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1巻
1-1
しおりを挟む1 転生
「……ここはどこだ?」
俺、四宮楽は体を起こし、辺りを見渡した。
俺の目の前には、今まで見たことがないような真っ白い空間が広がっている。
寝かされていたベッドから下り、自分がなぜこんな場所にいるのか思い出そうとしてみる。
「そういえば、トラックに撥ねられたんだっけ?」
そう、学校が終わり、俺が友人と談笑しながら帰っていると、道路を走っていたトラックがいきなり突っ込んできたのだ。
前にいた友人はトラックに掠りもしなかったのに、真後ろにいた俺だけが撥ね飛ばされ、理不尽だと思ったんだよな。
「それでそのまま意識がなくなって、気が付いたらここにいたってわけか……とりあえず、動き回るのは危険そうだ……」
そう呟いてベッドに腰を下ろすと、いきなり目の前に黄色い光の玉が集まりだした。
光はどんどん大きくなっていき、一際強い輝きを放つと、光が収まって扉が出現した。俺が不思議な光景に呆然としていると、扉が開いて一人の男性が現れる。
見た目は20代後半で、背丈は180センチある俺より低い。中肉中背といった感じだ。一見どこにでもいそうな普通の青年のようだが、驚くべきことに、その背中には大きな翼が生えていた。
男性がにっこりと微笑み、口を開く。
「起きていらっしゃいましたか」
「さ、先に質問してもいいですか?」
俺が咄嗟に尋ねると、男性は笑みを浮かべたままうなずく。
「はい、なんでしょうか?」
「ここはもしかして……死後の世界ですか?」
「ええ、その認識で間違っていません」
慌てる俺とは対照的に、男性は淡々としていた。
マジか……本当にあの世ってあるんだな。
感心していたら、男性が続けて言う。
「こんなところでは話もできませんので、移動しましょう」
男性はさっき出てきた扉を開けて中に入っていく。少し迷ったが、俺は付いていくことにした。
扉の先は、日本の茶室のような場所だった。畳が敷かれ、座布団が二つとちゃぶ台が一つ置かれている。
「あっ、どうぞ座ってください。少し長い話になりますので」
男性は座布団に座り、俺に向かいの座布団を勧めてきた。俺が座ると、男性は話し始める。
「まずは自己紹介をしましょうか。私は神界の長、サマディエラと申します。サマディと気軽にお呼びください」
「……えっと、サマディさん。神界の長っていうことは……あなたはまさか、神様だったり?」
「はい、その認識で合ってますよ。四宮楽様」
俺はポカーンとしてサマディさんを見つめた。
サマディさんは気の毒そうな顔をする。
「驚くのも無理ありません。さて、なぜ私が四宮様をこのような場所にお呼びしたか、事情をお話しします」
「あっ、はい。お願いします」
頭を下げると、サマディさんは順を追って説明をしてくれた。
なんでもサマディさんが普段住んでいるのは神界という場所で、そこには様々な神が存在しているらしい。サマディさんは神界の代表、つまり神々のリーダー的存在なのだそうだ。
そのサマディさんによると、俺が死んだのは、とある神による悪戯のせいだという。
神々は本来、人を導く存在だ。それにもかかわらず、地球を見守っていた神々の一柱が突然役目を放棄して、俺に目を付けて運命をおもちゃのように操って遊んでいたとのこと。
「四宮様にも思い当たる節はあると思います。これまでの人生で、やたらと不幸に見舞われてきませんでしたか?」
確かに今まで不運なことはたくさんあった。触れてもいない棚が倒れてきて潰されそうになったり、キャンプ場で吊り橋を渡っていたら板が抜けて落下しそうになったり、両親が同時に浮気をして家を出ていったり……思い返せば、理不尽なことだらけだ。
サマディさんは悲しそうに口を開く。
「神界では個人の運命を弄んではいけないという掟があるのですが、その者はうまく私どもの監視を逃れ、四宮様で遊び続けていたのです」
「なるほど、それで俺は運が悪かったんですね」
