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第一章 旅の始まり
第2話
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場所は変わらず、しかし話を聞くという事なので魔法で作った椅子に俺達は座った。
「それで、話って何ですか?」
「ええ、まずは私達の仲間でもあった勇者の行い。それを謝罪させてください。本当にごめんなさい」
「ごめんなさい。ロイド君」
「すまない」
アリサは本当に申し訳なさそうに謝罪をすると、他二人も俺に対して頭を下げた。そんな3人に対して俺は、この人達が悪い訳では無いと思い「頭を上げてください。貴女方が悪いわけでは無いので」と言った。
「ありがとうございます。それで、次が本題なのですが……ロイド君。貴方は、これからどうするおつもりなのでしょうか?」
「……そうですね。まあ、貴女方に言うべきなのか分かりませんが、村から追い出されましたし、何処か遠くに行こうと思います。これでも、多少腕には自信がありますので」
「そうですか……それでしたら私達と一緒に旅に出ませんか?」
アリサは先程までの申し訳なさそうな雰囲気から一変して、笑顔でそう提案をした。その提案に対して、ミキは「ちょっと、アリサちゃん。急に言ったらロイド君が混乱するでしょ」と待ったを掛けた。
「ロイドさん、ごめんなさい。アリサが唐突に言っちゃって」
「い、いえ」
「アリサちゃん、まずは説明をしないといけないわよ。私達はロイドさんの想い人を奪った勇者の仲間ってまだ思われてるんだから」
「あっ、そっか!」
ミキの言葉にアリサはそう反応をする。そして、俺はここで先程から不思議に思っていた事についてアリサ達に尋ねた。
「先程から〝仲間でもあった〟や〝仲間ってまだ思われてる〟って既に貴女方が勇者の仲間じゃないみたいな言い方してますけど、それってどういうことですか?」
「それについて、今から説明します。まず、私達はこの世界とは別の世界。所謂、異世界から来たという事は知ってますか?」
ミキの言葉に俺は「はい」と答える。
2年程前に俺達が属す国。〝リクサムス王国〟が異世界から勇者を召喚したと国中、世界中に大体的に知らせた事は今でも覚えている。しかし、魔王は存在しているが戦争等ここ数百年行われていない。
それなのに何で勇者何て召喚したのか疑問に思われていたが、それと同時期に〝蜘蛛の魔王軍〟がリクサムス王国に攻めてきた。結果として、2年間の〝蜘蛛の魔王軍〟とリクサムス王国は戦争が起こり丁度良く召喚した勇者達によって魔王を討伐したのである。
「私達、3人は元の世界でも仲が良くいつも一緒にいたのですが件の勇者とは同じ学び舎の同じ部屋で勉強を共にする程度の間柄でした。まあ、先程からの勇者への態度から察しが付きますが私達は勇者を嫌っております。ですが、この世界では魔王が進軍してきており助けを待つ人が居ました。なので、私達は2年間我慢をして勇者と旅に出て魔王を打ち取って来たのです」
「……勇者の事が嫌いって、それは勇者は知ってるのですか?」
「知りませんよ。だって言ってませんもの、多分彼は私達が好意を寄せていると思っているんでしょうね。……本当にクズな人間です」
「ッ!」
ミキの最後の言葉にはガチの殺気が感じ取り、一瞬驚く直ぐにミキは殺気を沈め「すみません。取り乱しました」と謝罪をした。それから、アリサとモモからも同じように勇者に対しての文句を聞かされ、本当にこの三人は勇者の事が嫌いなんだと分かった。
「それで、そんな勇者が嫌いな貴女方は何故この様な話を俺にしたんですか?」
「ロイドさん、それは最初にも言いました通り、私達は貴方と共に旅に出たいからというのもあるのですが……私達は、三人ともロイドさんに一目惚れしたんです」
「へっ?」
ミキの思いもよらぬ告白に俺は情けないような声を上げた。そんな俺に対してミキは「この気持ちは本当です」と真顔で告げられた。その言葉に俺は違和感を覚える。俺と彼女達が出会ったのは、たった一週間前である。そして、ただの村人でもあった俺は彼女達とは接点が全くない。
「えっと……俺と貴女方が会ったのって、一週間程前じゃないですか? その間、全く話してませんでしたよね?」
「ええ、ロイドさんには婚約者が居ると村の人から聞きまして一歩引いておりました。しかし、先程その婚約者は勇者に鞍替えしました。なので、私達はロイドさんの元へ出てきたんです」
「え~っと……」
ミキのその真っすぐな瞳で告げられた言葉に俺は動揺していると、アリサとモモも俺に寄って来て「この気持ちは本当です」とミキ同様に真っすぐな瞳で俺を見つめてきた。
「ちょ、ちょっと待ってください! 俺、貴女達の事を勇者の仲間って程度しか知らないんで、そんな事を言われても困ります!」
「ええ、分かっています。こちらが一方的に好意を寄せたとしても、ロイドさんが困ってしまうのは分かります。なので、私達の事を知ってもらう為にも一緒に旅に出たいと最初に申したのです」
「ロイド君、私達勇者の仲間だったからそれなりに強いから旅のお供には最適だよ?」
「それにこっちには、異世界の知識を持ってる3人が居るんだ。今後の生活は私達に任せてもらっても構わないからな」
