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2巻
2-2
しおりを挟む2 目指せレコンメティス
銀竜シャファルによれば、どうやらここはレコンメティス王国の隣国であるルブラン国に位置する「銀竜の山」という山の中腹らしい。義父さんから「銀竜が棲んでいるという伝説がある」と聞いたときにいつか行ってみたいとは思っていたけど、まさかこんなに早く叶うとは思わなかった。
銀竜の山には本来魔物がうじゃうじゃいるそうなのだが、シャファルが転生のためにこの山に戻ってきたことで、魔物達は怯えて隠れたり逃げ出したりしているとのこと。今のうちに下山するように言われたので、指示に従いながら山道を歩いていった。
道中、俺の頭に乗っているシャファルに話しかける。
「それにしても、本当に魔物と出くわしませんね、シャファルさん」
(並の魔物は我の魔力を感じた途端に逃げてしまったからのう。ところでラルク、我らは契約を結んだ対等な関係じゃ。さん付けはやめい)
「わ、分かりました」
それからしばらく歩き、山を下りて麓の森を抜ける。
そのまま直進すると、街道らしき整備された道を見つけた。左右で分かれ道になっている。
(左に行けば王都レコンメティスに着くぞ)
「ありがとうございます」
方角を教えてくれたシャファルにお礼を言い、左の道を進む。
歩きながら、シャファルの過去について話を聞いた。なんでも、昔、俺の先祖の一人がシャファルを従魔にしようとしたことがあったらしい。
「人間の従魔になるって……銀竜のプライド的に大丈夫なんですか?」
(従魔になることに抵抗はないのう。昔、従魔になると、この上なく快適な生活ができると聞いたことがあるしな。というわけで別に従魔になってもいいと思ったんじゃが、我の種族としての力が強すぎるせいなのか、うまくいかなかったんじゃよ)
シャファルの言葉を聞いた俺は、ふと思い当たることがあって立ち止まった。
もしかしたら、シャファルは神獣と呼ばれるような存在なのかもしれない。仮に相手が神獣だった場合、一般的な従魔魔法では従属させられないと聞いたことがあるのだ。
そのとき俺は、先日神界でサマディさんから『神従魔魔法』という特殊能力をもらったことを思い出した。確か、『神従魔魔法』だったら相手が神獣であろうと従魔にできるはずだ。
「あの、もしもですよ? 俺の従魔になれるとしたら、なりたいと思いますか?」
(うむ、そのほうが我としても面倒が少なくて済むからのう。従魔になれば、一緒に過ごしているだけで自然に主人の魔力をもらえると聞いたことがあるんじゃ。我もいちいち魔力をコントロールして補給するのが面倒だと思っていたんじゃよ……ふわぁ~)
シャファルはそう言って、大きく欠伸をした。
「俺の能力なら、シャファルを従魔にすることができると思いますよ」
(んがッ! ど、どういうことじゃ?)
俺の言葉に驚いた欠伸中のシャファルが変な声を出し、顔を目の前に寄せてくる。
「説明は難しいんですけど……とにかく、シャファルが俺の従魔になりたいと本気で考えてるなら、従魔になれると思います。本当に、従魔になりたいですか?」
(まあ、そうじゃな……魔力の感じでお主は悪い奴ではないと分かっておるし、お主の従魔になりたいと本気で思っておるぞ)
シャファルが真剣な表情で答えた。
だったら、俺もその願いを叶えてあげたい。
よし、『神従魔魔法』を使おう。
頭に乗っているシャファルを両手で抱え、正面に持ってくる。続いて意識を集中させ、『神従魔魔法』を発動すると、シャファルの肩に従魔契約を果たした証である紋章が刻まれた。
(おおッ! 本当に従魔になれたぞ!? ラルク、どうやったんじゃ?)
「う~ん、そうですね。俺の持ってる『神従魔魔法』は魔物だけじゃなく、神獣も従属させられるんですよね。さっき話を聞いて考えてたんですけど、多分、シャファルは神獣の類なんだと思います。普通の従魔魔法だと神獣を従属させられませんから、かつて失敗したのはそれが原因なんじゃないでしょうか」
(ふむ、そういえば数百年くらい昔に神と名乗る輩から神託を受けた気がするな……そのときは話を聞き流していたからほとんど覚えてないが、言われてみれば確かに神獣がどうのこうのって言ってたのう)
シャファルはそう言うと、小さな翼で羽ばたいて俺の腕を離れ、また頭の上に戻った。
「もしかしたら、神託を受けた際に種族が竜から神獣になったのかもしれませんね」
(どうじゃろな? 我は今、自分の能力を見る術を持っておらんからのう。ラルクは、我のステータスを見ることはできないのか?)