「はい、本当に申し訳ありません。今回のようなことがないように、神々の代表として、私がより一層神達の監視を強めます。この度は謝罪のために、天国に向かっていた四宮様の魂を呼び戻したのです。しかしいくら私が神界の長であっても、残念ながら四宮様を生き返らせて元の生活に戻すことはできないのですが……」
「そうですか……それじゃあ、もう俺は天国に行くんですか……?」
仕方ないこととはいえ、かなり不安だ。
しかし、サマディさんは俺の不安を払うようにニコッと笑った。
「いえ、四宮様がもっと喜ぶところに行けますよ」
「どういうことですか?」
「四宮様、異世界に行ってみませんか?」
「へっ?」
突然の提案に、素っ頓狂な声を出してしまう。
混乱していると、サマディさんはさらに詳しく説明してくれた。
「この度、私どものせいで四宮様を死なせてしまったことに対して何かお詫びをしようと思いまして、勝手ながら四宮様について色々と調べさせてもらいました。四宮様、ゲームやアニメのようなファンタジーの世界に憧れていますよね?」
「ええ、そうですけど……」
確かに俺は、昔からゲームとかアニメみたいな世界に行ってみたいと思っていた。両親は小さい頃から勉強しろとうるさかったが、記憶力が秀でていたおかげで、勉強の時間は少しだけで良かった。その分、余った時間をゲームやアニメ鑑賞に回していたので、ファンタジー世界に憧れを抱くようになったのだ。
「そこで異世界に転生して新たな生活を送っていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか?」
「は、はい! 行きます!」
考える間もなく即答した。憧れていた異世界に行けるって言われたら、二つ返事で了承するのは仕方ないと思う。それに、天国で暮らすより異世界に転生したほうが断然楽しそうだし。
俺の返事に、サマディさんがにこやかにうなずいた。
「四宮様なら了承してくださると思いました。それでは、さっそく準備に取りかかりましょう」
サマディさんはそう言うと、指をパチンッと鳴らした。すると突然、目の前にゲーム画面のようなボードが現れる。そこには俺の名前の他に、色々な項目が書かれていた。
【 名 前 】四宮楽
【 年 齢 】―――
【 種 族 】―――
【 性 別 】―――
【 状 態 】―――
【 レベル 】―――
【 S P 】―――
【 力 】―――
【 魔 力 】―――
【 敏 捷 】―――
【 器 用 】―――
【 運 】―――
【 スキル 】『調理:3』
【特殊 能力】『記憶能力向上』
【 加 護 】
【 称 号 】
「もしかしてこれは……俺の能力ですか?」
「はい、そうです。話したり動いたりしているので実感はあまりないと思いますが、現在の四宮様は魂だけの存在になっています。そのため、ほとんどの項目が消えているんです。ですが、地球での生活で培った技能は、スキルや特殊能力として残っています。これらは転生先の世界に持ち込めますよ」
サマディさんの説明はなんとなくしか分からないが、ともかくステータス欄をよく見てみることにした。そこには二つの能力が書かれていた。
まず一つ目、【スキル】の項目にある『調理』について。サマディさんによると、これは俺がこれまで自炊することが多かったから発現したスキルらしい。このスキルを持っていれば、初めて料理する食材でも適切な調理法を見極める能力が高くなるとのことだった。
そして【特殊能力】という項目にある『記憶能力向上』は、その名の通り、持っているだけで記憶能力が上がるというものらしい。確かに俺は人より物覚えが早かったし、教科書を一回読んだだけで頭に入るので、テストでも毎回良い点を取っていた。ちなみに、【特殊能力】は訓練などで習得できる【スキル】と違い、生まれ付き持っているか神からもらうしか取得方法がないらしい。
「一息入れましょうか。お茶でも飲みましょう」
サマディさんが言い、何もない空間からお茶の入った湯呑みを出現させる。渡してくれたお茶に口を付けると、温かくてほっとした。
少し落ち着いたので、サマディさんに改めて確認してみることにする。
「俺の能力って転生しても引き継がれるんですよね?」
