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第二章 迷宮へ挑む
第30話
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魔法で地上に降り立った俺に対して、地面に叩きつけられたクソ勇者は「クソが、いてぇな」と言って起き上がった。
「流石、勇者様ですね。3階から落ちたのにダメージがそんなに無いんですね」
「はっ、俺は魔王を倒した勇者様だぞ? たかだか3階程度の高さから落ちても居たくも痒くもねぇよ」
「へ~、そうなんですか? それじゃ、今度はもっと高い所から落としてあげますよッ」
そう言った瞬間、俺は全身に力を込めて勇者へと接近し、首を掴み空へと上昇した。
「くっ、は、離せッ!」
「ええ、離しますよ。はい、どうぞッ!」
一瞬に上空に連れて来た勇者が暴れ始めたので、俺は思いっきり力を込めて地上目掛けて投げ飛ばした。しかし、勇者は途中で体を動かし空中で耐えると聖剣を抜いてこちらに向かって来た。
「俺をおちょくんじゃねぇぇ!!」
「おっそ……」
「ガハッ!」
向かって来た勇者の遅さに俺は呆れつつ、勇者が聖剣を振り抜くと同時に一瞬で真横に移動し、腹部を蹴り飛ばし王都の外まで吹き飛ばした。俺は更にそこから、一瞬で勇者の近くまで転移し、地上目掛けて勇者を蹴り飛ばした。
「グッ……俺は、勇者なんだぞ! 何で、その勇者よりも村人のお前が強いんだよッ!」
「いや、それはお前の努力不足だろ……どうせ、アリサ達におんぶにだっこで戦闘も全くしてなかったんだろ? さっきから剣術を見てたけど、モモのが上手く剣を使えてるぞ? まっ、代えの効く勇者何てそんなもんなんだろ」
そんな挑発と分かる言葉に対して勇者は「クソがッ!」と叫び、何かの魔法を自身に掛けると今までよりも速くなり一瞬それに遅れた俺の腹を勇者が蹴り飛ばした。蹴り飛ばされた俺は数メートル吹き飛んだが、その間に自身に魔法で回復させ、更に地面に落ちる前に魔法で空へと飛び勇者に対して無数の魔法を放った。
そんな俺と勇者の戦闘音に気が付いたのか、王都の方からアリサ達がやって来たが「大丈夫だから、見てて良いよ」と言って戦闘に入らない様にして勇者に接近した。
「何で、お前はこんなに強いんだよ……」
「そんなの俺が努力してきたからに決まってるだろ、お前より何年長くこっちの世界で修羅場を潜り抜けてきたかと思ってんだ?」
「クソが……もう、良いよ。俺の最終奥義を使ってやるよッ!」
勇者はそう言うと、行きなり魔力を練るはじめその圧に俺は距離を取ると、魔力を集めた勇者の姿が先程までとは違っており、魔力量が格段に上がっていた。
「これはな、俺が勇者としてこっちに来た時に貰った能力〖ブレイバー〗の能力だ。敵と認識した相手と互角の魔力量を数分間だけ維持する事が出来る。これで、お前と俺との差は無くなったぞッ!」
そう叫んだ勇者は俺に向かって無数の魔法を放った来た。
「ロイド「君」「様」ッ!」
「ご主人様ッ!」
皆が俺を心配して泣きそうな顔でそう叫んだ。しかし、俺はそんな皆の方を向いて「大丈夫だよ」と言って、手を勇者が放った魔法の方へと向けた。
「消えろ」
ポツリと俺がそう呟くと、勇者の放った魔法は一瞬にしてこの場から消えた。魔法が消えた事に勇者は「は? な、何をしたんだッ!」と叫んだ。
「何をって、魔法を消したんだよ。俺は全属性魔法・魔術の使い手だぞ? さっきから転移魔法も使っている通り、空間魔法も使える。だから、俺はお前の魔法を異空間へと入れたんだよ」
