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第二章 迷宮へ挑む
第39話
しおりを挟む壇上から見下ろす異空間に住む住人達は、俺が現れた事に本当に嬉しそうに俺の方を見上げていた。そんな彼等に答えるように俺が手を上げると、更にワッと完成が鳴り響いた。
そしてルドラが手を上げると、ピタッと歓声が止み隣にいるルドラから「どうぞ」と何故か、俺が何か言う流れを作らされた。
「えっと……皆、久しぶりだね。多分、もう知っていると思うけど俺は記憶の一部が封印されていて今現在もこの現状に驚いている。しかし、忘れていてもこの世界を一から作り上げたという事は理解している。俺が居ない間、こんな素晴らしい世界を作ったお前達に俺は凄く感動している。よく、頑張ったな」
「「「うぉぉぉぉ!!!!!」」」
異空間の住人に対して労いの言葉を掛けると、それを受けた住人達は一斉に叫び始めた。それは、人族も亜人族も魔物も皆一緒になって叫んでいた。
その後、俺の配下の中で以前俺が決めていた幹部達を集めて都市の中央にある城の会議室に集まって貰った。
「まず、主殿は現在記憶の一部が封印されている状態という事でまずは自己紹介から行っていくぞ」
ルドラがそう言うと、集まった幹部5人のルドラとリフェルを除いた3人がバッと席を立った。そして、右から順に名前と種族を言って行った。
名前:クロノス
種族:悪魔
名前:リコル
種族:狐人族
名前:ガギィド
種族:鬼人族
「他にも主殿に使える幹部は居るのですが、仕事を行っている段階でして現在集まれるのはこの人数となります」
「そっか……取り合えず、俺が居ない間、配下達の面倒を見てくれてありがとう」
そう俺がお礼を言うと、ルドラの横に座っていたクロノスと名乗った悪魔が「王よ。それは、我等の使命でありますので当然でございます」と言うと、他の幹部達は頷いていた。
「それでもだよ。記憶をなくしていたとは言え、お前達の事を忘れていたんだからな……それとは別にだが、お前達は俺が居ない間も鍛錬は怠っていないよな?」
「「「「勿論です!」」」」
「勿論じゃ」
4人の幹部にズレてリフェルがそう答えるのを見届けた俺は、現在の世界情勢について軽く説明を行った。すると、ルドラが「戦争に我等も参加するのですか!?」と驚いていた。
「あぁ、そのつもりでいる。父さんや母さんがどういった意図で俺の記憶を封じ込め力を封じた理由は知らないけど、父さんの国が攻められているんだ。俺がいかなくてどうする?」
「ッ! そうですよね! 主殿、ご安心ください。我等、主殿に誓う配下は皆、いつの日か力になれる日を夢見て一日たりとも鍛錬を行ったりしておりません!」
ルドラが力強くそう言うと、他の面々も嘘を付いている様な顔をしていなかった。そんな面々を見て俺は「それじゃ、戦争に出れる者を集めてくれ」とルドラに頼み、その数十分後、城の庭には大勢の兵士達が並んでいた。
パッと見ても数千人は居ると思われる兵士に加えて、魔物軍団の数に驚いた。そして、人型の兵士達はどれも立派な装備を着ておりそれに合うだけの能力を持っており、魔物軍団もスライム族すらもレベルが70を超えている者ばかりだった。
「……これは、普通に一国を落とせられるレベルじゃないのか?」
「主殿、1つだけ言っておきますけど既に主殿はいくつかの国を落としておりますよ? 私の国もそうですし、悪魔族のクロノスの所と鬼人族のガギィドの所も落としておりますよ?」
ルドラの言葉に「ルドラの国以外も俺は落としていたんだな」と驚きの連発すぎて、最早驚く事すらできなかった俺はそんな反応で返し、集まってくれた兵士達に向かって挨拶を行い戦争に向けての激励の言葉を投げかけた。
兵士達との顔合わせが終わった俺は、ルドラに「後の事は任せた」と言って城の中に戻り俺の部屋として用意してくれた部屋に入り現世へと戻って来た。
「想像以上に凄かったな……まさか、あんな異空間を作っていた何て……」
記憶が無くなる前の俺の凄さにそう感じ、ベッドに横になっているといつの間にか夢の世界へと旅立っていた。
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たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。
物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz
今後とも応援よろしくお願い致します。
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