勇者に幼馴染で婚約者の彼女を寝取られたら、勇者のパーティーが仲間になった。~ただの村人だった青年は、魔術師、聖女、剣聖を仲間にして旅に出る~

霜月雹花

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第二章 迷宮へ挑む

第33話

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 クロム王の記憶が戻った後、今後の事について話し合いが始まったのだがまず最初の議題として〝勇者について〟どうするかの話し合いが始まった。

「これはもう。満場一致で死刑でいいのでは?」

「私もそれでいいと思うのだが、やはり民からしたら〝国を救った勇者〟だからそう簡単に殺す事は出来ないんだ。それに、民からは勇者からパーティーメンバーであるアリサ達を奪ったから復讐されたというイメージを持たれているみたいだ……」

 クロム王の言葉に「えっ?」と聞き返すと、アリサ達が申し訳なさそうな表情してバッと俺に頭を下げた。

「ごめんなさい。私達がちゃんと説明しておくべきだったわ……」

「あぁ……まあ、気にするなアリサ達が悪い訳じゃないから」

 俺はそう言って、3人の頭を優しく撫でると笑顔になりそんな3人の表情を見たミリアが「ズルいです」と言って頭を差し出して来たので俺は4人の頭を交互に撫でてあげた。

「うぉほん! 続きを良いか?」

「あっ……すみません。取りあえず、民にはクロム王から説得して貰うのが手っ取り早いんじゃないんですか?」

「そうなるな……取り合えず、世間が落ち着けまではロイドには城で暮らしてもらうとする」

「そうですね。街に出て騒がれても嫌ですから、そうしますよ」

 俺はそう言って、一旦この話題について終わり他の事について話し合いを行った。

「ふ~、それにしても俺がまさか竜人と魔人のハーフだったとは……」

 話し合いが終わり、クロム王から借りている部屋に戻って来た俺はベッドに腰を掛けつつそう呟いた。そんな俺に対してリフェルが「主よ。戻ったステータスは確認しなくても良いのか?」と聞いて来た。

「確かに、姿がこんなに変わってるんならステータスも大分変ってるだろうな……ステータスオープン」

 リフェルに言われた通り、俺は自身のステータスを開いた。


名 前:ロイド・フォン・フィルバハド
年 齢:15
種 族:半竜半魔人族
職 業:魔法剣士
レベル:147
魔 力:950000
【スキル】
〖無詠唱:10〗  〖魔術(全):10〗〖魔法(全):10〗
〖結界:10〗   〖魔力制御:10〗 〖魔力強化:10〗
〖身体強化:10〗 〖剣術:10〗   〖耐性(全):10〗
〖調理:10〗   〖竜魔法:10〗  〖呪術:10〗
〖神魔法:10〗  〖限界突破:10〗 〖威圧:10〗
〖覇者:10〗
【固有能力】
言語(全) 魔導の魔眼 竜化 魔化 血魔法 
【加護】
・全能神ウェルミルスの加護・知神ノウェルズ ・血神シャルティリ
・竜神ドルヴォルグ    ・魔神マグォルティ・戦神アルバハルバ
・迷宮神ダンダロス    ・聖神セラフィル ・炎神エルヴォル
・水神ミスルトゥ     ・風神フゥラルト ・地神ダルドォル

【称号】
・神々に祝福されし者・神々から試練を受けた者・神の試練を突破した者
・迷宮を突破した者 ・覇道を歩む者     ・覇道を極めし者
・次期竜王候補   ・次期魔王候補     ・神へと至る者


「あぁ、うん。何か凄いや……」

 自分のステータスを確認した俺は、その異様さに驚く事も出来ずただ短銃に受け入れてしまった。何だよ魔力95万って、それにこの加護の多さに称号の意味の分からない言葉は……

「ほほう。流石、主だな、神々から受ける加護の多さが尋常では無いのう」

「……いやいや、まず何で俺にこんな加護が沢山ついてるんだよ? 普通、加護って1個か2個位だろ? 俺は、どの神も信仰してないんだぞ?」

「そうはいっても、既についているでは無いか? まあ、気になるのであれば神を呼び出せばよいのではないのか?」

 リフェルにそう言われた俺は「確かに、加護を与えた本人に聞けばいい!」と判断し、神を呼び出そうとした。しかし、どう呼び出せばいいの分からず適当に「説明をしてくれッ!」と神様を思いながらそう叫ぶと、部屋に光の粒子が集まり始め、人影になるとピカッと光って一人の男性が現れた。

「どうも、お久しぶりですねロイド君」

「……ウェルミルス様」

「おや? 私の事もお忘れですか? 私の事は気軽にミルスとお呼びくださいロイド君」

 現れた男性は、この世界で全能を司っている神様。ウェルミルス様だった。

「えっと、すみません。ついさっき記憶が戻ったばかりで完璧に思い出していませんでした」

「そうでしたか、全く。メリアも実の息子にあんなに強力な呪術を掛けなくても良かったのに……まあ、仕方ない事でしたから仕方ないと言えば仕方ないんですが」

 ウェルミルス様は悲しそうな表情をしながらそう言って「取り合えず、私の事はミルスさんと読んでください」と笑顔で言った。俺は、そんなミルスさんの言葉に一つ気になったところがあった。

「あの、ミルスさんは母さんが何で俺や俺と出会った事もある人に呪術を掛けたのか知ってるんですか!?」

「勿論知ってるよ」

 ミルスさんは凄く良い笑顔でそう答えると、唇に手をやりニコッと笑って母さんが俺や俺の事を知ってる人物に呪術を掛けた理由を話してくれた。

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