驚いている勇者に一歩一歩近づいて行きながら俺はそう教えてやり、勇者との距離も大分近づいた所で俺は勇者に向かって手を向けた。
「そして、その異空間へとしまった魔法はまだ存在してる。ほら、返してやるよ」
「うわぁぁぁぁ!!」
勇者の目の前で異空間に入れた魔法を出してやり、転移魔法で一瞬で離れた。自身の魔法に直撃した勇者は、吹き飛ばされて全身に傷を負っていた。そんな勇者の目の前に転移魔法で近づいた俺は、腰を落として呻いている勇者と目線を合わせた。
「どうだった。自分の魔法にやられる気分は?」
「うぅ……何で、俺がこんな目に……」
「こんな目にってお前が望んだことだろ? 大人しく、村で暮らしていれば良いものを態々、出て来て俺にやられにきたんだろ? それにな、アリサ達から聞いたけど向こうの世界では殺しは厳禁だそうだな? だがな、こっちの世界では、そんなルールは無い事はもう分かってるよな?」
「ひッ! こ、殺さないで! お、大人しく村に帰るから!」
勇者は俺の言葉に泣きながら訴えかけてきた。そんな勇者に俺は、男としてのプライドの欠片も無いんだなと思い。「もういよ。消えろ」と言って立ち上がり、勇者から目を逸らした。すると、次の瞬間、俺の腹にもの凄い痛みを感じた。
「ひひっ! 騙されてやんの! 俺が命乞いをするわけないだろ、俺は勇者様だぞッ!」
「この、クソ勇者が……」
クソ勇者は俺にムカつくような笑顔をしながらそう言い放ち、俺は地面に倒れた。倒れる寸前、アリサ達が泣きながら近づいてくるのが見えたが意識は段々と薄くなっていった。
(何故、そんな奴に負けているのだ)
地面に倒れ薄れて行く意識の中で頭の中に、そんな声が聞こえた。
(そうか、彼奴らが呪いをかけていたから我の声も聞こえておらんかったのか……よし、呪いは解いた。ほれ、本来のお前に戻れ主よ!)
頭に響く声はそんな事を言うと、消えかかっていた意識は一瞬にして戻り体の奥底から力が溢れ上がって来た。
「流石、勇者様ですね。3階から落ちたのにダメージがそんなに無いんですね」
「はっ、俺は魔王を倒した勇者様だぞ? たかだか3階程度の高さから落ちても居たくも痒くもねぇよ」
「へ~、そうなんですか? それじゃ、今度はもっと高い所から落としてあげますよッ」
そう言った瞬間、俺は全身に力を込めて勇者へと接近し、首を掴み空へと上昇した。
「くっ、は、離せッ!」
「ええ、離しますよ。はい、どうぞッ!」
一瞬に上空に連れて来た勇者が暴れ始めたので、俺は思いっきり力を込めて地上目掛けて投げ飛ばした。しかし、勇者は途中で体を動かし空中で耐えると聖剣を抜いてこちらに向かって来た。
「俺をおちょくんじゃねぇぇ!!」
「おっそ……」
「ガハッ!」
向かって来た勇者の遅さに俺は呆れつつ、勇者が聖剣を振り抜くと同時に一瞬で真横に移動し、腹部を蹴り飛ばし王都の外まで吹き飛ばした。俺は更にそこから、一瞬で勇者の近くまで転移し、地上目掛けて勇者を蹴り飛ばした。
「グッ……俺は、勇者なんだぞ! 何で、その勇者よりも村人のお前が強いんだよッ!」
「いや、それはお前の努力不足だろ……どうせ、アリサ達におんぶにだっこで戦闘も全くしてなかったんだろ? さっきから剣術を見てたけど、モモのが上手く剣を使えてるぞ? まっ、代えの効く勇者何てそんなもんなんだろ」
そんな挑発と分かる言葉に対して勇者は「クソがッ!」と叫び、何かの魔法を自身に掛けると今までよりも速くなり一瞬それに遅れた俺の腹を勇者が蹴り飛ばした。蹴り飛ばされた俺は数メートル吹き飛んだが、その間に自身に魔法で回復させ、更に地面に落ちる前に魔法で空へと飛び勇者に対して無数の魔法を放った。