どれどれ……『鑑定眼』で見てみるか。
意識を集中してシャファルを見つめたが……あれ? 何も表示されないな。
その後も何度か『鑑定眼』を発動したが、やはりシャファルのステータスを確認することはできなかった。
「う~ん……何度か試してみたんですけど、全然鑑定できませんね」
単純に俺の『鑑定眼』のレベルが低いのか、シャファルが『神のベール』みたいな最高クラスの阻害系スキルを持っているのか……原因は分からないが、とにかくシャファルのステータスを見ることは今の状況だとできないようだ。
まあ、今はとりあえず深く考えないでおくか。それより、早く王都に帰らないと。義父さんも心配しているだろうし。
(そうじゃ、従魔になれば主人の中に入れるんじゃったな)
シャファルが独り言のように念話を飛ばしてきた次の瞬間、頭の上にいたはずのシャファルがいきなり消えてしまった。
「へっ? シャファル!? どこ行ったんですか!?」
慌ててキョロキョロしていると、再び念話が聞こえてくる。
(慌てるでない、我はお主の中に入っているだけじゃ。従魔だけが入れるという、主人の中にある場所にのう……ほほう、この場所はこんな感じになっていたのか……)
説明になってない! 従魔が主の中に入るってどういう原理だよ! というか俺の中ってどこだよ!
「ちょっと、意味が全然分からないんですけど! もっと説明してくださいよ!」
しかし、俺の叫びもむなしく、シャファルはそれきり何も返事をしなかった。
「……はぁ、あれから結局出てこないし」
一人になった俺はシャファルを呼び戻すのを諦め、レコンメティスを目指して移動を再開していた。
体内に異物感があるとか、そういうのはないんだけど……自分の中にシャファルがいるという事実を考えると、なんとなくムズムズしてしまう。
歩いているうちに日が沈んで辺りが暗くなってきたので、今日はこれ以上進まず、野宿をすることに決めた。
幸いにも『便利ボックス』の中にはテントや照明器具、調理に使うための鍋やフライパン、食器類など、簡易的な冒険者道具一式を入れてある。食べ物も保管してあるし、数日間は不自由な思いをすることはないだろう。
街道を少しだけ外れた草原の上にテントを張り、土属性魔法を発動して魔物避け用に棘付きの柵を周囲に作る。それから、夕食の準備に取りかかった。
「今日は本当に簡単なもので済ませよう……」
独り言を呟きつつ、家で炊いて保存しておいたご飯と、肉と野菜のスープを食べる。
シャファルも食べるかな、と思って呼びかけてみたが、やはり返事はない。まあ、お腹が空いたら勝手に出てくるか。でも、ドラゴンって何を食べるんだ? やっぱり肉かな?
その後、寝る前の支度をしてテントの中に入り、寝袋に潜り込んで目を閉じる。そして横になったままサマディさん達へお祈りをし、眠りについたのだった。
◇
次の日、日の出とともに目が覚める。
野宿の後片付けをしながら軽く朝食を食べたあと、早朝から移動を始めた。
「……ん?」
一時間ほど歩いたところで、馬車が魔物に襲われている場面に偶然出くわした。
襲っているのは、ゴブリンというモンスターみたいだ。以前図鑑で見たことがあるから間違いない。えっと、数は……全部で八体か。
ゴブリンの襲撃から馬車を守るため、二人の冒険者らしき人物が立ち向かっていた。一人は軽装で、もう一人は鎧を着込んでいる。遠くから眺めている限りでは、かなり苦戦しているようだ。
そのとき、鎧を着込んでいるほうの冒険者の足に、ゴブリンの短剣が突き刺さった。
助けないと!
そう思ったが、なかなか足を踏み出せない。
現在、俺が倒したことがある魔物は人間とかけ離れたフォルムのスライム一体のみ。果たして人型のゴブリンと戦えるのか、と躊躇してしまう。
しかし、その間にもゴブリンは馬車を襲い続けている。
「ええい、考えてても仕方がない。早く助けないとあの人達が危ないんだ!!」
吹っ切るためにそう叫んだ俺は、風属性魔法を発動して風の刃を生み出し、荷台から侵入しようとしていたゴブリン目がけて放った。
風の刃はゴブリンの胴体を真っ二つにし、分かれた体が荷台の外に転がり落ちる。
その光景を見て一瞬吐きそうになったが、立ち止まっている場合ではない。
残り七体も同じように、風の刃で討伐した。
「す、スライムと全然違う……けど、冒険者として活動するなら、慣れないと駄目だよな」
なんとか精神を落ち着かせて馬車に近付くと、一人の男性が馬車から降りてきた。格好からして、商人かな?
