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第四章 魔王ロイド
第64話
しおりを挟む団長達の訓練も無事に終わり、俺達は王都から再び離れフィルバハド領へと戻って来た。戻って来た初日、俺はメアにアリサ達と付き合う様になったことを告げると「おめでとうございます」と祝福された。
その後、資料の確認をお願いされたのでメアと一緒に仕事をしていると、一つにまとめられている紙の束を見つけた。俺はそれを手に取ると、中には色んな所の小さな整備のお願い事が書かれていた。
「なあ、メア。こっちの資料に書いてある整備要求についてなんだが、俺が進めても良いか?」
「良いですけど、大変ですよ? 人手が足りずに後回しにしようと思っていたのでやっていただけると助かりますけど」
「人でに関しては大丈夫だ。配下達を使えばこの位の仕事は簡単に出来るさ、それに俺も一緒に仕事をするから数日有ればこの位の仕事なら出来る」
「そうですか、でしたら……こちらにもその類の物が沢山有りますので、お願いできますか?」
そう言いながら、机の引き出しから大量の資料を取り出したメアは笑顔で渡して来た。
「……こんなに仕事があったんなら、言ってくれれば良かっただろ?」
「こちらに関しては、後でゆっくりと片付けて行こうと思っておりまして頭にも無かったです。しかし、やっていただけるなら嬉しい限りです」
「そうか、ならやってくるよ。アリサ達もどうせ暇だろうし、一緒に連れて行ってくるよ」
「はい、お願いします」
メアとそう言って別れた俺は、アリサ達の所へと行き仕事を見つけてきたと言うと嬉しそうに反応を示した。アリサ達には、先程見つけた資料の内容を伝えていくつかの班に分かれて配下と一緒に整備を行う様に伝えた。
「ロイド君、それじゃそっちも頑張ってね」
「ああ、アリサ達もそっちはよろしくな」
アリサ達とは領主の館で別れて俺は竜化を使い竜になって、領地の一番遠い村へと向かった。村に着くと、事前にここの領主が竜人と知られていたので竜に対して驚かれはしなかったが、突然領主がやってきた事に村の者達は驚いていた。
村民に村長の家は何処か尋ねて、村長の家を訪れ話し合いを行った。
「まさか、領主様自らやってくるとは思いもしなかったのでおもてなしの準備が全く整っていないのですが……」
「構わないよ。行く事が決まったのも今日だったしな、それに俺も少し前までは村人だったし同じ村人からおもてなしされるのもむず痒いから、あんまりそう言うのは考えなくて良いよ」
「そうですか、ありがとうございます」
村長は頭を下げてそう言って、整備の場所まで案内してくれた。そして、案内された先で俺は魔法を使い一瞬で要求書に書かれていた〝山崩れで道が閉ざされた場所の開通〟を解決して、村長と村民に感謝されて次の村へと飛び立った。
その後、俺は領内の端っこにある村々を飛び回って問題解決をして行き、ある所では普通におもてなし等されたりしたので2日間掛けて俺の持ち場である場所は全て終わった。
「メア、取りあえず今回出されていた問題については俺の担当は終わったが、アリサ達は帰って来てるか?」
「お疲れさまでした。アリサさん達も本日の朝頃帰って来てました。流石のアリサさん達も疲労が溜まったいたみたいで、帰って来て直ぐにお休みになられました」
「そうか、なら今回のは全部終わったって感じか……今後は、定期的に俺や配下達を使って行うから、俺用の仕事ボックスでも作ってそこに入れておいてくれ」
「それでは、少し時間が掛かるような雑用等はロイド様にお任せしてもよろしいのですか?」
「ああ、その位ならちょうどいいしな、一番面倒くさい領地の経営を任せっきりだしな、それくらいやってやらないと貴族としてなった以上、民に対して貢献しないとな」
俺がそう言うと、メアは「ロイド様は、本当に変わった方ですね」と微笑みながらそう言った。それから、俺も休む為に寝室に移動して来て夕方まで眠り続けた。
「……まあ、徹夜で作業してたし仕方ないか、取りあえず腹が減ったし飯でも食べるか」
徹夜作業の後で寝すぎて頭が少しボーとしてる中、腹が空いている事は理解しているので廊下を歩いている途中でメイドとあったので飯の準備を頼み食堂にやって来た。すると、アリサ達も丁度夕食時だったのか食堂に集まっていて「ロイド様、数日振りですね」とミリアに声を掛けられた。
「徹夜作業で思っていた以上に疲れていたみたいで、さっきまで寝てたよ。アリサ達はいつ起きたんだ?」
「私達も少し前に起きたよ。私達も徹夜で作業して、この館に帰って来てやっと休めたって感じだったから」
「そうなのか、ありがとうな」
俺は仕事を分担してくれたアリサ達にお礼を言うと、アリサ達は「ロイド君の為だから、全然気にしなくて良いよ」と言ってくれた。それから、メイドが持ってきた食事を食べながら領内の情報交換をしつつ、食事をしているとメアも食堂に来たので一緒に話に混ぜて意見の交換会を行った。
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