが、この二週間休みを数日おきにっていたが、体は疲労が溜まっていた。
 なので、ここで一度自分達の体を休ませる為に長めの休みを取らないかと提案した。

「そうだね。あまり無理しすぎるのも悪いし、休むのは僕も賛成だよ」

「私も良いよ。無理しすぎて怪我をしたってよく聞くし、ちゃんと休みを取るのに私も賛成だよ」

「了解、それじゃ明日から五日間ジックリと自分達の体を休ませて、次の訓練地を探そうか」

 こうして俺達は、ダンジョンでの訓練を終え五日間の休暇へと入った。
 翌日、休暇初日に俺は一人で楽園の外へと出て来て、一号店に入った新しい従業員と顔合わせに向かった。
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