「はい、今の記憶や能力を引き継いだまま向こうの世界に転生させます。また、我々もできるだけ四宮様をサポートさせてもらいます」
「今の記憶もですか……でも、地球の知識を異世界に持ち込んで大丈夫ですか?」
俺の質問にサマディさんは深くうなずいた。
「大丈夫です。地球からの転生者は今まで何人かいましたし、四宮様のように前世の記憶を完全に持った人間が転生するといったケースもごく稀にありました。それと、四宮様には私どもからプレゼントがあります」
「プレゼント?」
そう聞き返すと、サマディさんはニカッと笑って話し始めた。
「四宮様への謝罪の意味も込めて、四宮様に対して何かしてあげられないかと神々一同で考えた結果、四宮様が考えた三つのスキルを転生する際に与えることになったのです」
「なるほど……でも、いいんですか? そんなことをしてもらって……」
なんだか申し訳なくなり、思わず小声になったが、サマディさんは笑顔のままうなずく。
「もちろんですよ。繰り返しになりますが、今回は私の管理不足が招いたことなので……遠慮なくスキルを作ってください」
「……急にそう言われてもな。少し考えてもいいですか?」
「はい、決まるまでお待ちしますよ。参考程度に向こうの世界に存在するスキルを一覧にして、ボードに出しますね。自分で一から作るのが難しいようであれば、この中から選んでもらっても構いません」
そう言うと、サマディさんは先ほどのステータスと同じようなゲーム画面っぽいボードを出現させる。ボードにはズラーッと画面いっぱいにスキル名と能力の情報が載っていて、下にスクロールしていっても全然終わりが見えない。
俺は、永遠に続くんじゃないかと思われるほど数多くあるスキルを見ながら、新しい初期スキルを作成していった。
まず作ったのは、『鑑定眼』。物体や人間、スキルなどを鑑定し情報を得ることができるという、異世界に転生する小説では定番のスキルだ。これは元々、転生先の世界にもあった『鑑定』というスキルをベースに作ったのだが、ちょっと改造して、見える項目を増やしたり、相手が鑑定を阻害する効果を持つスキルを持っていても打ち消したりできるようにしている。また、転生先の世界でステータスを見るためには鑑定系スキルが必須らしいから、このスキルはとても役立つはずだ。
二つ目は『便利ボックス』というスキルだ。よくあるアイテムボックスや収納系スキルと似ているけれど、それらのスキルには容量に制限があるので、一定量以上の道具は収納できない。
そこで俺は、自分の魔力量に応じて、入れられるアイテムの個数ではなく種類が増えていくという仕組みにした。収納できる種類の限界は自分の魔力値の半分まで。たとえば、魔力が100あれば50種類のアイテムを個数の上限なしに収納できるという具合だ。
最後のスキルは何にしようかな、と考えていたら、サマディさんが声をかけてきた。
「お伝えし忘れていましたが、スキルにはレベルが存在しますので、スキルが成長することを念頭に置いて作るといいかもしれませんね」
「そうなんですか? でも、成長っていってもイメージが湧かないな……」
「たとえば鑑定系のスキルでしたら、レベルが上がれば得られる情報の量が増えます。他にも、攻撃魔法なら威力が高まったり、収納系スキルなら収納できる容量が増えたりするという感じです」
サマディさんの言葉を聞いて、少し考える。
「……ということは、『便利ボックス』もレベルが上がると性能が良くなるんですよね。でも、このスキルには容量制限とかはないし、どうやって成長させよう……」
「では、レベルが上がるごとに様々な機能を追加していくようにするのはいかがでしょう?」
「あ、いいですねそれ。けど、追加させる機能がすぐには思いつかないから、もうちょっと考えてもいいですか?」
とは言ったものの、全然イメージが固まらない。
しばらく悩んでいると、サマディさんが助け舟を出してくれる。
「でしたら、レベルが上がったタイミングで欲しい機能を自由に足していく、という風にしましょうか」
「え、効果の後付けなんてできるんですか?」
