53 / 66
第四章 魔王ロイド
第53話
しおりを挟む
クロム王から兵士の訓練を頼まれた翌日、俺達は早速兵士達の訓練に取り組んでいた。まず、初めに数値だけでは動きが分からないので二人一組での対人戦を行ってもらいある程度の選別を行った。その結果、動き自体は真面である事が分かった。
「数値を見た限りだと、絶望的だったが意外と良いな」
「そうですね。やはり数値だけで決めるのは行けませんですね。これまで数値での選別も兵士の中で行われていましたが、改定しないと行けない様ですね」
結果を見た俺とミリアがそう話していると、隊長の中でもトップである王国兵軍団長のローウェンが俺達の近くに寄って来た。
「ロイド君、それでどうかな私達は?」
「数値だけでしたら、魔人族から攻めれでもしたら半日で滅ぶと予想してましたが、今見た限りだとそんな事は無く数値以上の動きをしていまして、ちゃんと訓練をしているんだなと分かりました」
そう言うと、ローウェンは「魔王さんから褒められるとは、嬉しいよ」と笑って言った。それから、グループを4つのグループに分けてアリサ、ミキ、モモ、俺が一人一つのグループを受け持つ事となった。そして俺が受け持つグループは、ローウェンや各部隊の隊長が居るグループだった。俺はその団体を連れて、異空間の中へと入り他の兵士達に見られない場所に連れて来た。
「まず、最初に俺に教わりたくないという人はいますか?」
その言葉に隊長達は一瞬、考えた顔をするとスッと一人手を上げた。その人物は、王国兵第一隊隊長ギルフォードだった。
「教わりたくないと言いますか、私はロイドさんの実力を知りません。アリサさん方でしたら実力を知っているので何も言いませんでしたが貴方の実力は一度も見たことが無いので、まず実力を見せて欲しいです」
「……まあ、確かにそうですね。というか、それに関してはこれから見せるつもりでした。皆さん、自身の武器は持って来ていますよね?」
そう言うと、隊長達は頷いたので俺はニッコリと笑い「これから、貴方達には俺と戦って貰います。一度でも攻撃が当たれば、今日の訓練は終わりますが、当たらなければ日が暮れようと続きます」と言った。その言葉に隊長達、ローウェンは引きつった様な顔になると直ぐに顔を引き締めた。流石、兵士達の上に立つ者達だなと感心しつつ、手を抜く気が無い俺は全力で相手する事にした。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
「おか、し、すぎるでしょ……」
「化け物……」
「違う、アレは魔王だ……」
訓練開始から10時間程が経ったが未だに攻撃が一度も当たっておらず、訓練は続いていた。そのせいでか、兵士達は偶に愚痴が零れ闘争心が燃え尽きかけていた。しかし、そんな場面でも一人だけ心を燃やし続けている者が居た。
「兵士達よ。我等はリクサムス王国に仕える兵として、何としても魔王倒すぞッ!」
「「「おぉッ!」」」
ローウェンの言葉に隊長達は、沈んでいた気持ちを振り切り叫び攻撃を再開した。そんなローウェン達を見て、俺は感心していた。
(流石、団長と言う役職なだけあって率先して引っ張っているな……)
兵士達を鼓舞し、突撃してくるローウェン達を吹き飛ばしつつそんな事を思っていると、ローウェンの剣が俺の頬を掠めた。
「……攻撃当たりましたね。今日の訓練は終わりです。訓練の間はこちらの世界で暮らしてもらいますので、後は配下達に聞いてください」
攻撃が当たり血が出ていた所を指でふき取りつつ言うと、ローウェン達はパタンッと地面に倒れると「よっしゃぁぁぁ!」と叫んでいた。そんなローウェン達を見届けた俺は、現世へと戻って来て先に訓練を終わっていたアリサ達と合流して会議室でどんな感じだったか話し合いを行った。
「まあ、総じて良くも悪くも無いという感じか」
「そうだね。人族からしてみれば、この国の兵士は団結力もあるし個々の力も強いから強い方だけど他種族か見たらそこそこか弱いって感じだね」
皆の感想を聞いた結果そんな風に締めくくると、ミリアから「強くなることは出来ますでしようか?」と心配した様な顔で聞いて来た。
「大丈夫だろう。少なくとも隊長達のやる気は本物だったよ。俺と10時間の間、戦ってたのに闘争心は燃え尽きなかったからな」
「ロイド、本当にしたんだな……」
「流石に嘘かと思ってましたが、ロイド様。鬼ですね……いえ、この場合だと魔王ですね……」
前もって打ち合わせの時に訓練内容を言っていたが本当にしたんだと驚き、モモとミキからそう言われた。それから、明日からの訓練内容も話し合い当分の間、異空間の中で訓練に付き合うから出てこないと言って話し合いは終わった。
「数値を見た限りだと、絶望的だったが意外と良いな」
「そうですね。やはり数値だけで決めるのは行けませんですね。これまで数値での選別も兵士の中で行われていましたが、改定しないと行けない様ですね」
結果を見た俺とミリアがそう話していると、隊長の中でもトップである王国兵軍団長のローウェンが俺達の近くに寄って来た。