そんな俺と勇者の戦闘音に気が付いたのか、王都の方からアリサ達がやって来たが「大丈夫だから、見てて良いよ」と言って戦闘に入らない様にして勇者に接近した。
「何で、お前はこんなに強いんだよ……」
「そんなの俺が努力してきたからに決まってるだろ、お前より何年長くこっちの世界で修羅場を潜り抜けてきたかと思ってんだ?」
「クソが……もう、良いよ。俺の最終奥義を使ってやるよッ!」
勇者はそう言うと、行きなり魔力を練るはじめその圧に俺は距離を取ると、魔力を集めた勇者の姿が先程までとは違っており、魔力量が格段に上がっていた。
「これはな、俺が勇者としてこっちに来た時に貰った能力〖ブレイバー〗の能力だ。敵と認識した相手と互角の魔力量を数分間だけ維持する事が出来る。これで、お前と俺との差は無くなったぞッ!」
そう叫んだ勇者は俺に向かって無数の魔法を放った来た。
「ロイド「君」「様」ッ!」
「ご主人様ッ!」
皆が俺を心配して泣きそうな顔でそう叫んだ。しかし、俺はそんな皆の方を向いて「大丈夫だよ」と言って、手を勇者が放った魔法の方へと向けた。
「消えろ」
ポツリと俺がそう呟くと、勇者の放った魔法は一瞬にしてこの場から消えた。魔法が消えた事に勇者は「は? な、何をしたんだッ!」と叫んだ。
「何をって、魔法を消したんだよ。俺は全属性魔法・魔術の使い手だぞ? さっきから転移魔法も使っている通り、空間魔法も使える。だから、俺はお前の魔法を異空間へと入れたんだよ」
驚いている勇者に一歩一歩近づいて行きながら俺はそう教えてやり、勇者との距離も大分近づいた所で俺は勇者に向かって手を向けた。
「そして、その異空間へとしまった魔法はまだ存在してる。ほら、返してやるよ」
「うわぁぁぁぁ!!」
勇者の目の前で異空間に入れた魔法を出してやり、転移魔法で一瞬で離れた。自身の魔法に直撃した勇者は、吹き飛ばされて全身に傷を負っていた。そんな勇者の目の前に転移魔法で近づいた俺は、腰を落として呻いている勇者と目線を合わせた。
「どうだった。自分の魔法にやられる気分は?」
「うぅ……何で、俺がこんな目に……」
「こんな目にってお前が望んだことだろ? 大人しく、村で暮らしていれば良いものを態々、出て来て俺にやられにきたんだろ? それにな、アリサ達から聞いたけど向こうの世界では殺しは厳禁だそうだな? だがな、こっちの世界では、そんなルールは無い事はもう分かってるよな?」
「ひッ! こ、殺さないで! お、大人しく村に帰るから!」
勇者は俺の言葉に泣きながら訴えかけてきた。そんな勇者に俺は、男としてのプライドの欠片も無いんだなと思い。「もういよ。消えろ」と言って立ち上がり、勇者から目を逸らした。すると、次の瞬間、俺の腹にもの凄い痛みを感じた。
「ひひっ! 騙されてやんの! 俺が命乞いをするわけないだろ、俺は勇者様だぞッ!」
「この、クソ勇者が……」
クソ勇者は俺にムカつくような笑顔をしながらそう言い放ち、俺は地面に倒れた。倒れる寸前、アリサ達が泣きながら近づいてくるのが見えたが意識は段々と薄くなっていった。
(何故、そんな奴に負けているのだ)
地面に倒れ薄れて行く意識の中で頭の中に、そんな声が聞こえた。
(そうか、彼奴らが呪いをかけていたから我の声も聞こえておらんかったのか……よし、呪いは解いた。ほれ、本来のお前に戻れ主よ!)
頭に響く声はそんな事を言うと、消えかかっていた意識は一瞬にして戻り体の奥底から力が溢れ上がって来た。
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