「まあ、今回は特例ですから大丈夫です。向こうで生活するうちに欲しいと思う機能が分かってくると思いますから、その都度スキルを成長させて役立ててください」
「ありがとうございます!」
お礼を言い、最後のスキルはどんなものにしようか考える。
うーん……効果をあとから追加してもいいなら、かなりチートなスキルを作れそうだけど……
しばらく悩んでしまったが、ようやく納得のいくものが作れた。結果的に、最後のスキルはとんでもないものになってしまった。
名前は『生活魔法』。これは、自分が生活に必要だと思ったスキルを取得できるというスキルだ。
一見地味な名前と説明文だけど、効果はチートそのもの。たとえば、俺が『自分が覚えられる全ての属性魔法を覚えたい』と思えば、全部の魔法を取得できるのだ。
サマディさんに頼んだらかなり渋っていたが、なんとか通った。これさえあれば、必要なときに新たなスキルを取得できる。
ただし、何回でも覚えられるようにすると、世界のバランスを崩壊させかねないということで、サマディさんから回数制限をかけられてしまった。覚えられるチャンスは『便利ボックス』と同様に一つのレベルにつき一回。転生先の世界ではスキルレベルの上限は5ということだから、『生活魔法』を使えるのは最大五回ということになる。それでもチートスキルには違いない。大事に使わないとな。
『鑑定眼』『便利ボックス』『生活魔法』の三つのスキルを作り終えたところで、サマディさんが俺に両手をかざす。
「それでは、転生前の準備は終わりましたので、これでお別れです」
「そうですか……えっと、向こうに行ったあとはサマディさんとは会えないんですか? 二度と会えないのは、なんか寂しいので……」
「そう仰っていただけて、嬉しい限りです。それなら、毎日少しの時間で結構ですから、お祈りをしてください。祈り続けることで『信仰心』のスキルレベルが上昇すれば、神界で私と会えるようになるでしょう。またお会いできるそのときを楽しみにしています。次に目覚めたときは、あなたは赤ん坊になっていますよ。それでは、良き第二の人生を」
サマディさんが笑顔で言った。返事をしようとしたが、サマディさんの両手から白い光が放出され、俺の意識は途絶えたのだった。
2 ギルド
「……ここは」
目を開けて周りを見ると、なぜか左右にレンガの壁があった。どうやら俺は、建物と建物の隙間で横になっているようだ。
というか俺は、なんで外で寝てるんだろう? 一応下に茣蓙が敷いてあるが、地面がゴツゴツしていてものすごく痛い。
頭が完全に起きていなかったが、無理やり身を起こす。
「……えっと、確か……俺は転生したんだっけ」
自分の手や体を見てみる。どういうわけか、少年のような大きさになっていた。
「ついさっき転生したばかりなのに、なんでもうこんな大きくなってるんだ? サマディさんは赤ちゃんに転生させるって言ってたのに……そうだ。ステータスを確認してみよう」
頭の中で自分自身に向かって『鑑定』と念じてみる。
すると、天界で見たのと同じようなホログラフィックのステータス画面が、目の前に出現した。
【 名 前 】〝 〟
【 年 齢 】10
【 種 族 】ヒューマン
【 性 別 】男
【 状 態 】飢餓・疲労
【 レベル 】1
【 S P 】0
【 力 】100
【 魔 力 】100
【 敏 捷 】100
【 器 用 】100
【 運 】51
【 スキル 】『調理:3』『便利ボックス:1』『生活魔法:1』『鑑定眼:1』
『短剣術:1』 『毒耐性:1』『精神耐性:3』『飢餓耐性:1』
【特殊 能力】『記憶能力向上』『世界言語』『経験値補正:10倍』『神のベール』
【 加 護 】『サマディエラの加護』
【 称 号 】『転生者』『神を宿し者』『加護を受けし者』『捨て子』『名無し』
「……え?」
色々と変なところがあって驚いてしまった。名前がないのは転生したばかりだからいいとして、なんか、強そうな能力がいっぱい増えているんだけど。
「……いや、驚いている場合じゃない。『鑑定眼』で一つずつ調べてみよう」