「ロイド君、それでどうかな私達は?」
「数値だけでしたら、魔人族から攻めれでもしたら半日で滅ぶと予想してましたが、今見た限りだとそんな事は無く数値以上の動きをしていまして、ちゃんと訓練をしているんだなと分かりました」
そう言うと、ローウェンは「魔王さんから褒められるとは、嬉しいよ」と笑って言った。それから、グループを4つのグループに分けてアリサ、ミキ、モモ、俺が一人一つのグループを受け持つ事となった。そして俺が受け持つグループは、ローウェンや各部隊の隊長が居るグループだった。俺はその団体を連れて、異空間の中へと入り他の兵士達に見られない場所に連れて来た。
「まず、最初に俺に教わりたくないという人はいますか?」
その言葉に隊長達は一瞬、考えた顔をするとスッと一人手を上げた。その人物は、王国兵第一隊隊長ギルフォードだった。
「教わりたくないと言いますか、私はロイドさんの実力を知りません。アリサさん方でしたら実力を知っているので何も言いませんでしたが貴方の実力は一度も見たことが無いので、まず実力を見せて欲しいです」
「……まあ、確かにそうですね。というか、それに関してはこれから見せるつもりでした。皆さん、自身の武器は持って来ていますよね?」
そう言うと、隊長達は頷いたので俺はニッコリと笑い「これから、貴方達には俺と戦って貰います。一度でも攻撃が当たれば、今日の訓練は終わりますが、当たらなければ日が暮れようと続きます」と言った。その言葉に隊長達、ローウェンは引きつった様な顔になると直ぐに顔を引き締めた。流石、兵士達の上に立つ者達だなと感心しつつ、手を抜く気が無い俺は全力で相手する事にした。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
「おか、し、すぎるでしょ……」
「化け物……」
「違う、アレは魔王だ……」
訓練開始から10時間程が経ったが未だに攻撃が一度も当たっておらず、訓練は続いていた。そのせいでか、兵士達は偶に愚痴が零れ闘争心が燃え尽きかけていた。しかし、そんな場面でも一人だけ心を燃やし続けている者が居た。
「兵士達よ。我等はリクサムス王国に仕える兵として、何としても魔王倒すぞッ!」
「「「おぉッ!」」」
ローウェンの言葉に隊長達は、沈んでいた気持ちを振り切り叫び攻撃を再開した。そんなローウェン達を見て、俺は感心していた。
(流石、団長と言う役職なだけあって率先して引っ張っているな……)
兵士達を鼓舞し、突撃してくるローウェン達を吹き飛ばしつつそんな事を思っていると、ローウェンの剣が俺の頬を掠めた。
「……攻撃当たりましたね。今日の訓練は終わりです。訓練の間はこちらの世界で暮らしてもらいますので、後は配下達に聞いてください」
攻撃が当たり血が出ていた所を指でふき取りつつ言うと、ローウェン達はパタンッと地面に倒れると「よっしゃぁぁぁ!」と叫んでいた。そんなローウェン達を見届けた俺は、現世へと戻って来て先に訓練を終わっていたアリサ達と合流して会議室でどんな感じだったか話し合いを行った。
「まあ、総じて良くも悪くも無いという感じか」
「そうだね。人族からしてみれば、この国の兵士は団結力もあるし個々の力も強いから強い方だけど他種族か見たらそこそこか弱いって感じだね」
皆の感想を聞いた結果そんな風に締めくくると、ミリアから「強くなることは出来ますでしようか?」と心配した様な顔で聞いて来た。
「大丈夫だろう。少なくとも隊長達のやる気は本物だったよ。俺と10時間の間、戦ってたのに闘争心は燃え尽きなかったからな」
「ロイド、本当にしたんだな……」
「流石に嘘かと思ってましたが、ロイド様。鬼ですね……いえ、この場合だと魔王ですね……」
前もって打ち合わせの時に訓練内容を言っていたが本当にしたんだと驚き、モモとミキからそう言われた。それから、明日からの訓練内容も話し合い当分の間、異空間の中で訓練に付き合うから出てこないと言って話し合いは終わった。
23
お気に入りに追加
4,604
あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした
桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。


竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります
しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。
納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。
ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。
そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。
竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる