勇者に幼馴染で婚約者の彼女を寝取られたら、勇者のパーティーが仲間になった。~ただの村人だった青年は、魔術師、聖女、剣聖を仲間にして旅に出る~

霜月雹花

文字の大きさ
上 下
36 / 66
第二章 迷宮へ挑む

第36話

しおりを挟む

 勇者を異空間へと入れた後、俺達は昨日話し合いをして、まず最初にやる事としてリクから頼まれた迷宮の攻略をする事にした。

「……ロイド君、凄さはが増してるね」

「ああ、俺自身凄く驚いてるよ」

 迷宮に入り少し時間が経ち、魔物も出てきたので成長した自分の力を確認がしたくて俺が戦闘を行うと、僅か数秒の内に魔物を討伐し終えていた。それは、剣術でも魔法でもだ。身体能力に関しては、数値が見えないので分からないが魔法に関しては魔力量が約10倍に上がっていてたのもあって、今までより更に強い魔法を使う事が出来る様になっていた。
 その後、リクから強敵ばかりだと聞いていた迷宮の魔物をほぼ一撃で討伐して行き、たった2時間程で100層目に到着すると、リクと話した場所で見たコアが壁に埋まっていたのを発見して破壊し、リクからの依頼の迷宮探索は終わった。

「何だか、あっけなかったね。委員長から強いものが居るよって聞いてたから期待してたけど、こんな早くに終わっちゃったね」

「アリサちゃん、委員長も流石にロイド様が覚醒する前はいい勝負が出来ると思っていたんだと思いますよ。現に私達には、良い感じに強いと感じる魔物が居たでしょ?」

 コアがあった部屋で宝を回収しながらアリサ達がそんな話をしていると、強い魔力を感じ取りそちらの方を向くとリクが居て「ほんと、私もロイド君がこんな力を隠し持ってるなんて知りませんでしたよ」と言った。突然現れたリクにアリサ達が挨拶をし、リクから俺とだけで話がしたいと言われたのでアリサ達から少し離れて2人で話を始めた。

「久しぶり、って程時間は空いてないか? こっちにも出現出来たんだな」

「勿論ですよ。私の迷宮ですからね。それより、ロイド君その力は何なんですか? 私の迷宮を潜ってる時より明らかに異常な魔力の上がり方をしてますよね?」

「ああ、実はこれには色々と事情があってだな……」

 俺はそう切り出して、リクにこの数日の間で起こった出来事を簡単に説明をした。すると、リクは「成程、力を封印されていたんだね」と妙に納得していた。

「意外とすんなり受け入れるんだな?」

「まあね。私もそう言うの罠を仕掛けられるから、外の魔法でもそういうのがあるんだなと理解は出来るよ。ただ、そんな何年も効果のある呪いは初めて聞いたけどね」

「まあ、吸血鬼の王族だったみたいだし従来の呪術より強力な呪いの掛け方をしっていたんじゃないか?」

 俺がそう言うと、リクは「確かに王族ってなると隠してる秘術とかありそうだね」と納得していた。それから、アリサ達の元へ戻り暫く談笑してから転移魔法で一層目まで戻って来て迷宮の外へと出た。そして、俺達が出たのと同時にリクの迷宮は一瞬にして消え去った。多分、中の魔物も宝全て俺達が回収したら迷宮を消去したのだろう。
 その後、王都へと戻って来て城に戻るとクロム王に呼ばれた。

「ロイド、早い帰りだったな攻略を諦めたのか?」

「いいえ、無事に100層目まで到達して全ての魔物、全ての宝を回収して帰ってきましたよ。力が溢れていて魔物を一瞬で倒していたのでこんな短時間で攻略出来ました」

「……まあ、もう。ロイドの力に驚くのは止めよう……それより、ロイドの耳に入れたい情報を手に入れたぞ」

「何ですか?」

 俺がそう聞くとクロム王は驚く内容を発した。

「炎竜王ドラドルムが〝蜂の魔王〟と戦争を開始したみたいだ」

「はっ?」
しおりを挟む
感想 59

あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜

霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!! 「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」 回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。 フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。 しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを…… 途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。 フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。 フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった…… これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である! (160話で完結予定) 元タイトル 「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした

桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります

しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。 納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。 ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。 そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。 竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る

神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】 元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。 ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、 理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。 今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。 様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。 カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。 ハーレム要素多め。 ※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。 よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz 他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。 たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。 物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz 今後とも応援よろしくお願い致します。

処理中です...