頭を切り替え、増えている特殊能力に向けて『鑑定』と念じてみる。こちらもステータスと同じように、ちゃんと説明が表示された。
『世界言語』
動物や魔物を除く全ての種族の言語を理解し、会話や読み書きが可能になる。元々異なる世界からこの世界に転生した人間しか持っていなかったが、稀にこの特殊能力を持った人物の子孫が受け継いでいる場合もある。
『経験値補正:10倍』
神の魂を使って作られたスキル。自身の得られる経験値の量を増幅させる。補正値の倍率は最大で10倍。
『神のベール』
神の魂を使って作られたスキル。所有者が認めた者以外の存在から、ステータスを見られることを完全に防ぐことができる。
「……どうなってんだ、この特殊能力?」
転生前に教えられたときからさらにチート能力が増えていて、理解が追いつかないんですけど。
「ま、まあいいか。あって損するわけじゃないんだし……」
気を取り直して、次に加護という欄にある『サマディエラの加護』を鑑定する。
『サマディエラの加護』
神・サマディエラの加護。能力値の初期値を100まで上げ、上限を1000にする。レベル上昇速度向上のおまけ付き。信仰心の強さで効果が増えるかもしれない。
「なるほど、サマディさんの加護のおかげで、俺のステータスの初期値が100になってるのか……多いのか少ないのか分かんないけど、多分多いほうなんだろうな。いくつか100じゃないものもあるな。まあ、気にしても仕方ないか」
ともかく、どんどん調べていこう。
続いて、五つの称号の鑑定を行う。
『転生者』
異なる世界からこの世界に転生した者に与えられる称号。特殊能力『世界言語』を稀に取得する。
『神を宿し者』
神の魂を宿した者に与えられる称号。能力の上昇値が高くなる他、望めば神へ至ることもできるようになる。
『加護を受けし者』
神の加護を得た者に与えられる称号。あらゆる神から見守られるようになり、『信仰心』が上がりやすくなる。
『捨て子』
家族から捨てられた子供に与えられる称号。幸運値が少し上昇する。誰かの養子になると、この称号は消失する。
『名無し』
家を追放され、名前を捨てられた者に与えられる称号。名前は新たに自分で付け直せるが、苗字を付けることはできない。新たに名前を付け直すと、この称号は消失する。
全ての情報をひと通り確認し、しばらく考え込む。『記憶能力向上』のおかげで効果は覚えられたが、よく分からない単語が多くて、完全に理解するのは時間がかかりそうだ。SPっていうステータスも謎だし……
分からない部分は一旦後回しにして、次に何をしようかと思案する。
「とりあえず、他のスキルも試してみようかな。生活魔法を使えば、必要と思った魔法を手に入れられるから……」
試しに俺は、『今の段階で覚えられる全ての魔法が必要だ』と念じてスキルを発動させてみる。
次の瞬間、体が白く発光し、しばらくして元に戻った。
「今ので覚えられたのか……?」
もう一度ステータスを表示させ、スキル欄を確認する。
「うわっ、すごい!」
思わず大声を出してしまった。というのも、スキル欄には新しく、火、風、水、土、光、闇、雷、氷、聖、無の十種類の属性魔法が発現していたのだ。
「属性ごとに魔法が分かれているんだ。すごくたくさん覚えられたけど……」
一応、魔法が発動するのか実験してみようかな。
指先から小さな火の玉が出るイメージを思い浮かべて念を込めてみる。すると、思った通りに指の先から火の玉が出現し、宙にふよふよと浮いた。
「すごい、本当に魔法が使えるぞ……別に詠唱とかいらないんだな。よし、次は便利ボックスを使ってみよう」
独り言を呟きつつ、頭の中で『便利ボックス、出ろ』と念じる。
そのとき、目の前にゲームでよく見るインベントリのような画面が表示された。こちらも詠唱なしで使えるようだ。
さっそく何かを入れてみようとしたら、インベントリにアイテムが表示されているのに気が付いた。封筒のようなイラストの下に、『四宮様へ』という名前が付いている。
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