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第一章 旅の始まり
第4話
しおりを挟む村との縁を切り、アリサ達と共にまずは近くの街を目指す為に森を抜けて道を歩ていた。その際に色んな話、特にアリサ達の元の世界の事を聞いていると、ふと思ったのが互いの呼び名についてだった。
「そうだね。ロイド君って今何歳なの?」
「ついこの間、15歳になったばかりだけどアリサ達は?」
「私達は全員18歳だよ」
「えっ? 年上なの、俺より下かと思ってたから普通に呼び捨てしてた…・・」
三人の実年齢を聞いた俺は普通に驚いてしまった。逆にアリサ達から俺の歳が15という事に驚いており、余り年齢を変わらないし俺は三人の事を呼び捨てにアリサは俺に君付け、ミキはさん付け、モモは俺と同じく呼び捨てという事が決まった。
「何だか、モモだけ一番距離が近い感じがするんだけど……」
「仕方ないだろ、性格の問題なんだから、それに嫌ならアリサだって呼び捨てにすれば良いだろ?」
「よ、呼び捨ては流石に……」
という感じで、アリサは俺の事を呼び捨てにする事が恥ずかしいらしくモモの言葉に頬を赤く染めて撃沈していた。
「所でロイドさん、先程の勇者の圧倒具合からみてロイドさんはかなりの実力者だと思うんですが、その辺の事を聞いてもよろしいでしょうか?」
「あ~、やっぱり気になるか? ……実は、俺って10歳の頃まで親に連れ回されて色んな所を旅させられてたんだよ。それはもう色んな所で、賑わう街や廃れて地名すらなくなった廃村、大陸も移動したことがあるんだよ。そんな旅をしていたり、いつしか力も強くなってたって訳だよ。ちなみに両親は料理が苦手だし、魔法も器用な事が出来ないから俺が担当してたら子供ながら色々と色んなスキルを取得したんだ」
「な、成程。幼少期から凄かったんですね。あの、ステータスの確認とかしても良いですか? 後で私達のも見せますので」
「ああ、良いよ。これから一緒に旅する仲間だしな、ステータスオープン」
俺のステータスを見たいと言ったミキの言葉に了承した俺は、歩みを止めて自身のステータスを開いた。
✤
名 前:ロイド・フィルバハド
年 齢:15
種 族:人間?
職 業:魔法剣士
レベル:147
魔 力:100000
【スキル】
〖無詠唱:10〗 〖魔術(全):10〗〖魔法(全):10〗
〖結界:10〗 〖魔力制御:10〗 〖魔力強化:10〗
〖身体強化:10〗 〖剣術:10〗 〖耐性(全):10〗
〖調理:10〗 〖鑑定:10〗
【固有能力】
言語(全) 魔導の魔眼
【加護】
・???
【称号】
・???
✤
昨日見たばかりで大して変わっていないステータスに俺は普通の顔を見ていると、アリサ達が驚いた顔をしていた。
「「「えっ?」」」
アリサ達は俺のステータスを確認見ると、その異様さに驚き固まった。まあ、俺自身このステータスを他人に見せるのは初めてでルネや村の人にも見せた事が無い。あるとすれば、村に置いて行かれてそれ以来会っていない両親くらいである。
「ま、まってよ。レベル147って何!? 私達でも100前後なのよ!? 勇者の彼奴でもレベルは130ちょっとなのにロイド君。勇者よりも高いの!? それに魔力の数値も、これって確か生まれ持っての才能よね? ロイド君のこの数値、魔王レベルじゃないの!?」
「アリサちゃん、これ普通に魔王より上よ……」
「うん、まあ……内緒だよ?」
俺の言葉にアリサ達は「いやいや、その前に聞きたい事が沢山あるわよ」と言った感じにこの後、色々と質問をされた。まあ、実際の所俺自身知らないので、俺の両親と会った時に聞いて欲しいと言った。
「……ロイド君の両親に一度あってみたいわ」
「それは俺もだよ。俺が10歳の時から姿を見て無いからね。まあ、あの人達の事だから何処かで生きてはいると思うけどね」
まあ、再会したら一発は殴らせてもらおうとは思っている。なんせ、当時10歳だった俺を村に置いて何処かに消えたのだから……
その後、アリサ達のステータスも見せてもらう事になったのだが、勇者の仲間にしてはスキルも普通だし、レベルも俺より低いので大してリアクションが取れなかった俺に対してアリサ達は「驚かせようと思ってたのに……」と落ち込んでいた。
「で、でもほらアリサ達が上級職業に就いてるのに驚いたよ!」
「そこだけでしょ……」
フォローの言葉にアリサが落ち込んだ様子でそう言った。しかし、この年代で上級職に就いているのは本当に凄いと俺は思った。俺自身、特殊な環境のであった為に10歳の頃には上級職業の1つである〝魔法剣士〟という役職についているが、アリサ達はそんな過程を吹っ飛ばして最初から教えられた職業に就いていたと聞かされた。
アリサは、魔法使い系にとって最上位職とも言われている〝魔導士〟の役職に就いており、ミキは聖職者系の最上位職である〝聖女〟に就いていて、モモは剣術使い系の最上位職、俺とは違うルートの職業の〝剣聖〟に就いていた。
「まあ、でも逆に考えたら強い4人が揃ってるんだから、旅には向いているよ」
「そうよね。というか、勇者を圧倒したロイド君なら、彼奴よりも戦えるだろうしこれまで以上に色んな所を旅できそうね」
「そうですね。あのクソ勇者は、色々と精神的にも弱かったのでこちらの世界に慣れずに旅も拒んでいましたからね。私達的には折角の異世界に召喚されたので楽しもうと思っていたのに、本当に邪魔でしたよ」
ミキのその言葉にアリサとモモも「そうよね」と同感していた。そんなミキ達の言葉に俺はふと思った事を質問した。
「アリサ達は、異世界。この世界に召喚されたのは怖くなかったのか? さっきの話を聞いただけだと、そっちの世界にはステータスも魔物も居なかったみたいだけど」
「う~ん、ロイド君に言って分かるか分かんないんだけど、私達の世界ってこういった世界に似たゲームとか小説とか映像作品が沢山あるのよね。それで私達って所謂そう言った系を好きな〝オタク〟って部類に入ってて、こっちの世界に来た時は恐怖よりも感激したわ」
「へぇ~、そっちの世界だとそう言った物もあったんだ。興味深いね」
その後、俺達は再び街を目指して歩き出し、アリサ達から元の世界の話を色々と聞いた。
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