ミキ、アリサ、モモは動揺する俺に対してそう畳みかけてきた。その時、俺達の話し合いをしている場に人が近づいてくる気配を感じ取りそちらの方を見ると勇者と、その横にルネが腕に抱き着いた状態で出てきた。
「それで、話って何ですか?」
「ええ、まずは私達の仲間でもあった勇者の行い。それを謝罪させてください。本当にごめんなさい」
「ごめんなさい。ロイド君」
「すまない」
アリサは本当に申し訳なさそうに謝罪をすると、他二人も俺に対して頭を下げた。そんな3人に対して俺は、この人達が悪い訳では無いと思い「頭を上げてください。貴女方が悪いわけでは無いので」と言った。
「ありがとうございます。それで、次が本題なのですが……ロイド君。貴方は、これからどうするおつもりなのでしょうか?」
「……そうですね。まあ、貴女方に言うべきなのか分かりませんが、村から追い出されましたし、何処か遠くに行こうと思います。これでも、多少腕には自信がありますので」
「そうですか……それでしたら私達と一緒に旅に出ませんか?」
アリサは先程までの申し訳なさそうな雰囲気から一変して、笑顔でそう提案をした。その提案に対して、ミキは「ちょっと、アリサちゃん。急に言ったらロイド君が混乱するでしょ」と待ったを掛けた。
「ロイドさん、ごめんなさい。アリサが唐突に言っちゃって」
「い、いえ」
「アリサちゃん、まずは説明をしないといけないわよ。私達はロイドさんの想い人を奪った勇者の仲間ってまだ思われてるんだから」
「あっ、そっか!」
ミキの言葉にアリサはそう反応をする。そして、俺はここで先程から不思議に思っていた事についてアリサ達に尋ねた。
「先程から〝仲間でもあった〟や〝仲間ってまだ思われてる〟って既に貴女方が勇者の仲間じゃないみたいな言い方してますけど、それってどういうことですか?」
「それについて、今から説明します。まず、私達はこの世界とは別の世界。所謂、異世界から来たという事は知ってますか?」
ミキの言葉に俺は「はい」と答える。
2年程前に俺達が属す国。〝リクサムス王国〟が異世界から勇者を召喚したと国中、世界中に大体的に知らせた事は今でも覚えている。しかし、魔王は存在しているが戦争等ここ数百年行われていない。
それなのに何で勇者何て召喚したのか疑問に思われていたが、それと同時期に〝蜘蛛の魔王軍〟がリクサムス王国に攻めてきた。結果として、2年間の〝蜘蛛の魔王軍〟とリクサムス王国は戦争が起こり丁度良く召喚した勇者達によって魔王を討伐したのである。
「私達、3人は元の世界でも仲が良くいつも一緒にいたのですが件の勇者とは同じ学び舎の同じ部屋で勉強を共にする程度の間柄でした。まあ、先程からの勇者への態度から察しが付きますが私達は勇者を嫌っております。ですが、この世界では魔王が進軍してきており助けを待つ人が居ました。なので、私達は2年間我慢をして勇者と旅に出て魔王を打ち取って来たのです」
「……勇者の事が嫌いって、それは勇者は知ってるのですか?」
「知りませんよ。だって言ってませんもの、多分彼は私達が好意を寄せていると思っているんでしょうね。……本当にクズな人間です」
「ッ!」
ミキの最後の言葉にはガチの殺気が感じ取り、一瞬驚く直ぐにミキは殺気を沈め「すみません。取り乱しました」と謝罪をした。それから、アリサとモモからも同じように勇者に対しての文句を聞かされ、本当にこの三人は勇者の事が嫌いなんだと分かった。
「それで、そんな勇者が嫌いな貴女方は何故この様な話を俺にしたんですか?」
「ロイドさん、それは最初にも言いました通り、私達は貴方と共に旅に出たいからというのもあるのですが……私達は、三人ともロイドさんに一目惚れしたんです」
「へっ?」
ミキの思いもよらぬ告白に俺は情けないような声を上げた。そんな俺に対してミキは「この気持ちは本当です」と真顔で告げられた。その言葉に俺は違和感を覚える。俺と彼女達が出会ったのは、たった一週間前である。そして、ただの村人でもあった俺は彼女達とは接点が全くない。
「えっと……俺と貴女方が会ったのって、一週間程前じゃないですか? その間、全く話してませんでしたよね?」
「ええ、ロイドさんには婚約者が居ると村の人から聞きまして一歩引いておりました。しかし、先程その婚約者は勇者に鞍替えしました。なので、私達はロイドさんの元へ出てきたんです」
「え~っと……」
ミキのその真っすぐな瞳で告げられた言葉に俺は動揺していると、アリサとモモも俺に寄って来て「この気持ちは本当です」とミキ同様に真っすぐな瞳で俺を見つめてきた。
「ちょ、ちょっと待ってください! 俺、貴女達の事を勇者の仲間って程度しか知らないんで、そんな事を言われても困ります!」
「ええ、分かっています。こちらが一方的に好意を寄せたとしても、ロイドさんが困ってしまうのは分かります。なので、私達の事を知ってもらう為にも一緒に旅に出たいと最初に申したのです」
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「それにこっちには、異世界の知識を持ってる3人が居るんだ。今後の生活は私達に任せてもらっても構わないからな」
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