147 / 206
第十章
第400話 【弟子には負けない・1】
しおりを挟む
それぞれ自分達の目標の為、迷宮にたどり着いた。
場所は、楽園内にある〝B-ランク〟の迷宮に挑むことにした。
本来であれば、もう少し強めの所に行くのも良いのだが、レベル上げというよりもまずは自分達の技術を上げるのが先だと話し合ってここになった。
「陣形は、ルーカスとレティシアさんが前衛で後衛はアスラに任せる。俺は、リンがやってたサポートに回るで良い?」
「僕は良いよ」
「私も」
「いいっすよー」
3人の返答を聞いた俺は「それじゃ、行こうか」と言って迷宮の中へと入って行った。
〝B-ランク〟の迷宮、最初の敵はゴブリン集団と出くわした。
これだったら、丁度良くレティシアの剣術相手になるだろうと思い。
俺とアスラは周りの警戒をして、ルーカスはレティシアさんのサポートに回ってもらった。
「今日、調子いいかも!」
「ですね。姐さんの動きがいつもよりキレが良かったっす」
「訓練の成果ですね」
いつもより良い動きが出来たレティシアさんは、嬉しそうに飛び跳ねた。
それから、次の魔物も出て来たのでアスラに対処させると、アスラも今日は調子良いみたいなので今日は良い感じに進みそうだ。
「【雷炎】!」
アスラは以前、俺が教えて〝火と雷〟の合成魔法を完璧にマスターし、魔物を屠った。
あれ? 今の【雷炎】俺が使っていた時よりも早くなかったか?
「何だか今日は魔法のキレか凄く良いよ。デーラ様に魔力循環の強制解放される前よりも、キレが良い感じ」
「……もしかして、やっと体に馴染んできたんじゃないのか? あれから、結構時間も経ってるし」
「そうかも知れないね。今回の迷宮探索で勘を取り戻せたらいいな~」
そう言っているアスラだが、俺から見たら既に十分の魔法を扱っている。
俺ものんびりしていたら、ステータス面で勝っていても技術面で負けてしまうな……
これでも一応は〝師匠〟という立場である俺は、アスラの急な成長に焦りを感じた。
「ルーカスちょっと良いか?」
「どうしたっすか?」
アスラの成長速度に焦りを感じた俺は、前衛でレティシアさんとの連携で楽しそうに魔物を狩っていたルーカスを呼んだ。
「ちょっと間、レティシアさんとアスラを頼めるか? 弟子の成長ぶりに焦りを感じてさ」
「あ~……確かにアスラ殿の成長ぶりは焦りますね~……」
その後、俺はレティシアさんとアスラに「一人で潜って来る」と言って、皆と離れた。
それから皆と離れて一時間程がたった頃、俺はこの迷宮の最下層と当たる場所で魔法の訓練を行っていた。
「ッ!」
「グギャッ!!」
その訓練内容は、目を閉じた状態で半径〝1m〟に入って来た全ての物質に対して即座に反応し、魔法を放つ。
極めて危険な訓練方法を行っていた。
以前もこれに似た訓練方法を行っていたが、その時は半径10mほどの距離でもしも失敗しても第二第三の攻撃が出来たが、今のこれだと一発外せば命も危ない状況である。
「チッ、また顔から外れた……瞬時に判断するのが難しいな……」
魔物の死体を確認した俺は、顔に当たったと確信した魔法が首に当たっているのを確認してそう呟いた。
瞬時に相手の位置を計算してから魔法を放つこの訓練法は、単純な魔法の技術力を上げられる。
技術力を上げれば、俺でもまだ完璧に使いこなせていないレベルの魔法を使いこなす事も可能になる。
「はぁ……アスラの成長ぶりが羨ましい……」
まあ、俺はお詫びの品としてのスキルを貰い強化されている人間だが、アスラの場合は天賦の才能だ。
俺との魔法のセンスのレベルが違いすぎるんだよな……
「っと、落ち込んでいる暇はないな! こっちだって、技術面+レベルを上げて素の能力値の差を開けば師匠面もまだまだ出来る!」
そう意気込み俺は〖マッピング〗を使い、魔物が居る場所へと向かった。
その日は結局一日、一人で行動をしてアスラ達とは事前に打ち合わせていた階層で合流した。
「ラルク君どうだった?」
「ああ、一人で魔物を沢山狩りまくったからなレベルも上がったし、新たな魔法も考えて来たよ。アスラに負けるか! って思いで沢山、魔物を狩って来たからな」
「そこは一度くらい僕に勝たせてくれても良いと思うんだけど、先を行くラルク君を追いかける方が楽しいから、そっちの方が僕は燃えるけどね」
アスラはやる気満ち溢れる顔でそう言って、明日の迷宮探索時に今日一日で強化された俺の魔法を見せる約束をした。
