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第一章 旅の始まり
第6話
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夕食後、宿のシャワーを使わせて貰った俺達は明日は早い出発なので早々に寝る事にした。村では敷布団で寝ていたので宿のベッドに横になった俺は、直ぐに夢の世界に入った。この日の夢では、以前両親と旅していた時の夢を見た気がしたが、起きた頃には夢の内容は忘れてしまっていた。
「おはよう。ロイド君~」
「おはようございます。ロイドさん」
「おはよう。ロイド」
「おはよう。アリサ、ミキ、モモ」
翌日、朝早くに起きて宿前に集合という事も有りアリサとミキは若干眠たげで朝に弱い感じであったが、モモだけは元気よく挨拶をして朝から元気が溢れていた。
その後、アリサ達と一緒に乗合馬車が出発している場所に行き王都行の馬車を確保し、乗り込んだ。それから、数十分後に動き出し俺達は王都へ向けて出発した。
「ん~、やっぱり馬車のが移動は楽だね~」
「そうね。歩きはちょっと当分は良いかな……」
「そうか? アリサもミキも運動不足なだけだと思うけど、ロイドはあんまり疲れて無かっただろ?」
「まあね。村でもそれなりに農作業をしたりしてたし、一応は、体が剣の技を忘れない様に毎日振ったりして体作りは怠ってなかったから、それなりに体力はあるよ」
俺がそう言うと、モモは俺の腕をニギニギとすると「確かにロイド君。見た目にはあんまりわかんないけど、ちゃんと筋肉あるね」と言った。そのモモの行動にアリサ達は「ズルい!」と言って、モモと同じ様に腕を握って来た。
俺は、そんな三人に「流石に恥ずかしいから、止めて」と言って止めてもらった。
(そう言えば、あの時は結局勇者が来て返事をしてなかったけど、俺達の関係って結構曖昧だな……)
三人は俺に対して好意を寄せているが、俺の方は現時点でそう言った事は無い。というか、ルネとの一件で少し女性という存在が怖くなっている節もある。しかし、そんな女性が苦手だとなっている今の俺でもアリサ達とは一緒に居れるのは俺の心の中ではアリサ達と一緒に居たいと思っているだろう。俺自身、全く分からない状況なのでアリサ達への返事はもう暫く待っててもらおう。
その後、順調に馬車は進み何事も無く日が沈みかけの頃に王都へと辿り着いた。やはり、金をケチらずに王都行の一番早い馬車に乗ったおかげで夕方には王都に着いた。
「どうする。今日は、宿に泊まって明日王城に行く?」
「そうね。そっちの方が良いわね。取りあえず、こっからは色々と面倒になりそうだから顔を隠して移動しましょう」
アリサのその提案に俺達は馬車が王都に入る間にフードを被り、馬車が王都の中に入りお金を支払った後、俺達は宿に向かって歩き出した。宿に着いた俺達は早速、部屋を取ろうとしたのだが部屋数の空きが二人部屋が2つしか無く、どうするか迷っているとアリサ達が行き成り三人でジャンケンを始め、そのジャンケンで勝利を収めたアリサが「ロイド君は、私と一緒の部屋でミキ達にもう一つの部屋に泊まってもらいましょう。ここから、宿探しは無駄な労力となりますから」と早口で説明された俺は、断る間もなくアリサが宿を取り手を取られて、俺は借りた宿の部屋に移動した。
「……アリサ、一応言っておくけどまだ俺達はそう言った関係じゃないからね?」
「分かっているわよ。ただのパーティーメンバーでしょ? 仲間なら、別に一緒の部屋に泊まる事もあるから、これはセーフでしょ?」
「……セーフも何も、俺が何か言う前に決めてたでしょ」
俺はそう言いながらため息を吐き「まだ、俺の中で決まってないから暫く待っててもらう事になる」と告げた。
「返事の事でしょ? 分かっているわ。ミキ達とも昨日話してて、ロイド君の心が決まったら返事を聞こうって、それまで私達はずっと待ってるから」
「ありがとう」
俺はアリサの言葉を聞いてお礼を言うと、エヘヘとアリサは笑うと「惚れた相手が考えてくれてるってだけで前進してるもの」と言った。それから、少しして夕食の時間となり食堂に移動した俺達は、壁際の席に座って素早く夕食を食べ、シャワーを浴びた俺達はそれぞれの借りた部屋に戻り、明日も朝早くから行動をする事になっているので夜更かしをせずに早めに寝る事にした。
しかし、早めに寝ると言ったのだが流石の俺でもまだよく知らない女性と同じ部屋で隣り合って寝ると言う事は精神的にも出来ず、目を瞑ってアリサの事を考えない様にして眠ろうとしたのだが中々寝付くことは出来ずに翌日は、普通に寝不足の状態となった。
「あはは、次からはロイド君は一人にして無理にでも二人部屋に三人で寝る事にするね」