「おお、あなたがゴブリンを倒してくれたのですか! ありがとうございます!」
商人の男性が泣きながら感謝を述べた。
「いえ、偶然通りかかったものですから。それより、怪我や馬車への被害はありませんか?」
「馬車には特に損害は出ておりませんが、冒険者の一人が怪我をしまして……」
さっき足を刺された人のことだろうな。
今は幌の中で手当てをしているとのことだったので、商人さんに許可を取って俺も中に入る。
中にいた二人の冒険者はどちらも若い男性だった。こちらに気付いた二人は、それぞれ感謝の言葉を述べ、自己紹介をする。軽装の冒険者がニックさん、重量感ある装備の冒険者がグロレさんというそうだ。
俺も自分の名前を名乗り、足を負傷したグロレさんに尋ねる。
「怪我は大丈夫ですか?」
「う~ん、傷は浅いから大丈夫だと思ったんだが、刃に毒が塗られていたらしくてな……」
グロレさんが足の怪我を見せてくれた。傷口を中心に、皮膚がどす黒く変色してしまっている。
「ちょっと動かないでくださいね」
俺はそう言って、グロレさんの足に両手をかざした。
今、俺がやろうとしていることは、聖属性魔法による解毒だ。聖属性魔法には、癒しの効果があると教わったのを思い出したのである。
初めて使う魔法なのでうまくできるか心配だったが、効果はあったようだ。五分ほど魔法をかけたところで足の傷が塞がり、肌の色も元通りになった。
「す、すごいなラルクは……その若さでここまでの魔法が使えるなんて……」
グロレさんが感心したように呟く。
「すごいっす、ラルク君。戦闘に治療に、なんでもできるんっすね」
ニックさんも興奮気味に褒めてくれた。
俺は照れ臭くなってニックさんに答える。
「ニックさん、別になんでもはできないですよ。それより足を洗ったほうがいいですね。グロレさん、治療したばかりで悪いんですけど、馬車の外に足を出してくれますか?」
「ああ、構わない」
グロレさんは俺の指示通りに馬車の外に足を出した。
水属性魔法と火属性魔法を『合成魔法』で合成させてお湯を作り、グロレさんの足に付いていた血を洗い流す。綺麗になったのを確認して、『便利ボックス』から取り出したタオルを貸し、足を拭いてもらった。
「念のため、しばらくは安静にしておいたほうがいいですよ」
そう言い残したあと、馬車の外に出て商人さんに近付く。
「グロレさんの治療はやっておきました。一日安静にしておけば大丈夫だと思いますので」
「ありがとうございます! 何から何まで……あっ、そうだ。名乗るのを忘れていました。私は、ドルスリー商会のラバルと申します」
「俺の名前はラルクです……ドルスリー商会?」
ドルスリー商会といえば、王都に居を構える大商会だ。学園のクラスメートである、レックの父親の商会でもある。
「……あっ、もしかしてラバルさん。この馬車って、レコンメティスの王都に行きますか?」
「はい、王都に帰る途中ですよ。ちょっと遠いところから商品を買い取ってきたところなんです」
「あの……もし良かったらですけど、俺も一緒に乗せていってもらえませんか? 実は俺も、王都に帰るところだったんです」
「そうなのですか? それなら、一緒に行きましょう。ラルク様には助けていただいたご恩もありますので、断る理由はありませんよ。それに、それだけお強いラルク様がいれば、道中も安心ですし」
ということで、俺はラバルさんの馬車に乗せてもらうことになった。
◇
ラバルさんの馬車に乗せてもらってから、丸一日が過ぎた。
ラバルさんによれば、もう少しでレコンメティス王国の関所に到着するそうだ。歩いていたらあと数日はかかっていたと思うので、馬車に乗れて本当に良かったと思う。
王都に着くまでの間、俺はみんなの食事担当をさせてもらうことになった。というのも、この馬車にある食料は干し肉とパンだけで、これだけでは正直かなり物足りなかったからだ。そこで俺はみんなに、自分は『調理』のスキルを習得していることと『便利ボックス』に大量の食材を保存していることを伝え、食事担当をしたいと申し出たのだ。俺の料理はラバルさん達にも好評で、自分の腕にますます自信がつく結果となった。
そうして馬車は進み、ついに関所に到着する。
そういえば、俺は関所を通らずに国外へ出たんだけど、大丈夫なのか? 最悪、不法入国ということで逮捕されてしまうかも……
……と思ったのだが、レコンメティス王国とルブラン国は友好国であるため、国境の関所と言っても、簡単に馬車の中をチェックするだけで通してくれるようだ。大事にならずに良かった、と胸を撫で下ろす。
ラバルさんが手続きをしている間、俺は邪魔にならないよう馬車から降り、同じく馬車を降りていたグロレさん達と関所の近くに座って会話していた。
「そういえばラルクはレコンメティスの王都に帰るって言ってたが……王都に住んでるのか?」
グロレさんが尋ねてきたので、俺は頷く。
「はい、そうですよ。ちょっとした問題が起きて、先日ルブラン国に来たんです」
「なるほど。しかし隣国とはいえ、子供一人でよく来られたな……それに徒歩で帰ろうとしてたなんて、ある意味すごい奴だよ。実際すごい奴だけども」
「えっと、それは褒めてるんですか? それとも、からかってるんですか?」
「半々だな」
グロレさんが笑って答えた。
ニックさんも笑顔で言う。
「ラルク君は魔法の腕や料理の腕はすごいけど、ちょっと行動に抜けてるところがあるっすね」
そんなことないと思うんだけど……
会話が一段落したところで関所での手続きが終わったみたいなので、再び馬車に乗り込もうとする。
そのとき、関所にいた兵士さんの一人に俺だけ呼び止められた。
「あっ、ちょっと待ってください」
「ど、どうしましたか?」
やっぱり不法入国がマズかったのかと身構えてしまったが、どうも違うみたいだ。
「あの、もしかしてですが……君はラルク・ヴォルトリス君ですか?」
「あっ、はい。そうですよ」
俺が頷くと、兵士さんはパァッと笑顔になった。
「良かった、ご無事だったのですね!」
……どういうこと? というか、なんで関所の人が俺のことを知っているんだ?