場所は、楽園内にある〝B-ランク〟の迷宮に挑むことにした。
本来であれば、もう少し強めの所に行くのも良いのだが、レベル上げというよりもまずは自分達の技術を上げるのが先だと話し合ってここになった。
「陣形は、ルーカスとレティシアさんが前衛で後衛はアスラに任せる。俺は、リンがやってたサポートに回るで良い?」
「僕は良いよ」
「私も」
「いいっすよー」
3人の返答を聞いた俺は「それじゃ、行こうか」と言って迷宮の中へと入って行った。
〝B-ランク〟の迷宮、最初の敵はゴブリン集団と出くわした。
これだったら、丁度良くレティシアの剣術相手になるだろうと思い。
俺とアスラは周りの警戒をして、ルーカスはレティシアさんのサポートに回ってもらった。
「今日、調子いいかも!」
「ですね。姐さんの動きがいつもよりキレが良かったっす」
「訓練の成果ですね」
いつもより良い動きが出来たレティシアさんは、嬉しそうに飛び跳ねた。
それから、次の魔物も出て来たのでアスラに対処させると、アスラも今日は調子良いみたいなので今日は良い感じに進みそうだ。
「【雷炎】!」
アスラは以前、俺が教えて〝火と雷〟の合成魔法を完璧にマスターし、魔物を屠った。
あれ? 今の【雷炎】俺が使っていた時よりも早くなかったか?
「何だか今日は魔法のキレか凄く良いよ。デーラ様に魔力循環の強制解放される前よりも、キレが良い感じ」
「……もしかして、やっと体に馴染んできたんじゃないのか? あれから、結構時間も経ってるし」
「そうかも知れないね。今回の迷宮探索で勘を取り戻せたらいいな~」
そう言っているアスラだが、俺から見たら既に十分の魔法を扱っている。
俺ものんびりしていたら、ステータス面で勝っていても技術面で負けてしまうな……
これでも一応は〝師匠〟という立場である俺は、アスラの急な成長に焦りを感じた。
「ルーカスちょっと良いか?」
「どうしたっすか?」
アスラの成長速度に焦りを感じた俺は、前衛でレティシアさんとの連携で楽しそうに魔物を狩っていたルーカスを呼んだ。
「ちょっと間、レティシアさんとアスラを頼めるか? 弟子の成長ぶりに焦りを感じてさ」
「あ~……確かにアスラ殿の成長ぶりは焦りますね~……」
その後、俺はレティシアさんとアスラに「一人で潜って来る」と言って、皆と離れた。
それから皆と離れて一時間程がたった頃、俺はこの迷宮の最下層と当たる場所で魔法の訓練を行っていた。
「ッ!」
「グギャッ!!」
その訓練内容は、目を閉じた状態で半径〝1m〟に入って来た全ての物質に対して即座に反応し、魔法を放つ。
極めて危険な訓練方法を行っていた。
以前もこれに似た訓練方法を行っていたが、その時は半径10mほどの距離でもしも失敗しても第二第三の攻撃が出来たが、今のこれだと一発外せば命も危ない状況である。
「チッ、また顔から外れた……瞬時に判断するのが難しいな……」
魔物の死体を確認した俺は、顔に当たったと確信した魔法が首に当たっているのを確認してそう呟いた。
瞬時に相手の位置を計算してから魔法を放つこの訓練法は、単純な魔法の技術力を上げられる。
技術力を上げれば、俺でもまだ完璧に使いこなせていないレベルの魔法を使いこなす事も可能になる。
「はぁ……アスラの成長ぶりが羨ましい……」
まあ、俺はお詫びの品としてのスキルを貰い強化されている人間だが、アスラの場合は天賦の才能だ。
俺との魔法のセンスのレベルが違いすぎるんだよな……
「っと、落ち込んでいる暇はないな! こっちだって、技術面+レベルを上げて素の能力値の差を開けば師匠面もまだまだ出来る!」
そう意気込み俺は〖マッピング〗を使い、魔物が居る場所へと向かった。
その日は結局一日、一人で行動をしてアスラ達とは事前に打ち合わせていた階層で合流した。
「ラルク君どうだった?」
「ああ、一人で魔物を沢山狩りまくったからなレベルも上がったし、新たな魔法も考えて来たよ。アスラに負けるか! って思いで沢山、魔物を狩って来たからな」
「そこは一度くらい僕に勝たせてくれても良いと思うんだけど、先を行くラルク君を追いかける方が楽しいから、そっちの方が僕は燃えるけどね」
アスラはやる気満ち溢れる顔でそう言って、明日の迷宮探索時に今日一日で強化された俺の魔法を見せる約束をした。
54
お気に入りに追加
20,479
あなたにおすすめの小説
愛され王子の異世界ほのぼの生活
霜月雹花
ファンタジー