「そうしてくれると、助かる。流石にまだ引き摺ってるから……すまない」
俺はそうアリサに謝罪をしてから、部屋から出て食堂で朝食を取った俺達は、王都に来た目的でもある城へと向かった。
「おはよう。ロイド君~」
「おはようございます。ロイドさん」
「おはよう。ロイド」
「おはよう。アリサ、ミキ、モモ」
翌日、朝早くに起きて宿前に集合という事も有りアリサとミキは若干眠たげで朝に弱い感じであったが、モモだけは元気よく挨拶をして朝から元気が溢れていた。
その後、アリサ達と一緒に乗合馬車が出発している場所に行き王都行の馬車を確保し、乗り込んだ。それから、数十分後に動き出し俺達は王都へ向けて出発した。
「ん~、やっぱり馬車のが移動は楽だね~」
「そうね。歩きはちょっと当分は良いかな……」
「そうか? アリサもミキも運動不足なだけだと思うけど、ロイドはあんまり疲れて無かっただろ?」
「まあね。村でもそれなりに農作業をしたりしてたし、一応は、体が剣の技を忘れない様に毎日振ったりして体作りは怠ってなかったから、それなりに体力はあるよ」
俺がそう言うと、モモは俺の腕をニギニギとすると「確かにロイド君。見た目にはあんまりわかんないけど、ちゃんと筋肉あるね」と言った。そのモモの行動にアリサ達は「ズルい!」と言って、モモと同じ様に腕を握って来た。
俺は、そんな三人に「流石に恥ずかしいから、止めて」と言って止めてもらった。
(そう言えば、あの時は結局勇者が来て返事をしてなかったけど、俺達の関係って結構曖昧だな……)
三人は俺に対して好意を寄せているが、俺の方は現時点でそう言った事は無い。というか、ルネとの一件で少し女性という存在が怖くなっている節もある。しかし、そんな女性が苦手だとなっている今の俺でもアリサ達とは一緒に居れるのは俺の心の中ではアリサ達と一緒に居たいと思っているだろう。俺自身、全く分からない状況なのでアリサ達への返事はもう暫く待っててもらおう。
その後、順調に馬車は進み何事も無く日が沈みかけの頃に王都へと辿り着いた。やはり、金をケチらずに王都行の一番早い馬車に乗ったおかげで夕方には王都に着いた。
「どうする。今日は、宿に泊まって明日王城に行く?」
「そうね。そっちの方が良いわね。取りあえず、こっからは色々と面倒になりそうだから顔を隠して移動しましょう」
アリサのその提案に俺達は馬車が王都に入る間にフードを被り、馬車が王都の中に入りお金を支払った後、俺達は宿に向かって歩き出した。宿に着いた俺達は早速、部屋を取ろうとしたのだが部屋数の空きが二人部屋が2つしか無く、どうするか迷っているとアリサ達が行き成り三人でジャンケンを始め、そのジャンケンで勝利を収めたアリサが「ロイド君は、私と一緒の部屋でミキ達にもう一つの部屋に泊まってもらいましょう。ここから、宿探しは無駄な労力となりますから」と早口で説明された俺は、断る間もなくアリサが宿を取り手を取られて、俺は借りた宿の部屋に移動した。
「……アリサ、一応言っておくけどまだ俺達はそう言った関係じゃないからね?」
「分かっているわよ。ただのパーティーメンバーでしょ? 仲間なら、別に一緒の部屋に泊まる事もあるから、これはセーフでしょ?」
「……セーフも何も、俺が何か言う前に決めてたでしょ」
俺はそう言いながらため息を吐き「まだ、俺の中で決まってないから暫く待っててもらう事になる」と告げた。
「返事の事でしょ? 分かっているわ。ミキ達とも昨日話してて、ロイド君の心が決まったら返事を聞こうって、それまで私達はずっと待ってるから」
「ありがとう」
俺はアリサの言葉を聞いてお礼を言うと、エヘヘとアリサは笑うと「惚れた相手が考えてくれてるってだけで前進してるもの」と言った。それから、少しして夕食の時間となり食堂に移動した俺達は、壁際の席に座って素早く夕食を食べ、シャワーを浴びた俺達はそれぞれの借りた部屋に戻り、明日も朝早くから行動をする事になっているので夜更かしをせずに早めに寝る事にした。
しかし、早めに寝ると言ったのだが流石の俺でもまだよく知らない女性と同じ部屋で隣り合って寝ると言う事は精神的にも出来ず、目を瞑ってアリサの事を考えない様にして眠ろうとしたのだが中々寝付くことは出来ずに翌日は、普通に寝不足の状態となった。
「あはは、次からはロイド君は一人にして無理にでも二人部屋に三人で寝る事にするね」
「そうしてくれると、助かる。流石にまだ引き摺ってるから……すまない」
俺はそうアリサに謝罪をしてから、部屋から出て食堂で朝食を取った俺達は、王都に来た目的でもある城へと向かった。
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