不思議に思っていると、兵士さんが説明してくれる。
なんでも、俺が消えてすぐに、義父さんは王都に戻ってギルドとレコンメティス国王のアルスさんに俺の捜索願いを出したらしい。それでただちに王都から各関所へ、俺の似顔絵と特徴が書かれた紙が伝書鳩で届けられたそうだ。この兵士さんは、俺の顔を見てピンと来たとのこと。
やっぱり騒ぎになってたか……義父さん、心配性だからなぁ……
まあ、突然消えたら誰でも大騒ぎするか。義父さんにはちゃんと事情を説明しておこう。
「事情は分かりました。ありがとうございます」
「いえいえ。会えて本当に良かったです。無事に王都に到着することを祈ってますよ」
兵士さんに別れを告げ、今度こそ馬車に乗り込む。
馬車が動きだしてからしばらくして、グロレさんが話しかけてきた。
「ラルクって、王都では結構有名人なのか?」
「ちょっと顔が広いだけですよ。ほとんどは義父さんの影響です」
「んっ? そういえば、さっきあの兵士はヴォルトリスって言ってたよな……どこかで聞いたことがある家名だが……」
「義父さんは元冒険者で、今も王都のギルドで受付をしているから、そのときに聞いたんじゃないですか? グルド・ヴォルトリスって名前なんですけど」
「「「グルド様の息子なのかッ!」」」
グロレさん、ニックさん、ラバルさんが驚きの表情を浮かべて同時に叫んだ。
ちょっと面食らったが、とりあえず事情を話す。
「は、はい。血は繋がってないですけど。二年前に捨て子だった俺を拾ってくれて、親子になったんですよ」
「そ、そうだったのか……最近、まったく情報の集まるところに行かなかったから、知らなかった……」
呆然と呟くグロレさん。
「二年前と言いますと、ちょうど私がレコンメティスを離れていた時期と被りますね。当時はラルク様のことは話題になったけど、私が帰ってきた頃には落ち着いてしまっていて聞き逃したのでしょう。今の今まで知りませんでした……」
ラバルさんは自分が知らなかった理由を分析している。
「わ~、ラルク君。グルド様がお義父さんなら、ちょっと顔が広いってレベルじゃないでしょ~」
ニックさんは目をキラキラさせていた。
その後、なんで俺が義父さんの息子になったのか話を聞かせてくれと言われたので、ゆっくりと思い出話をした。
馬車に揺られること数時間。
日が沈みかけてきたので、今日は馬車を停めて野宿することになった。王都と関所はかなり離れているらしい。
三人が野営の準備を進める間、俺は夕食を作ることにする。
『便利ボックス』から調理器具と食器を取り出し、土属性魔法で土を操作して調理台を作る。ちなみに、この土は魔力で固めてあるので、調理器具に土が付いて汚れることはない。
火や水は魔法で用意できるから、家にいるときと同じように料理ができた。
それにしても、『生活魔法』で最初にあらゆる魔法を習得しておいて、本当に良かった。また、『合成魔法』もよく使うので、教えてくれたアルスさんには感謝している。
サラダとメインのステーキを作り終えたところで、薪集めに出ていたグロレさん達が戻ってきた。
土属性魔法で作ったテーブルに料理を載せ、これまた土製の椅子に座ってみんなで食べる。
食べ終えたあとは、食器を水属性魔法で洗って風属性魔法で乾かし、道具をしまう。最後に土属性魔法で魔物迎撃用の罠を設置して、俺の仕事は終わり。みんなはもう少し起きているみたいだけど、俺は先に寝かせてもらおうかな。
今日も忘れずサマディさん達へお祈りをし、眠りについたのだった。
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