旧題:転生ガチャ大成功!~神も驚く結果を出して異世界へ~(仮)
【書籍化!】
〝転生ガチャ〟その名の通り、転生する先の人生を決めてしまうガチャである。交通事故により死んだ主人公〝奈良・アキト〟は、神の指示に従い死ぬ前から憧れていた〝異世界〟への転生ガチャに挑戦をした。結果は【出生:王家】【美形(男)】【超成長】等、異世界で不自由無く暮らせそうな物ばかりだった。
これは、転生ガチャで大成功をした主人公が異世界を満喫する物語。
2019/10/23:ファンタジーランキング一位、HOTランキング(21時)一位
2020/04/28:書籍化決定しました!
2020/05/26:タイトル変更しました。
2020/06/03:1巻発売!
2020/10/23:2巻発売!
2021/02/01:コミカライズ化決定! 2月5日配信開始 毎月第1金曜日
2021/04/21:3巻発売!
死んだら男女比1:99の異世界に来ていた。SSスキル持ちの僕を冒険者や王女、騎士が奪い合おうとして困っているんですけど!?
わんた
ファンタジー
DVの父から母を守って死ぬと、異世界の住民であるイオディプスの体に乗り移って目覚めた。
ここは、男女比率が1対99に偏っている世界だ。
しかもスキルという特殊能力も存在し、イオディプスは最高ランクSSのスキルブースターをもっている。
他人が持っているスキルの効果を上昇させる効果があり、ブースト対象との仲が良ければ上昇率は高まるうえに、スキルが別物に進化することもある。
本来であれば上位貴族の夫(種馬)として過ごせるほどの能力を持っているのだが、当の本人は自らの価値に気づいていない。
贅沢な暮らしなんてどうでもよく、近くにいる女性を幸せにしたいと願っているのだ。
そんな隙だらけの男を、知り合った女性は見逃さない。
家で監禁しようとする危険な女性や子作りにしか興味のない女性などと、表面上は穏やかな生活をしつつ、一緒に冒険者として活躍する日々が始まった。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。
猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。
そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。
あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは?
そこで彼は思った――もっと欲しい!
欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。
神様とゲームをすることになった悠斗はその結果――
※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。
18禁NTR鬱ゲーの裏ボス最強悪役貴族に転生したのでスローライフを楽しんでいたら、ヒロイン達が奴隷としてやって来たので幸せにすることにした
田中又雄
ファンタジー
『異世界少女を歪ませたい』はエロゲー+MMORPGの要素も入った神ゲーであった。
しかし、NTR鬱ゲーであるためENDはいつも目を覆いたくなるものばかりであった。
そんなある日、裏ボスの悪役貴族として転生したわけだが...俺は悪役貴族として動く気はない。
そう思っていたのに、そこに奴隷として現れたのは今作のヒロイン達。
なので、酷い目にあってきた彼女達を精一杯愛し、幸せなトゥルーエンドに導くことに決めた。
あらすじを読んでいただきありがとうございます。
併せて、本作品についてはYouTubeで動画を投稿しております。
より、作品に没入できるようつくっているものですので、よければ見ていただければ幸いです!
異世界転生漫遊記
しょう
ファンタジー
ブラック企業で働いていた主人公は
体を壊し亡くなってしまった。
それを哀れんだ神の手によって
主人公は異世界に転生することに
前世の失敗を繰り返さないように
今度は自由に楽しく生きていこうと
決める
主人公が転生した世界は
魔物が闊歩する世界!
それを知った主人公は幼い頃から
努力し続け、剣と魔法を習得する!
初めての作品です!
よろしくお願いします!
感想よろしくお願いします!
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。