勇者に幼馴染で婚約者の彼女を寝取られたら、勇者のパーティーが仲間になった。~ただの村人だった青年は、魔術師、聖女、剣聖を仲間にして旅に出る~

霜月雹花

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第四章 魔王ロイド

第60話

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 温泉宿に泊った翌日、今日も訓練があるので夜遅くまで飲んでいなかったので二日酔いもせず目覚めの良く起きれた。起きてすぐに俺は、少し酒の匂いがするなと感じて朝風呂する事にした。折角なので、俺専用の温泉風呂に入ってみると、景色も良く混浴風呂よりも作りが良い感じであった。

「しかし、昨日の話し合いでもされたが、そろそろ答えを出さないとな……」

 昨日の飲みの席でアリサ達から「待つのは全然大丈夫だけど、返事は必ずして欲しい」と泣きながら言われた。まあ、昨日も温泉で裸を見せてきたりと積極的だったなと思っていたが実は心の奥底で俺が居つ離れるか心配していると昨日言われてしまった。

「ふぅ~……そろそろ、答えを出さないと行けないな……」

 俺は自分の中でそろそろ決断の時だろうと感じながら朝日が昇ってるのを見て、湯船から上がり更衣室で着替えてから部屋に戻った。部屋に戻ると、既に起きていたミリア、ミキ、リズがお茶を飲みながら雑談をしていた。

「ミリア達は、やっぱり朝早いんだな」

「はい、でも起きた時にロイド様が居なかったので驚きましたよ」

「ああ、皆より少し早めに起きたから朝風呂に入って来たんだよ。ミリア達も入って来たどうだ? まだ、時間はあるし」

「そうですね。アリサちゃんが起きてから考えます」

 ミリアがそう返すと、リズがお茶を入れてくれたので「ありがとう」と言って受け取り、一口飲んでから風呂の中で考えた事を口に出した。

「後でアリサ達にも言うが、明日の兵士達の訓練は休みにしてくれ」

「良いですけど、突然ですね。予定でも入りましたか?」

「ちょっとな、そろそろ覚悟の時だと思ってさ」

「「ッ!」」

 俺の言葉にミリアとミキが反応し、お茶を注ぎ足していたリズも少し反応していた。リズから好意を寄せているという言葉を受けた事は無いが、リズと暮らしている内に少なくとも〝主〟としての好意ではなく異性として攻囲を寄せられていると気付いていた。

「今日の訓練が終わった後、待ち合わせがしやすいから現世のミリアの部屋に集まろう。リズ、その時に伝えたい事が有ればその場に来い」

「い、良いんですか?」

「俺もそこまで鈍くはない、それに既に4人に迫れているからな一人増えた位アリサ達も許してくれるさ、それがリズなら尚更な」

 そう言うと、ミリアがリズの肩に手をやり「良かったわね」と言うとリズがポロポロと涙を流し始めた。それから、暫くしてからアリサとモモも起き上がり同じ様に説明をしてからアリサ達を現世へと送り届けた。

(主殿、お覚悟は出来たのですか?)

「聞いていたのかクロノス」

(すみません、報告に戻った際に聞いてしまいました……)

「まあ、別に良いよ。後で皆には知らせるつもりだったしな」

 俺がそう言うとクロノスは俺の目前に膝をついた状態で姿を現した。

「こちら報告書になります」

「ああ、ありがとう」

 クロノスから報告書を受け取ると、いつもはそこで消えるクロノスだがまだ俺の前に居た。

「どうした?」

「あっ、いえ……故意ではありますが、覗いてしまったことに罰があるのかと思いまして……」

「だからさっきも言っただろ、後で皆には知らせるつもりだったって、別に怒るつもりは無い。それにクロノスは俺の為に早く資料を渡したかったんだろ?」

「はい……」

 その後、クロノスは「頑張って下さい」と応援の言葉を残してから俺の前から消えた。クロノスが消えた後、いつもの訓練場へと移動して来た俺は既に揃っていた兵士達と訓練を行い始めると、兵士達から「ロイドさん、何か良い事でもあったんですか?」と聞かれた。

「顔に出てたか?」

「はい、いつもはキリッとしてますが今日は少し笑みを浮かべていたので……」

「そうだったか……」

 兵士達からそう言われた俺は、鏡を取り出していつもの顔に戻そうとしていると兵士達から「それで、何かあったんですか?」と聞かれたので、俺が今日アリサ達に想いを伝えると教えると兵士達は「えっ? まだしてなかったんですか!?」と驚かれた。
 兵士達に驚かれた後、応援していますと言われた俺は「ありがとう」と返し、勝負は今日の夜なので今は気を引き締めて訓練をやるぞと意気込んで訓練を再開した。
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